「うちの県だと、何年で元が取れるのか」。公共施設の太陽光を検討する自治体から、最もよく聞かれる質問です。そこで、需要の形をそろえた同じ本庁舎モデルを47都道府県すべてに置き、エネがえるBizで1県ずつ実際に試算しました。違うのは、日射のデータと、その地域の電力会社の料金だけです。
3つの答え
- 同じ本庁舎でも、回収年数は10.1年(長野県)から15.3年(佐賀県)まで、5年以上の差が出ました。47都道府県の中央値は11.3年です(2026年10月分の料金、設置22万円/kW・税抜、電気代上昇3%/年)。消費税を控除できない自治体の実負担に近い税込(24.2万円/kW)では11.2〜16.8年です。
- 差の約4分の3は「電気の単価」、約4分の1が「日射」で説明できます。施設が買わずに済む電気1kWhの価値は18.7〜25.4円と約6.7円の幅があり、日射の差(1kWあたり年990〜1,305kWh)よりも結果を大きく動かします。自家消費率は75〜81%で、地域による差はほとんどありません。
- 国の値引きが終わった11月以降の単価に置き換えると、回収は8.7〜12.5年に縮みます(推計)。オンサイトPPAが施設にとって得になる県も、10月分料金ではゼロでしたが、11月以降の単価では18道県に増えます。
数値の要点(本庁舎モデル・太陽光=最大デマンド×1.0・蓄電池なし)
- 回収年数:10.1〜15.3年(中央値11.3年、設備費税抜)。税込では11.2〜16.8年。11月以降の単価での推計は8.7〜12.5年
- 回収が早い県:長野・三重・静岡・愛知(中部エリア)、高知・徳島(四国)、山梨(関東)、岐阜(中部)。いずれも10.1〜10.4年
- 回収が遅い県:九州7県(13.8〜15.3年)。削減単価が18.7円/kWhと47都道府県で最も低いため
- 20年で元が取れる設置単価の上限:25.0〜40.5万円/kW(税抜の見積、消費税を控除できる場合)。消費税を負担する場合は税抜の見積で約22〜36万円/kW
- 20年NPV:約517万〜3,211万円(割引率2%、設備費税抜)。税込でも全都道府県でプラス(佐賀県は約20万円でほぼゼロ)
- 設置単価が3万円/kW下がると、回収は約1.3〜1.4年早まる

あなたの都道府県で試す:回収シミュレーター
都道府県を選び、設置単価・補助率・電気代の上昇・料金の基準月・消費税の扱いを変えると、回収年数、20年の正味現在価値、元が取れる設置単価の上限、オンサイトPPAの得失がその場で再計算されます。計算の元データは、本記事のためにエネがえるBizで試算した47都道府県の結果です。
都道府県別 太陽光の回収シミュレーター(本庁舎モデル)
エネがえるBizの47都道府県実試算をもとに、設置単価・補助・電気代上昇などの条件を変えて試せます。
累積キャッシュフロー(割引なし、税抜/税込は選択に従う)
本庁舎モデル(官公庁庁舎・高圧大規模、年間約57万〜59万kWh)、太陽光=最大デマンド×1.0、蓄電池なし、維持費4,000円/kW年(税込時4,400円)、劣化0.5%/年、評価20年。11月以降は各社11月分単価との差をエリア単位で加えた推計。実際の施設は使用量・契約・屋根条件で結果が変わります。
なぜ47都道府県で比べるのか:他県の事例をそのまま使えない理由
公共施設の太陽光は、先行自治体の事例を参考にするのが一般的です。ただ、他県の「回収○年」をそのまま自分の県に当てはめると、説明を誤るおそれがあります。回収年数は、施設の使い方に加えて、その地域の日射とその地域の電力会社の料金で決まるからです。
一方で、実際の事例は施設の規模も使い方も設置条件もばらばらで、地域の違いだけを取り出せません。そこで本記事では、施設の条件をすべてそろえ、地域だけを変えた比較を用意しました。施設の種類による違いは、前回の記事(公共施設の太陽光・蓄電池は元が取れる?6施設類型36ケースを実試算)で詳しく分析しています。本記事はその「地域編」です。
試算の方法:同じ本庁舎モデルを47都道府県に置く
| 項目 | 設定(47都道府県で共通) |
|---|---|
| 施設 | 本庁舎型。エネがえるBizの業種テンプレート「官公庁庁舎|高圧以上|大規模」で、都道府県ごとに12か月の使用量を設定(年間約57万〜59万kWh) |
| 使い方(需要曲線) | 官公庁・大規模の平日/土日のロードカーブ。土日・祝日・年末年始(12/29〜1/3)は休庁日 |
