実行ロードマップと、発注に使えるチェックリスト。
大きな構想を、90日の検証と再利用できる成果物に落とす。
制度の細目が決まる前でも、数量・需要・見積の受渡しを整える仕事は進められます。未確定ルールへの作り込みを抑え、顧客の実案件で再利用できるデータを残すことが先です。

根拠:[3] 国土交通省|検討事項と検討スケジュール(案)(第8回資料2)
90日で確かめること(独自提案)
| 期間 | 成果物 | 合格条件 | 中止・変更条件 |
|---|---|---|---|
| 0~15日 | 対象3棟、比較目的、必要資料一覧、責任分担 | 建築主・設計・経済性・LCA担当が比較条件に合意 | 決裁者が不在、比較案がない、利用許諾が得られない |
| 16~30日 | 基準案と代替案、入稿データ台帳、欠損一覧 | 主要入力に根拠が付き、不足が結論へ与える影響を説明できる | 主要数量や需要を推定しても範囲を限定できない |
| 31~60日 | 費用・炭素比較、感度分析、変更履歴 | 再計算で同じ結果、二重計上なし、採否または追加調査を決められる | データ収集費が顧客の支払意思を恒常的に超える |
| 61~90日 | 受入済み報告、業務原価、次案件の再利用テンプレート | 顧客の判断に使われ、継続案件・有償範囲を合意 | 説明資料だけで終わり、判断・調達に使われない |
発注仕様に入れる項目
- 目的:法定評価、設備投資、補助申請、金融審査、運用改善のどれを対象にするか。
- 比較機能:面積、用途、耐震・耐火、快適性、稼働条件が同等か。
- 成果物:入力表、原単位出典、計算結果、比較理由、感度、差分履歴、再計算手順。
- 除外範囲:生産設備、テナント工事、外構、認証申請、構造検討等の扱い。
- 検収:単位整合、境界整合、算定の再現、変更理由、重要データ欠損の明示。
- 変更管理:何回までの修正を含むか、追加費用、納期への影響。
- 権利:図面・EPD・顧客情報・地理空間データの利用と再配布範囲。
政策への提言:届出件数の先を測る
制度の成果を算定件数だけで測ると、報告書作成が目的になりかねません。設計段階で変更された資材量、採用された省エネ措置、既存ストックの継続利用、証拠付きで比較できる製品の割合を合わせて追う提案です。初期は提出負荷を抑え、データ品質と意思決定への利用実態を改善します。
中小設計者・施工者にとっては、新たなソフト導入費より、数量を拾い直す時間が負担になる場合があります。BIM未導入でも見積内訳から始められる入口、同じ資料を複数制度へ提出し直さずに済む仕組み、原単位の版管理を優先することが実務上の効果につながると考えます。
国際航業・エネがえるへの提言
- 入口は地図、価値は投資の採否。PLATEAU等で候補を絞り、屋根改修時期・需要・保有方針を重ねる。見た目の美しい地図だけでは投資は決まりません。
- 専門計算を置き換えず、比較条件をつなぐ。J-CAT等のLCAと経済性を共通案件IDで管理し、合算前に境界を照合します。
- 最初の製品は「改修する一棟の比較票」。決裁者が必要とする費用、炭素、工期、安全、未確認項目を一枚へ集約し、裏に根拠を付けます。
- 年次更新に価値がある顧客へ展開する。需要・料金・設備更新・制度変更で再計算し、前年との差を説明します。
プラットフォームの運用設計
本ガイドは、総合入口と法制度・計算・バリューチェーン・政策支援・技術・市場・活用・実行の各記事を独立利用できる構造です。制度日程と補助期限は出典台帳の更新対象にし、技術の一般論と分離しています。将来の運用では、原文更新を検知しただけで自動公開せず、対象・数値・適用日が変わる差分を確認して本文を更新します。
記事の評価指標は、ページ数や表示回数に加え、比較票の利用、根拠閲覧、代表案件の相談、有償検証への移行です。顧客情報の入力を求めず使える教材を入口にし、実案件の情報は顧客が相談を選んだ後に受け取ります。





