ENEGAERU BIZ / BATTERY BUSINESS GUIDE
2026年9月22日確認|年次の概算比較・正式相談への準備ガイド
工場・倉庫・店舗・公共施設の蓄電池は、電池の容量ではなく「余る時間」と「使う時間」の組み合わせで採算が変わります。買電回避、売電を失う機会費用、充放電ロス、契約電力、BCPの残量確保を分けて判断します。
目次
- 1 まず押さえる結論
- 2 事業計画・事業性を、手元の条件で試す
- 3 余剰が多い施設でも、蓄電池が動かないことがある
- 4 自家消費率と経済効果を同じものにしない
- 5 ピークカットは、瞬間最大ではなく請求条件で検証する
- 6 BCPの残量は、普段の収益に二度使わない
- 7 DRを追加する前に、施設の優先順位を決める
- 8 設備容量の最適化は、最も大きい案を選ぶことではない
- 9 用途別シナリオと、公開事例の読み方
- 10 回収年だけで決めない事業計画の読み方
- 11 アグリゲーションと運用改善の実務
- 12 アグリゲーター・運用支援システムの確認先と選び方
- 13 適地選定と導入前の確認手順
- 14 先端技術・海外研究を比較するチェックポイント
- 15 計算式・モデルの境界・再現方法
- 16 政策・補助・審議会情報の扱いと更新方針
- 17 判断を誤りやすいポイント
- 18 正式シミュレーション・個別相談へ進む
- 19 よくある質問
- 20 出典・エビデンスと変更履歴
- 21 この記事の情報・根拠
まず押さえる結論
太陽光の余剰をためて使う案は、売る案や設備を増やさない案より有利か。 この問いに答えるため、収入を増やす効果と、すでに得ている収入を失う費用を同じ表に置きます。
バルクアグリゲーションは、これらの設備を束ねる運用形態を指します。名称と運用形態を分けて判断します。
このページの比較基準:蓄電池を追加しない同じ需要家の電気料金・売電収入。主な効果は「買電回避額 − 充電費 − 失う売電収入 + 確認済み基本料金削減」です。必要データは30分需要・太陽光実績・請求書・操業日・重要負荷。この三点をそろえると、設備提案ごとに前提が違う問題を減らせます。
事業計画・事業性を、手元の条件で試す
登録なしで、入力を変えながら増分NPV、参考IRR、回収年、年別キャッシュフロー、返済余力を確認できます。初期値は操作説明のための仮定であり、標準価格、見積、収益予測ではありません。計算結果と条件はCSVで持ち出せます。
計算機を読み込んでいます。表示されない場合はJavaScriptの設定をご確認ください。
本ツールは年次の概算比較を目的とする参考情報です。投資助言、収益・回収・融資・補助採択・市場参加・系統接続の保証ではありません。実際の結果は設備、契約、時系列データ、制度、市場、工事費等で変動します。税務、月次精算、30分ごとのSOC制約、工期遅延などは含みません。正式シミュレーション、正式なオーダー・相談、アグリゲーター取次・紹介は別途個別対応で、お問い合わせが必要です。
余剰が多い施設でも、蓄電池が動かないことがある
屋根が大きいことは、蓄電池の十分な稼働を意味しません。昼の余剰が発生しても、夕方から翌朝までの需要が小さければ放電先がなく、翌日の充電余地が残りません。逆に夜間需要が大きくても、太陽光がほぼ自家消費されていれば充電原資が足りません。年間の発電量と需要量の大小だけでなく、同じ30分枠の差を集計する必要があります。
本ツールでは「充電に回せる年間PV余剰」と「放電で置き換え可能な年間買電」を別に入力し、小さい側で動作量を制約します。年間値だけでは連続した雨天や休日の偏りまでは表現できないため、結果が有望でもそのまま発注せず、時系列計算へ進めます。
最初に確認する図は、平均日だけでなく、晴天の平日、晴天の休日、冬季の高需要日、連休の4種類です。月間総額が同じでも、この組み合わせが異なる施設は別案件として扱います。
自家消費率と経済効果を同じものにしない
自家消費率を高めても、購入電力が高価な時間を十分に減らせなければ、設備費に見合う効果とは限りません。すでに売れていた余剰を充電へ回す場合、その売電収入を手放します。さらに100kWh充電した電池から100kWhを取り出せるとは限らず、往復効率を通した放電量で買電を置き換えます。