| 太陽光 | 最大デマンドと同じ容量(166〜187kW)。真南・傾斜10度・基本設計係数0.85・パワコン効率98%。日射は各都道府県の観測地点(Biz標準) |
| 蓄電池 | なし |
| 電気料金 | 各エリアの高圧業務用の標準メニュー(6,000V)。2026年10月分の料金(Bizの料金データ)。基本料金は導入前の最大デマンドで計算(太陽光による基本料金の削減は見込まない) |
| 投資の前提 | 設置単価22万円/kW(税抜)、維持費4,000円/kW・年、電気代上昇3%/年、発電の劣化0.5%/年、評価20年、割引率2%、補助なし |
| 試算日 | 2026年10月31日(47件をBizで個別に試算し保存) |
設置単価22万円/kWは、資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会資料にある屋根設置(10kW以上)の中央値に近い水準を、税抜と想定して使っています。関東・関西の料金メニューは、市場価格調整単価にBizの「平均値」を使いました。
結果:回収年数は10.1〜15.3年。上位は中部・四国、下位は九州

回収が最も早かったのは長野県(10.1年)で、三重県・静岡県(10.2年)、愛知県(10.3年)と中部エリアが上位に並びました。次いで高知県・徳島県(10.4年)の四国、日射が最も多い山梨県(10.4年)です。最も遅かったのは佐賀県(15.3年)で、九州7県が下位を占めました。
東京都は11.7年で、47都道府県の中では30位です。都市部は電気代が高いという印象を持たれがちですが、高圧の料金単価で見ると、東京電力エナジーパートナーの単価は中部・東北・四国より低く、日射も関東の中では少なめでした。
エリア別のまとめ
| エリア(県数) | Bizで使った料金メニュー(6,000V) | 削減単価 10月分 | 発電量 kWh/kW | 回収年数 10月分料金(範囲) | 削減単価 11月以降推計 | 回収年数 11月以降推計(エリア平均) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 北海道(1) | 北海道電力 業務用電力(一般料金) | 25.4円 | 1067 | 11.1年 | 28.4円 | 9.8年 |
| 東北(7) | 東北電力 業務用電力 | 25.0円 | 1059 | 10.7〜11.7年 | 28.2円 | 9.9年 |
| 関東(8) | 東京電力EP ベーシックプラン(市場価格調整は平均値) | 22.9円 | 1193 | 10.4〜11.7年 | 24.7円 | 10.3年 |
| 北陸(3) | 北陸電力 業務用電力 | 22.8円 | 1065 | 12.1〜12.7年 | 25.5円 | 11.0年 |
| 中部(5) | 中部電力ミライズ 高圧業務用電力FR | 24.2円 | 1219 | 10.1〜10.4年 | 28.2円 | 8.8年 |
| 関西(6) | 関西電力 高圧電力AS(市場価格調整は平均値) | 21.6円 | 1155 | 11.6〜12.5年 | 23.9円 | 10.8年 |
| 中国(5) | 中国電力 業務用電力 | 23.0円 | 1116 | 11.2〜12.4年 | 26.9円 | 10.0年 |
| 四国(4) | 四国電力 業務用電力 | 24.0円 | 1189 | 10.4〜10.9年 | 26.8円 | 9.5年 |
| 九州(7) | 九州電力 業務用電力A | 18.7円 | 1125 | 13.8〜15.3年 | 22.8円 | 11.9年 |
| 沖縄(1) | 沖縄電力 業務用電力 | 24.3円 | 1143 | 11.1年 | 26.1円 | 10.3年 |
( )内は都道府県の数。削減単価は「太陽光の電気を施設内で使ったことで減った電気代÷その電力量」で、電力量料金・燃料費調整・再エネ賦課金などを含みます(基本料金の削減は含みません)。11月以降推計の方法は後半で説明します。
回収年数を決めるのは日射より「電気の単価」

太陽光1kWが1年で減らす電気代は、次の3つの掛け算です。
1kWあたり年間削減額 = 発電量(kWh/kW)× 自家消費率 × 削減単価(円/kWh)
47都道府県の値を見ると、発電量は秋田県の990kWh/kWから山梨県の1,305kWh/kWまで、削減単価は九州の18.7円から北海道の25.4円までの幅がありました。この2つは同じくらいの幅に見えますが、都道府県間のばらつき(対数の分散)を分けると、削減単価が約75%、発電量が約24%、自家消費率は約1%でした(対数の分散を共分散で配分。発電量と自家消費率は逆向きに動くため、単純に分散を比べると約69%・29%・2%)。
