営業時間を20%短くしても、電気代が20%減るとは限りません。常時負荷、営業中だけの負荷、基本料金を分け、売上や人件費と同じ変更期間で比較します。
営業時間を短くしても、電気代は時間に比例して減らない
価格・根拠の確認日:2026年10月3日。公表実績・販売店の提示価格・試算用の仮定を分けて掲載しています。販売店価格は購入成立額や全国平均ではなく、取得時点の表示です。
閉店後も冷蔵庫やサーバーが動けば、その電力は残ります。基本料金の削減も自動ではありません。実際に停止できる機器だけを足します。
| 確認項目 | 価格・数値の目安 | 対象・条件・出典 |
|---|---|---|
| 高圧電力・関東の公示例 | 基本2,530円/kW・月、電力量17.43円/kWh(税込) | 東京電力EPの2026年4月実施プラン。燃料費・市場価格調整、賦課金は別。力率による基本料金調整も別。全事業者の相場ではありません。東京電力EP|2026年4月実施 高圧料金表 |
| 契約時期 | 2026年11月の見直しも確認 | 移転・稼働開始日に適用される契約を確認。10月時点の単価を長期固定とは扱いません。東京電力EP|2026年の料金・供給条件見直し |
悲観・通常・楽観で、どこまで変わるか
1日2時間、月26日、12か月短縮し、停止できる平均負荷を3・5・8kWと仮定。単価20・25・30円は税込の実効電力量単価の感度幅です。契約電力は変わらないため基本料金削減は0。高圧の公示例は小規模店舗の低圧契約へ直接適用しません。
以下は条件を置き換えた独自の感度分析です。「通常」は比較の基準ケースで、最頻値・平均的な顧客・将来予測を意味しません。3ケースに発生確率は付けておらず、信頼区間やP90/P50/P10でもありません。
| ケース | 停止できる平均負荷 | 年間削減量 | 実効単価 | 年間削減額 |
|---|---|---|---|---|
| 悲観 | 3kW | 1,872kWh | 20円/kWh | 37,440円 |
| 通常(基準) | 5kW | 3,120kWh | 25円/kWh | 78,000円 |
| 楽観 | 8kW | 4,992kWh | 30円/kWh | 149,760円 |
計算方法:削減量=短縮時間×営業日数×停止できる平均kW。費用削減=削減kWh×実効単価。
判断が変わる境界:通常の削減額は年78,000円、月6,500円です。同じ時間帯の売上ではなく限界利益の減少がこれを超えるなら、電気代だけを理由にした短縮は有利とはいえません。人件費・健康・営業継続も別に判断します。
自分の案件に近づける確認資料
閉店前後の実測、冷蔵・空調・換気の停止条件、請求書、短縮時間帯の限界利益を取得。消費量の削減と最大需要の削減は分けて確認します。
価格・根拠の出典と時点
- 東京電力EP|2026年4月実施 高圧料金表 — p.4 高圧、関東。税込。調整単価は別
- 東京電力EP|2026年の料金・供給条件見直し — 4月改定および11月改定案内。適用日を確認
- 東京電力EP|従量電灯B・C — 契約メニューの公示単価・2026-10-03確認
計算の考え方を確認する補足例
ここからの図・数値は、計算方法を説明するための別の仮定例です。上の出典付き価格・3ケース比較とは条件が異なり、現在の市場価格や同一案件の結果を示すものではありません。

減るのは、停止できた設備の使用量
閉店後も冷蔵庫、サーバー、防犯、保温等が動く施設では、営業短縮の比率と使用量の削減率は一致しません。また、清掃や仕込みを閉店後に移すだけなら、その設備の稼働時間は減りません。
設備を「常時」「営業連動」「作業量連動」に分け、停止できる時間を確認します。停止によって品質や安全が損なわれる設備は、電気代だけを理由に止めません。
2時間短縮する店舗の仮定例
常時負荷2kW、営業中の追加負荷5kW、月30日、営業12時間から10時間へ変更とします。単価30円/kWh、基本料金は変更なしと仮定します。
| 内訳 | 12時間営業 | 10時間営業 |
|---|---|---|
| 常時負荷 | 1,440kWh/月 | 1,440kWh/月 |
| 営業連動負荷 | 1,800kWh/月 | 1,500kWh/月 |
| 合計 | 3,240kWh/月 | 2,940kWh/月 |
営業は16.7%短くなりますが、電力量の減少は約9.3%。電力量料金の差は300×30=月9,000円です。従量単価以外の料金や税の扱いは実契約でそろえます。
基本料金はすぐに下がるとは限らない
最大需要電力が変わらなければ、契約電力に応じる基本料金は変わらない場合があります。東京電力の実量制では、当月を含む過去1年間の最大需要電力が契約電力に関係します。設備減少等の扱いは個別契約で確認します。東京電力エナジーパートナー|契約電力の決定方法・実量制
開店時の空調や設備立上げがピークなら、閉店を早めるだけではピークが下がらないこともあります。月間kWhと最大kWは別に確認してください。
最後は利益の差にする
仮に月の人件費削減5万円、電気代削減9,000円、失う限界利益4万円なら、利益差は+1万9,000円です。売上そのものではなく、減る売上から回避できる変動費を差し引いた限界利益で比較します。固定給や最低発注量等で費用が実際には減らない場合、その削減を計上しません。
太陽光がある店では時刻も確認
朝や昼の営業を短くすると、自家消費量が変わる可能性があります。夜を短くする場合とは結果が違います。営業時間変更前後の需要と発電を重ね、料金プランも同じ条件で比較します。
最初の1か月は、営業終了時刻、設備停止時刻、30分値、売上・人時を記録します。前年同月や変更前との比較では、気温や営業日数の差も併記し、電気代の差をすべて時短効果と断定しません。
よくある質問
1時間短縮すれば1時間分の電気代が減りますか。
停止できる設備と負荷によります。常時負荷や仕込み等は残ります。
ピークを一度下げれば基本料金も下がりますか。
過去の最大需要や契約方式が関係します。契約電力の決定方法を確認してください。
売上減少と電気代削減だけで判断できますか。
人件費・変動費・品質・顧客利便等も含めます。費用が実際に減るかを確認します。
出典・確認資料
変更後の稼働条件で再診断する
営業時間・休業日・設備台数の変更を需要へ反映し、自家消費量と費用の差を確認します。