判断の単位を充電1kWhにそろえると、充電源がPVの場合は「往復効率×回避買電単価−売電機会単価」がエネルギー部分の粗効果です。系統充電なら売電機会単価の代わりに充電の総単価を引きます。どちらも保守や設備費を引く前の値です。
たとえば効率88%、回避買電25円、余剰売電8円という説明用仮定では、充電1kWhあたり14円の粗効果です。これは相場でも収益予測でもなく、25×0.88−8という算術例。設備をいくらで何年間使えるかを加えて初めて投資評価になります。
ピークカットは、瞬間最大ではなく請求条件で検証する
電池が100kW放電できるからといって契約電力が100kW下がるとは限りません。請求の契約電力がどの期間・どの測定方法で決まるか、既存契約と約款に照らして確認します。最大需要が長時間続く施設では、出力だけでなく必要な持続容量が不足することがあります。
本ツールの基本料金削減は初期値ゼロです。「確認済みの契約電力削減量」と実効単価・月数を入力する場合のみ加算し、PCSと持続時間に対する容量で上限を置きます。これ自体が請求額の自動算定ではありません。残量不足や異常日でピークを更新した場合は別に再評価が必要です。
需要予測が外れた日を残した検証が有効です。良かった日の最大削減だけを抜き出さず、蓄電池の停止、通信断、急な増産、猛暑、充電の反動による新しいピークも確認します。
BCPの残量は、普段の収益に二度使わない
停電時の重要負荷を賄う容量を常時残すなら、その分は通常の充放電に使えません。公称容量全量で自家消費効果を計算し、同じ容量で何時間の停電対応もできると説明すると、同時に成立しない価値の重複になります。
入力の「運用に使うSOC幅」はBCP確保分を除いた値にします。停電対応は重要負荷のkW、起動電流、自立運転の出力、切替時間、相数、運転可能な機器を別に確認します。非常用電源の法令適合や無停電給電の代替可否を、このツールで判定することはできません。
BCPの価値を金額へ換算する場合も、期待損失の低減と日常の電気代削減を別表にします。停電発生確率や損失単価に根拠がない段階では、利益へ足さず、非金銭の導入要件として扱う方が説明がぶれません。
DRを追加する前に、施設の優先順位を決める
需要家併設蓄電池は自家消費、デマンド対策、DR、BCPに使える可能性がありますが、同じ出力や残量を同時に全用途へ約束できません。設備保護や事業継続を優先する条件、DRの参加可能時間、応動後の回復充電を契約へ落とし込みます。
本ツールはDR・容量市場・需給調整市場の追加収入を自動加算しません。運用者から受け取った総収益をそのまま買電削減へ足すのではなく、買電増、売電減、劣化増、委託費、未達時負担を差し引いた増分として正式試算で確認してください。
複数施設を束ねるバルクアグリゲーションでは、営業時間や設備故障の相関も重要です。すべて同じ操業パターンなら、拠点数を増やしても同じ時間に供出できない問題は解消しません。
設備容量の最適化は、最も大きい案を選ぶことではない
小容量案、中容量案、大容量案を同じ料金・需要・気象で比較し、増設1kWhまたは1kWあたりの追加効果を見ます。最初の容量は毎日動いても、後半の容量が年に数日しか使われない場合があります。導入全体の平均回収年だけでは、この差が見えません。
空調運転、給湯、冷凍設備、EV充電など、需要を移す案も比較対象です。蓄電池だけでピークを下げるより、既存設備の運転変更で必要容量を小さくできる可能性があります。ただし業務品質、温度管理、出発時刻など現場の制約を先に確認します。
最適化の目的も一つに固定しません。費用最小、CO2低減、停電対応、受電設備の増強回避では選ばれる案が変わります。採用目的と「達成できなければ導入しない条件」を記録してから比較します。
用途別シナリオと、公開事例の読み方
次は導入の判断に使う説明用シナリオです。実在設備の収益実績ではありません。用途名が同じでも、需要、発電、価格、契約、工期が違えば採用判断は変わります。
| 用途・条件 | 着眼点 | 集める証拠 | 最初に比較すること |
|---|---|---|---|
| 工場 | 昼間需要でPV余剰が少ない | 増産日・休日と操業変化 | 電池よりPV容量・運転シフトを先に比較 |