図3では、同じエリアの県が横一列に並んでいます。削減単価は電力会社の料金で決まるため、エリアの中ではほぼ同じになるからです。東北のように日射が少なめでも、単価が25.0円と高いため、回収は10.7〜11.7年と全国の中位に入ります。反対に九州は、宮崎県のように日射が多くても、単価が18.7円と低いため13.8年かかります。

エリア平均で分解すると、九州の不利(−20%)はほぼすべて単価によるものです。中部(+12%)と四国(+9%)は、日射と単価の両方が平均より有利でした。北海道・東北は日射で不利な分を、単価の高さで取り返しています。関東は日射がやや有利で、単価は全国の中央値並みです。
自家消費率は、どの都道府県でも75〜81%

発電した電気のうち施設内で使えた割合は、最も低い山梨県で75%、最も高い秋田県で81%でした。発電量が多い県ほどやや下がる傾向はありますが、差は小さく、余る発電の割合は地域よりも施設の使い方(土日・祝日に電気を使うかどうか)で決まります。
本庁舎のように平日だけ使う施設では、容量を大きくするほど土日の余剰が増えます。前回の記事では、容量を最大デマンドの1.5倍にすると自家消費率が69〜71%まで下がることを確認しました。どの都道府県でも、容量の決め方は「最大デマンドの0.5〜1.0倍」を出発点にするのが無難です。
いくらまでなら元が取れるか:上限の設置単価は25〜40万円/kW

見積の妥当性を判断するときは、回収年数よりも「この単価までなら20年で元が取れる」という上限を持っておくと便利です。上限は長野県の40.5万円/kWから佐賀県の25.0万円/kWまででした。中部・四国は37〜40万円/kW、関東は34〜39万円/kW、九州は25〜28万円/kWまでが目安です。
屋根の補強や防水改修、系統連系の工事を含めると、公共施設の設置単価は22万円/kWを上回ることが珍しくありません。九州では、税抜で25〜28万円/kW(県により異なる。消費税を負担する場合は税抜の見積で約22〜25万円/kW)を超えると、20年で元が取れない可能性が高くなります。


見積が届いたら、図8で自分の都道府県の行と見積単価の列が交わるところを見てください。たとえば東京都で税抜26万円/kWの見積なら回収は約13.5年、九州の各県では15.8〜17.4年です。
設置単価が1万円/kW下がるごとに、回収は平均で約0.44年早まります。3万円/kWなら約1.3年です。補助を使った場合、補助率1/3で7.1〜10.9年、1/2で5.4〜8.5年になりました(10月分料金)。
11月以降の単価ではどうなるか:回収はエリア平均で0.8〜2.7年早まる

国の電気・ガス料金支援では、2026年10月分の料金(9月使用分)に高圧1.80円/kWhの値引きが入り、この月で終わりました。Bizの10月分料金で計算した削減単価は、各社が公表する11月分の単価より1.8〜4.1円/kWh低く、この値引きと燃料費調整の違いでおおむね説明できます。さらに、11月分の燃料費調整単価は多くの電力会社で10月分より上がっています。
そこで、11月分の単価が20年間の出発点になると仮定し、各社の11月分の単価(電力量料金+燃料費調整+再エネ賦課金)とBizの10月分の削減単価の差を、エリアごとに削減額へ上乗せして推計しました。単価はエリア平均で1.8〜4.1円/kWh上がり、回収年数は8.7〜12.5年に縮みます(都道府県別では0.8〜2.8年短縮)。燃料費調整は毎月変わるため、幅をもって見てください。最も変化が大きいのは九州(14.6年→11.9年)で、10月分の削減単価が特に低かったためです。関東は値引きの終了分(1.80円)と電力量料金の改定分(0.04円)、沖縄は値引きの終了分だけを上乗せしています。
この推計は、エリア内の各県に同じ単価差を加えた簡易計算です。月ごとの燃料費調整の変化や、季節別単価の重み付けの違いは反映していません。正確な比較が必要な場合は、最新の料金データでBizの試算を更新してください。
オンサイトPPAは「得になる県」と「ならない県」に分かれる

屋根を貸して電気を買うオンサイトPPAでは、PPA事業者が成り立つ単価と、施設が今買っている電気の単価の差が施設の得になります。事業者の20年IRR4%を前提に計算すると、事業者に必要な単価(税込)は23.7〜29.2円/kWhでした。1kWあたり施設内で使える発電量が多い県ほど低くなり、山梨県が23.7円で最も安く、青森県が29.2円で最も高くなります。
10月分の料金(値引き込み)では、すべての都道府県でPPAの単価が施設の買電単価を上回り、施設にとっては割高でした。11月以降の単価では、中部5県、四国4県、宮城・岩手・福島・山形・新潟、北海道、広島・岡山、山梨の18道県で施設の得に変わります。一方、九州7県は11月以降の単価でも1kWhあたり2.8〜5.4円割高です。
九州で公共施設のPPAを公募する場合は、自家消費分だけに課金する通常の方式では成り立ちにくく、余剰を自己託送や相対契約で活用する方式や、補助との組み合わせを前提に設計する必要があります。
PPA単価は、設置22万円/kW・維持4,000円/kW年(いずれも税抜)、発電劣化0.5%/年、自家消費分のみ課金・余剰の売電収入なし、20年固定、消費税10%で計算しました。事業者が負担する固定資産税・保険は含めていないため、実際の提示単価はさらに高くなる可能性があります。
20年で見ると全都道府県でプラス、ただし差は約6倍

20年間の電気代削減から設備費と維持費を差し引いた正味現在価値(NPV)は、長野県の約3,211万円から佐賀県の約517万円まで、約6倍の差がありました。自治体の一般会計は消費税を控除できないため(水道・病院などの公営企業会計は一部控除できます)、設備費を税込(24.2万円/kW、維持費4,400円/kW年)にすると、回収年数は11.2〜16.8年に延びます。それでもNPVは全都道府県でプラスでした(佐賀県は約20万円とほぼゼロ)。
電気代が上がらないと仮定すると、福岡県・佐賀県・鹿児島県では20年以内に回収できず、大分県(19.4年)・長崎県(19.7年)もぎりぎりです。九州の自治体が説明資料を作る場合は、電気代上昇の前提を明記したうえで、上昇がない場合の結果も併記するのが安全です。
47都道府県の試算結果一覧
| 都道府県 | エリア | 太陽光 | 発電量 kWh/kW | 削減単価 円/kWh | 自家 消費率 | 年間削減 (初年度) | 回収年数 (10月分料金) | 回収年数 (11月以降推計) | 上限単価 (税抜・/kW) | 20年NPV |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 長野県 | 中部 | 174kW | 1247 | 24.2円 | 76% | 399万円 | 10.1年 | 8.7年 | 40.5万円 | 3,211万円 |
| 三重県 | 中部 | 173kW | 1199 | 24.2円 | 78% | 394万円 | 10.2年 | 8.7年 | 40.1万円 | 3,139万円 |
| 静岡県 | 中部 | 174kW | 1241 | 24.2円 | 76% | 395万円 | 10.2年 | 8.8年 | 40.1万円 | 3,148万円 |
| 愛知県 | 中部 | 173kW | 1220 | 24.2円 | 77% | 392万円 | 10.3年 | 8.8年 | 39.9万円 | 3,096万円 |
| 高知県 | 四国 | 177kW | 1213 | 24.0円 | 77% | 397万円 | 10.4年 | 9.2年 | 39.5万円 | 3,099万円 |
| 徳島県 | 四国 | 166kW | 1215 | 24.0円 | 77% | 371万円 | 10.4年 | 9.3年 | 39.4万円 | 2,882万円 |
| 山梨県 | 関東 | 171kW | 1305 | 22.9円 | 75% | 382万円 | 10.4年 | 9.6年 | 39.2万円 | 2,948万円 |
| 岐阜県 | 中部 | 172kW | 1187 | 24.2円 | 78% | 384万円 | 10.4年 | 8.9年 | 39.2万円 | 2,965万円 |
| 宮城県 | 東北 | 172kW | 1123 | 25.0円 | 77% | 373万円 | 10.7年 | 9.4年 | 38.0万円 | 2,753万円 |
| 愛媛県 | 四国 | 173kW | 1167 | 24.0円 | 77% | 374万円 | 10.8年 | 9.6年 | 37.8万円 | 2,738万円 |
| 茨城県 | 関東 | 167kW | 1196 | 22.9円 | 78% | 356万円 | 10.9年 | 10.1年 | 37.3万円 | 2,547万円 |