| 物流倉庫 | 休日余剰と平日需要のずれ | 連休中の残量と放電先 | 週平均でなく連休日を時系列検証 |
| 病院・介護 | 夜間も一定需要・BCP要件 | 重要負荷と切替条件 | 運用SOCとBCP確保SOCを分ける |
| 店舗 | 夕方ピークと空調負荷 | 閉店後の放電余地 | ピークの継続時間を実測 |
| EV充電拠点 | 同時急速充電による山 | 到着・出発・必要電力量 | 充電予約と電池の組み合わせを比較 |
| 公共施設 | 避難所要件と通常閉庁 | 年度予算・保守体制 | 収益以外の必須性能を独立判定 |
公開事例として、Shizen Connectは2024年11月、成田ロジスティクスセンターのオンサイトPPA向けEMS採用を発表しています。PV余剰活用、ピークカット、逆潮流防止の役割を確認する例です。公表記事から他案件の回収年を推定することはできません。Shizen Connect:物流拠点のオンサイトPPA
公表された設備容量だけから、自案件の収益を比例計算しません。
回収年だけで決めない事業計画の読み方
補助金は初期投資からのみ控除。売上と二重に加算しません。
計算対象は「蓄電池を追加しない同じ需要家の電気料金・売電収入」との増分です。既存設備に共通する売上・費用は比較から相殺します。一方、蓄電池の追加で新たに必要になる通信、保険、土地、保安、運用委託、発電側課金等は、適用の有無と金額を個別に確認して入力へ含めます。既存借入の残債や発電設備の新設投資まで含む全体事業評価には、その追加データが必要です。
| 指標 | 何を読むか | 読み違えを防ぐ条件 |
|---|---|---|
| NPV | 割引後の増分CF合計から初期追加投資を引いた価値 | 割引率と評価期間をそろえる。正でも実現保証ではない |
| 参考IRR | 増分CFから求める割引率 | 符号が複数回変わる場合や初期投資ゼロでは単一値を表示しない |
| 回収年 | 累積増分CFが非負となり、その後も非負の最初の年 | 更新費で再びマイナスに戻る一時的な回収を除く |
| 参考返済余力 | 追加CFを当年の返済額で割った比率 | 既存事業・税・運転資金を含む金融機関の正式DSCRではない |
| 自己資金 | 補助後投資から借入を引いた初期額 | 借入を利益へ加算しない。保証料等は別途反映 |
営業収入と費用は税抜・税引前で扱います。法人税、減価償却による税効果、消費税の入出金、固定資産税の個別算定、運転資金、建設期間利息、補助金入金の遅れは自動計算しません。税・会計の扱いを含む最終的な収益判断には、関係専門家と個別条件を確認してください。
借入は元利均等の年次簡易モデルです。金利ゼロも計算できますが、据置、変動金利、バルーン返済、リース、プロジェクトファイナンスの契約条件は表現しません。借入比率を増やしてもプロジェクトNPVは変わらず、自己資金と返済負担が変わります。資金調達で投資そのものの経済価値が増えたように見せないための分離です。
悲観・基準・楽観の三案は、同じ設備を同じ制約で評価します。悲観案では単価、稼働、回収できる電力量、工事費、更新費を同時に見直し、楽観案では保証や根拠のある改善だけを置きます。本ツールの感度表は一つの単価だけを変えた比較です。相関や複数要因の同時変動を含む確率分布ではありません。
経済性だけが良くても、必須条件が満たされなければ発注へ進めません。
アグリゲーションと運用改善の実務
AI予測や自動最適化という名称だけでは、事業計画の蓋然性を判断できません。制約をどこまでモデルに入れ、予測が外れたときにどこまで安全に戻せるかを確認します。最適化の目的関数と設備保証、現場の運用要件が矛盾していないことが先です。
| 運用の層 | 確認する内容 | 運用者への質問 |
|---|---|---|
| 設備保護 | 温度・電圧・電流・メーカー保証の範囲 | ローカル保護が外部指令より優先するか |
| 現場制約 | 操業、BCP、契約電力を守りながら、余剰の充放電時間を選ぶ | 停止要求・手動介入を誰が行うか |
| 翌日計画 | 発電・需要・価格の予測と残量目標 | 予測変更の締切と責任者は誰か |
| 当日修正 | 予測誤差と故障を受けて指令を調整 | 通信断時に安全な状態へ移るか |