| 香川県 | 四国 | 175kW | 1161 | 24.0円 | 76% | 373万円 | 10.9年 | 9.8年 | 37.2万円 | 2,656万円 |
| 岩手県 | 東北 | 176kW | 1079 | 25.0円 | 79% | 374万円 | 10.9年 | 9.6年 | 37.1万円 | 2,658万円 |
| 北海道 | 北海道 | 178kW | 1067 | 25.4円 | 78% | 375万円 | 11.1年 | 9.8年 | 36.7万円 | 2,610万円 |
| 群馬県 | 関東 | 170kW | 1220 | 22.9円 | 75% | 358万円 | 11.1年 | 10.2年 | 36.7万円 | 2,491万円 |
| 沖縄県 | 沖縄 | 187kW | 1143 | 24.3円 | 76% | 393万円 | 11.1年 | 10.3年 | 36.6万円 | 2,726万円 |
| 福島県 | 東北 | 171kW | 1089 | 25.0円 | 77% | 359万円 | 11.1年 | 9.8年 | 36.6万円 | 2,489万円 |
| 広島県 | 中国 | 172kW | 1174 | 23.0円 | 77% | 358万円 | 11.2年 | 9.5年 | 36.1万円 | 2,433万円 |
| 栃木県 | 関東 | 171kW | 1163 | 22.9円 | 78% | 355万円 | 11.2年 | 10.4年 | 36.1万円 | 2,409万円 |
| 山形県 | 東北 | 172kW | 1061 | 25.0円 | 78% | 357万円 | 11.2年 | 9.9年 | 36.0万円 | 2,412万円 |
| 岡山県 | 中国 | 170kW | 1176 | 22.9円 | 77% | 352万円 | 11.2年 | 9.5年 | 36.0万円 | 2,380万円 |
| 埼玉県 | 関東 | 175kW | 1183 | 22.9円 | 77% | 362万円 | 11.3年 | 10.4年 | 35.9万円 | 2,436万円 |
| 神奈川県 | 関東 | 173kW | 1176 | 22.9円 | 77% | 357万円 | 11.3年 | 10.4年 | 35.8万円 | 2,390万円 |
| 新潟県 | 東北 | 177kW | 1041 | 25.0円 | 79% | 364万円 | 11.3年 | 10.0年 | 35.7万円 | 2,423万円 |
| 千葉県 | 関東 | 172kW | 1163 | 22.9円 | 77% | 351万円 | 11.4年 | 10.5年 | 35.3万円 | 2,289万円 |
| 兵庫県 | 関西 | 168kW | 1199 | 21.6円 | 78% | 339万円 | 11.6年 | 10.4年 | 34.8万円 | 2,158万円 |
| 大阪府 | 関西 | 176kW | 1193 | 21.6円 | 78% | 352万円 | 11.6年 | 10.5年 | 34.5万円 | 2,208万円 |
| 秋田県 | 東北 | 176kW | 990 | 25.0円 | 81% | 351万円 | 11.7年 | 10.3年 | 34.4万円 | 2,184万円 |
| 青森県 | 東北 | 178kW | 1029 | 25.0円 | 77% | 354万円 | 11.7年 | 10.4年 | 34.2万円 | 2,174万円 |
| 東京都 | 関東 | 178kW | 1140 | 22.9円 | 76% | 353万円 | 11.7年 | 10.9年 | 34.2万円 | 2,168万円 |
| 和歌山県 | 関西 | 175kW | 1197 | 21.6円 | 76% | 346万円 | 11.8年 | 10.6年 | 34.1万円 | 2,114万円 |
| 山口県 | 中国 | 170kW | 1110 | 23.0円 | 77% | 335万円 | 11.8年 | 10.1年 | 33.9万円 | 2,016万円 |
| 滋賀県 | 関西 | 168kW | 1130 | 21.6円 | 79% | 325万円 | 12.1年 | 10.9年 | 33.2万円 | 1,876万円 |