| 実績検証 | 計画・指令・計測・精算を同時刻で照合 | 収益差を数量・単価・停止に分解できるか |
| 翌月改善 | 誤差、未達、費用、劣化を振り返る | 変更前後の比較と承認記録が残るか |
バルクアグリゲーション、バルク運用は、複数の設備をまとめて制御・取引・精算する運用形態です。設備区分そのものの名前ではありません。契約、計量、接続、適用制度は拠点単位の条件を残し、束ねた合計容量だけで参加資格や収益を判断しないようにします。
予測精度だけでなく、制御・契約・精算まで含めた改善が必要です。
拠点数が増えたときは、サイトID、機器ID、契約ID、計測点IDを対応させます。通信断や計器交換でIDが変わった場合も、実績の連続性を維持できる設計が必要です。時刻はタイムゾーンと締め時刻をそろえ、欠測をゼロとして売上へ反映しないルールを決めます。
月次のレポートは売上合計だけでなく、計画数量と実績数量、単価、停止時間、待機電力、劣化、委託費、未達に伴う控除を分けます。前年同月との差が気象によるものか、設備故障か、運用改善か分からなければ、設備追加の判断に使えません。機器メーカー、制御会社、運用会社で同じ数字を照合できることが重要です。
アグリゲーター・運用支援システムの確認先と選び方
設備所有、EPC、保守、制御、市場取引、インバランス管理、精算の担当は同じ会社とは限りません。下表は公式情報の確認先であり、全事業者を網羅するランキングでも、当社との提携・紹介可能性を示す一覧でもありません。対象地域、受託規模、機器、契約条件は個別に確認します。
| 確認先 | 公式情報から確認できる役割 | 問い合わせ前に整理する条件 |
|---|---|---|
| Shizen Connect | Shizen Connect:太陽光併設型制御サービス発表/Shizen Connect:一次調整力対応の発表。太陽光併設向け制御サービス等の発表。 | 制御サービスの提供先と、実際の運用受託者を区別。対応機器・計量・契約を確認。 |
| 東京ガス | 東京ガス:系統用・再エネ併設蓄電池。蓄電池事業・運用サービスの確認先。 | 接続条件・規模・対象用途と運用委託範囲を提示。 |
| SII掲載DRメニュー | SII:業務産業用蓄電池のDRメニュー一覧。補助事業のメニュー確認先。 | 公募年度・対象機器・契約期間と自社施設の条件を照合。掲載だけで採択を判断しない。 |
| SAM | SAM:蓄電池モデル。技術・経済性の評価支援ツール。 | アグリゲーターではない。国内制度と契約を別途入力・検証。 |
提案依頼では「いくら儲かるか」だけでなく、何の収入を誰が受け取り、何の費用を誰が負担するかを聞きます。最低収入という表現がある場合は、対象期間、設備条件、停止・制度変更時の例外、相手先の履行能力、担保や解約条件も比較してください。
| RFIで求める資料 | 最低限の確認事項 |
|---|---|
| 契約と責任分担 | 設備保護、計画提出、発電予測、取引、未達・インバランスの負担を担当別に記載 |
| 収益試算の元データ | 入力期間、時間粒度、価格出典、停止・劣化・手数料を開示 |
| 運用実績の説明 | 同用途・同規模か。計画と実績、停止原因、費用控除後かを確認 |
| 機器・通信要件 | 対応PCS、計器、ゲートウェイ、既存設備改修、月額通信費を確認 |
| データ利用と解約 | 実績出力形式、保存期間、モデル変更履歴、乗換え時の引継ぎを確認 |
| 正式見積 | 初期・月額・成果報酬・追加作業・解約費を同じ様式にそろえる |
比較表の空欄はゼロ円ではなく「未確認」。確認が済むまで採用判断を保留します。
適地選定と導入前の確認手順
需要家の構内では、キュービクル・負荷・屋根PVとの配線距離と、操業を止めずに工事できるかを最初に確認します。重要負荷への給電経路と通常運用の計量境界を分け、BCPのつもりで買った設備が必要な負荷へつながらない事態を防ぎます。
| 確認段階 | 調べる内容 | 次へ進むための資料 |
|---|---|---|
| 机上調査 | 災害リスク、周辺利用、地形、搬入路、配線距離 | 公開地図と対象地の位置・境界 |
| 現地調査 | 地盤・排水・騒音・熱・離隔・点検動線 | 現地写真、配置図、施工者所見 |
| 接続確認 | 連系点、受電・送電上限、保護、計量、工事負担 | 一般送配電事業者等の回答・既存接続条件 |
| 権利・許認可 | 土地、建物、契約、消防等の確認事項 | 関係者の同意と所管への確認記録 |
| 事業比較 | 工期、追加工事、保守交通、撤去・原状回復 | 候補ごとの見積と開始可能時期 |
公開マップは候補抽出に使います。空き容量や工事費、接続の承諾を保証するものではありません。
候補の順位は、一つの総合点だけで決めない方法が有効です。まず設置不可や接続不可などの必須条件で候補を除き、残りを経済性、工期、災害・運用リスクで比較します。重大な制約が、安い土地代の点数で相殺されないようにします。
調査結果は確認日、相手先、資料名、未確定事項、見積有効期限とともに保存します。土地や接続の条件が変わったら、古い順位をそのまま再利用せず、影響する投資額と稼働開始月を戻して計算します。サイト単位の台帳があれば、複数拠点を束ねた後も問題の拠点を切り分けられます。
先端技術・海外研究を比較するチェックポイント
| 要素 | 比較する仕様・機能 | 正式評価で残す証拠 |
|---|---|---|
| 電池セルとパック | 温度範囲、保証容量、サイクルと暦劣化、交換単位 | 適用保証、温度・SOC条件別の性能資料 |
| PCS・変圧設備 | 連続出力、部分負荷効率、無効電力、受電・逆潮流制約 | 効率曲線、結線図、接続検討条件 |
| BMS | セル監視、保護、残量推定、異常記録 | 異常時の動作、ログとアラームの仕様 |
| EMS・ゲートウェイ | 遠隔指令、スケジュール、通信断の代替動作 | 対応プロトコル、制御試験、権限設計 |
| 予測・最適化 | 気象・需要・価格予測と制約条件 | 評価期間を分けたバックテスト、失敗日の記録 |
| 計測・精算 | 充放電、発電、受電、送電の測定点と粒度 | 計器仕様、時刻同期、精算書との照合 |
| セキュリティ | アクセス権、更新、監査ログ、端末管理 | 運用手順、脆弱性対応、委託先の責任分担 |
新しい電池方式や長時間蓄電の研究成果は、効率・寿命・コストの測定条件をそろえて比較します。セル単体の実験結果を、空調やPCSを含む完成設備の経済効果へそのまま置き換えません。設置面積、補機電力、交換、リサイクル、調達・保守の体制まで含めると、適する用途が変わるためです。
デジタルツインやAI運用の提案を受けたら、実績に合わせて学習した期間と、予測精度を評価した期間が分かれているかを確認します。未来の価格や需要が既知の計算は運用上限の参考であり、実運用の達成見込みではありません。予測誤差を入れた計算、単純な固定スケジュールとの比較、追加費用を引いた改善額を求めます。
「高効率」「長寿命」という一語から利益へ飛ばず、四段階の前提をそろえます。
海外の検討方法として、SAMの蓄電池モデルは、需要家側・系統側の評価に加え、劣化や運用方式を検討する手がかりになります。日本の契約・補助・市場参加条件を自動的に満たすものではありません。SAM:蓄電池モデル、SAM:需要家側蓄電池の運用モデルを起点に、評価境界と入力条件を確認してください。
海外事例を国内へ移す際は、時間帯別の料金構造、逆潮流の扱い、容量対価、停電時給電、税・補助、計量制度を比較表にします。海外の回収年だけを引用せず、その国で成立した収入が国内の同じ設備・契約で受け取れるかを一行ずつ照合することが、研究成果を実務に使う近道です。
計算式・モデルの境界・再現方法
この簡易計算は、採算の主要な要因と正式検討に必要な入力を見つけるためのものです。年次値で計算するため、同じ日の充電源と放電先が本当に一致するか、各30分の残量が上下限を守るかは解きません。数値を細かく入力しても、モデルの時間粒度が精密になるわけではありません。
1. PV優先で年間の充電源を配分し、系統充電は入力された上限内だけ使用。PV由来の余剰不足を無制限の系統充電で補いません。
2. 放電量×回避買電単価から、PV充電量×失う売電単価と系統充電量×購入単価を控除。基本料金削減は確認済み入力に限定。
3. ピークカットの実現可否、BCP時の運転、DR応動、実際の契約電力は自動判定しません。
| 計算項目 | 実装上の扱い |
|---|---|