| 石川県 | 北陸 | 173kW | 1084 | 22.8円 | 78% | 333万円 | 12.1年 | 10.8年 | 33.0万円 | 1,898万円 |
| 福井県 | 北陸 | 170kW | 1072 | 22.8円 | 79% | 327万円 | 12.1年 | 10.8年 | 32.9万円 | 1,857万円 |
| 鳥取県 | 中国 | 172kW | 1066 | 23.0円 | 78% | 330万円 | 12.2年 | 10.3年 | 32.8万円 | 1,866万円 |
| 奈良県 | 関西 | 173kW | 1112 | 21.7円 | 78% | 326万円 | 12.4年 | 11.2年 | 32.1万円 | 1,743万円 |
| 島根県 | 中国 | 166kW | 1055 | 23.0円 | 77% | 312万円 | 12.4年 | 10.6年 | 32.0万円 | 1,663万円 |
| 京都府 | 関西 | 173kW | 1095 | 21.6円 | 79% | 323万円 | 12.5年 | 11.3年 | 31.7万円 | 1,686万円 |
| 富山県 | 北陸 | 173kW | 1039 | 22.8円 | 78% | 318万円 | 12.7年 | 11.3年 | 31.2万円 | 1,590万円 |
| 宮崎県 | 九州 | 177kW | 1200 | 18.7円 | 75% | 299万円 | 13.8年 | 11.3年 | 28.2万円 | 1,093万円 |
| 熊本県 | 九州 | 175kW | 1161 | 18.7円 | 77% | 294万円 | 13.9年 | 11.4年 | 27.9万円 | 1,037万円 |
| 大分県 | 九州 | 170kW | 1109 | 18.7円 | 77% | 273万円 | 14.6年 | 11.9年 | 26.4万円 | 755万円 |
| 長崎県 | 九州 | 177kW | 1113 | 18.7円 | 76% | 281万円 | 14.8年 | 12.1年 | 26.0万円 | 716万円 |
| 福岡県 | 九州 | 176kW | 1092 | 18.7円 | 77% | 277万円 | 14.9年 | 12.2年 | 25.7万円 | 656万円 |
| 鹿児島県 | 九州 | 179kW | 1119 | 18.7円 | 75% | 281万円 | 14.9年 | 12.2年 | 25.7万円 | 667万円 |
| 佐賀県 | 九州 | 174kW | 1082 | 18.7円 | 76% | 267万円 | 15.3年 | 12.5年 | 25.0万円 | 517万円 |
回収年数の順。上限単価は20年NPV=0となる設置単価(税抜)。20年NPVは設備費税抜・割引率2%。11月以降推計はエリアごとの単価差を加えた簡易推計。
自分の自治体で使うときの3つのステップ
- 上の一覧で、自分の都道府県の「上限単価」と「回収年数」を確認する。上限単価は税抜の見積と比べる値で、消費税を負担する場合は約1割低く見てください。同じ本庁舎モデルなので、都道府県の間で公平に比べられます。
- 施設の種類で補正する。上下水道・病院など24時間使う施設は本庁舎より回収が2〜3年早く、学校・支所は本庁舎と同程度です(前回記事の関東の試算)。
- 実際の施設のデータで試算し直す。12か月分の電気料金の明細(または30分値)と屋根の面積があれば、施設ごとの回収年数・上限単価・PPAの得失を試算できます。
議会・住民への説明で使える一文の例
「○○県内の本庁舎と同じ規模・使い方の施設に、最大デマンドと同じ容量の太陽光を設置した場合、2026年10月分の電気料金で試算すると回収は約△年(電気代上昇3%/年、設置22万円/kW・税抜)、20年で元が取れる設置単価の上限は税抜の見積で約□万円/kW(消費税を負担する場合は約☆万円/kW)です。料金の値引きが終わった11月以降の単価では、回収は約◇年に縮む見込みです。」
この試算の限界
- 需要は業種テンプレートによるモデル値です。実際の庁舎の使用量・使い方とは異なります。
- 日射は各都道府県のBiz標準の観測地点の値です。同じ県内でも、地点・積雪・周囲の影で発電量は変わります。積雪による発電の減少は個別に確認してください。
- 料金は各エリアの高圧標準メニュー1種類で、新電力や入札で決めた単価とは異なります。入札単価が低い自治体では、回収が遅くなります。