| 使用可能容量 | DC容量×運用SOC幅×往復効率の平方根。充電・放電で効率を対称に分ける簡易仮定。 |
| 年間動作上限 | 容量・出力・充放電所要時間・日数・稼働率・年間充電源から制約。将来の動作保証ではない。 |
| 経年劣化 | 電池容量を入力率で毎年低下。発電設備は別の減少率。保証曲線や温度依存は再現しない。 |
| 更新費 | 入力した年に費用だけ計上。容量を新品へ自動回復させない。全面電池更新案は別途計算。 |
| 補助金 | 確認済み入力だけ初期投資から控除。初期値ゼロ。採択や交付時期を予測しない。 |
| 市場・DR収入 | 同一容量の重複販売を避けるため自動加算しない。契約・時間割・未達費を含む正式計算が必要。 |
| 物価・価格 | 追加固定費のみ入力率で上昇。入力単価の長期予測や制度上の月次算定を行わない。 |
有望な結果ほど、次の段階で入力と制約を精密化します。
出力の端数は表示の都合で丸めていますが、内部計算は丸める前の値を使います。CSVに保存した前提、モデル版、確認日を一緒に残すと、後日の制度・価格・見積変更による差を説明できます。NPVの差が小さい案は、精度の限界を超えて順位を断定せず、見積・運用条件の追加確認を優先します。
政策・補助・審議会情報の扱いと更新方針
SIIの大規模業務産業用蓄電池の案内では、高圧以上の需要側、PCS合計出力100kW以上等が整理されています。同事業は1次公募の結果をもって終了と公表。機器の名称が産業用というだけで対象とは判定できません。 SII:大規模業務産業用蓄電システム
制度は「検討中」「公表済み」「施行済み」「受付中」「受付終了」を分けて記録します。審議会の方向性や研究会の資料を、現行の申請要件や確定収入へ置き換えません。施行日と適用対象、経過措置、既設設備への扱いを確認したものだけ、計算条件へ反映します。
月次の全体見直しに加え、制度の原典確認を行います。未確認の変更を自動的に利益へ加えません。
補助金の確認では、事業名だけでなく、公募回、対象者、設備規模、既設・新設の区分、対象経費、発注・着工の可否、DR等の義務、財産処分の条件、報告期間を一枚にまとめます。一般的な補助率が分かっても、自案件で対象となる費用と採択・交付条件が分からなければ、設備費の一律割引として使えません。
FIPのプレミアムは基準価格と参照価格等の制度上の算定に基づくもので、個別の売電価格を基準価格から引けばよいという計算ではありません。本計算機は法定月次精算を再現せず、利用者が確認した実効単価を使います。OCCTO:FIP制度概要
制度更新だけでは、見積や契約が自動更新されるわけではありません。新しい施行日が自案件の開始予定より前か後か、既存契約に変更条項があるかを確認し、必要なら契約相手へ再見積・再試算を依頼します。正式な取引条件は当事者間の書面で確定してください。
判断を誤りやすいポイント
| 見落としやすい点 | 確認のしかた |
|---|---|
| 余剰がある時間に電池が満充電 | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
| 夜間需要が少なく翌日まで放電できない | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
| 系統充電が最大需要を押し上げる | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
| 基本料金の算定条件を取り違える | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
| BCP確保容量を通常運用にも計上 | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
| DRの回復充電費を無視 | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
| 休日の発電を平日へ持ち越せると仮定 | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
| PPA所有者と電池所有者で利益が分裂 | 入力の根拠・適用期間・比較基準を記録し、正式試算で時系列と契約を照合します。 |
着手前の見積を上書きせず、版を残してください。機器価格が下がっていても、接続工事や保守、移行費が増えて総投資が高くなることがあります。予測収入の増減と見積費の増減を同時に変えると、改善要因が分からなくなるため、差額の理由を項目別に説明します。
正式シミュレーション・個別相談へ進む
不明な項目は不明のままで相談できます。仮の数字を実績として埋める必要はありません。
需要家側の料金・自家消費の比較はエネがえるBizの文脈で、住宅や家庭の蓄電池はASPの文脈で、EVの移動・充電・V2HはEV・V2Hの文脈で整理すると、比較対象が明確になります。このページの公開計算機と、個別案件の正式サービスの対応範囲は同一とは限りません。ご要望を確認して、必要なデータと進め方をご案内します。
関連ガイド:家庭用蓄電池・VPP(ASP) / EV・V2G・V2H
よくある質問
無料の計算結果をそのまま稟議や発注に使えますか。
社内の初期比較には使えますが、正式な見積・収益予測・適合判定ではありません。入力の出典、未確認条件、時系列制約、契約、税・資金条件を確認したうえで正式判断へ進めてください。正式シミュレーションはお問い合わせ後の個別対応です。
初期値は業界の標準値ですか。
いいえ。操作説明のための仮定です。設備規模、金額、効率、単価、稼働日数、更新費を自案件へ置き換えてください。補助金・プレミアム・基本料金削減など、適用確認が必要な項目は利益を保証するものではありません。
補助金が採択される見込みなら入力してよいですか。
初期判断ではゼロの案を必ず残してください。交付前の見込額を使う場合は仮定であることを明示し、不採択・減額・入金遅延の案を別に比較します。設備や工事の全額が補助対象になるとは限りません。
なぜ市場収入やDR収入を自動で上乗せしないのですか。
同じ出力と残量を複数の用途へ同時に約束できないためです。参加条件、供出時間、充電費、機会費用、未達負担を確認し、主用途の収益を減らす影響も含めて正式試算で評価します。
IRRが表示されないのは故障ですか。
初期投資がゼロ、キャッシュフローに複数の符号変化があるなど、単一のIRRが適切でない条件では表示しません。年別CFとNPVを確認してください。数字が出る場合も、収益を保証する指標ではありません。
アグリゲーターを紹介してもらえますか。
別途個別相談です。用途、地域、規模、機器、契約状況等を確認し、取次・紹介の可否と条件をご案内します。本ページへの事業者掲載は提携や紹介可能性を保証するものではありません。
入力したデータは保存されますか。
この計算機の処理はブラウザー内で行い、計算条件の自動送信・サーバー保存機能は設けていません。サイト全体の解析・問い合わせフォームの取り扱いは各案内に従います。再利用する条件はCSVでご自身の管理下へ保存してください。
制度が変わった場合、過去の結果はどう扱いますか。
保存結果のモデル版と確認日を見て、変更された条件が適用されるか確認します。古い制度を前提にした結果を最新の見積として流用しないでください。確認日から7日を過ぎると計算機内に再確認の案内を出します。
出典・エビデンスと変更履歴
以下は制度・サービス・モデルの確認先です。公式資料と本記事の推計・説明用仮定を分けています。リンク先の更新で内容が変わるため、判断時には対象年度・版・公表日を確認してください。
- OCCTO:FIP制度概要
- OCCTO:FIPの各種資料・系統充電の様式
- SII:大規模業務産業用蓄電システム
- Shizen Connect:太陽光併設型制御サービス発表
- Shizen Connect:一次調整力対応の発表
- Shizen Connect:物流拠点のオンサイトPPA
- 東京ガス:系統用・再エネ併設蓄電池
- SAM:蓄電池モデル
- SAM:需要家側蓄電池の運用モデル
編集・計算モデル更新:2026年9月22日。モデル版:2026-09-22.2。記事の確認日は制度・一次情報の確認日であり、設備保証や将来価格の保証日ではありません。訂正・更新が必要な情報をご存じの場合は、原典と対象箇所を添えてお問い合わせください。

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