- 基本料金の削減は見込んでいません。屋根の補強・防水改修、系統連系工事、撤去費、保険、固定資産税は含めていません。
- 11月以降の推計は、エリア単位の単価差を加えた簡易計算です。
「うちの施設」で試算するなら
本記事の試算は、すべてエネがえるBizの画面で、条件をそろえて1件ずつ行いました。同じ方法で、実際の施設の使用量と料金契約、屋根の条件を入れれば、施設ごとの回収年数、上限の設置単価、PPAとの比較を、前提を開示した形で示せます。複数の施設をまとめて比較し、着手の順番を決める試算代行(エネがえるBPO)にも対応しています。
エネがえるBizの機能と画面を見る/施設の試算代行(エネがえるBPO)を相談する
よくある質問
47都道府県で回収年数が最も短いのはどこですか。
同じ本庁舎モデルでは長野県の10.1年が最短で、三重県・静岡県(10.2年)、愛知県(10.3年)が続きました(2026年10月分の料金、設置22万円/kW、電気代上昇3%/年)。中部エリアは日射と電気の単価の両方が全国平均より有利でした。
九州で回収年数が長いのはなぜですか。
九州電力の高圧業務用料金で計算した削減単価が18.7円/kWhと、47都道府県で最も低かったためです。日射は全国平均並み(1,082〜1,200kWh/kW、全国平均1,140)ですが、太陽光の電気で買わずに済む電気の単価が低いため、削減額が小さくなります。11月以降の単価では、回収は平均14.6年から11.9年に縮む見込みです。
日射が多い県ほど有利ではないのですか。
自家消費型では、日射より電気の単価の影響が大きくなります。47都道府県のばらつきを分けると、削減単価が約75%、発電量が約24%を説明していました。日射が最も多い山梨県(1,305kWh/kW)は上位ですが、単価の高い長野県や三重県のほうが回収は早くなりました。
東京都の回収年数は何年ですか。
本庁舎モデルで11.7年(2026年10月分の料金)、11月以降の単価での推計は約10.9年です。20年で元が取れる設置単価の上限は約34.2万円/kWでした。
オンサイトPPAで導入すれば、どの県でも得になりますか。
なりません。事業者IRR4%を前提にすると、10月分の料金(値引き込み)ではすべての都道府県でPPAが割高でした。11月以降の単価では18道県で施設の得になりますが、九州7県は1kWhあたり2.8〜5.4円割高です。
補助金を使うと回収年数はどうなりますか。
設備費の1/3の補助で7.1〜10.9年、1/2の補助で5.4〜8.5年になりました(10月分の料金、電気代上昇3%/年)。
この結果をそのまま予算要求に使えますか。
都道府県間の比較や、見積の妥当性を確認する目安としては使えますが、予算要求や議会説明には、実際の施設の使用量・料金契約・屋根の条件で試算し直した結果を使ってください。本記事の需要はモデル値です。
試算は再現できますか。
できます。エネがえるBizで、業種テンプレート「官公庁庁舎|高圧以上|大規模」と地域の都道府県を選び、ロードカーブを官公庁・大規模(平日/土日)、太陽光を最大デマンドと同じ容量(真南・傾斜10度)、蓄電池なし、料金を各エリアの高圧業務用メニューに設定すると、同じ条件で試算できます。
試算の前提条件と出典
- 試算ツール:エネがえるBiz v1.1(2026年10月31日、47件を個別に試算・保存)
- 料金メニュー:各エリアの高圧業務用標準メニュー(6,000V)、2026年10月分。関東・関西は市場価格調整単価にBizの平均値を使用
- 国の電気・ガス料金支援:高圧は2026年8月分1.80円、9月分2.30円、10月分1.80円/kWh(7〜9月使用分)。九州電力送配電(2026年6月12日)、出光興産(2026年6月30日)
- 11月分の単価:北海道電力、東北電力、東京電力EP、北陸電力、中部電力ミライズ、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の各料金表と燃料費調整単価(2026年10月31日確認)
- 設置単価:資源エネルギー庁 調達価格等算定委員会資料の屋根設置の中央値を参考に22万円/kW(税抜)と想定
- 投資評価:維持費4,000円/kW年、電気代上昇3%/年、劣化0.5%/年、評価20年、割引率2%、補助なし(感度:補助1/3・1/2、税込、上昇なし)
- PPA:事業者IRR4%、20年固定、自家消費分のみ課金、消費税10%
- 分析:国際航業株式会社 エネがえる(試算の再現手順は「よくある質問」に記載)






コメント