V2Hの必要性は、車の保有年数だけでは決まりません。家に残る設備を何年使うか、次の車に対応するか、停電時に何を動かしたいかを確認し、普通充電からの追加効果を比べます。
V2Hの定価・実売例・工事費を分ける
価格・根拠の確認日:2026年10月3日。公表実績・販売店の提示価格・試算用の仮定を分けて掲載しています。販売店価格は購入成立額や全国平均ではなく、取得時点の表示です。
V2H機器だけの価格を工事込み総額として使わないことが第一です。車両の買い替え時にも同じV2Hを利用できるかは、後継車の対応とメーカー条件を確認します。
| 確認項目 | 価格・数値の目安 | 対象・条件・出典 |
|---|---|---|
| メーカー発表時の希望小売価格 | 128万円(税別・工事別) | VSG3-666CN7の2023年10月発表。税込換算140.8万円。現在の実売相場ではありません。ニチコン|VSG3発表時の希望小売価格 |
| 同シリーズの販売店提示例 | 1,024,180円(ページ表示価格) | VSG3-666CN7AS、イークローバー1店舗、取得時点。工事込みの表示を確認できないため機器の購入参考額として扱う。送料・税表示・工事は注文前に確認。イークローバー|VSG3-666CN7AS販売ページ |
| 対応条件 | 車種・年式・電池・充放電制約を確認 | 対応リストにない後継車での継続利用は保証しません。ニチコン|VSG3対応車種 |
悲観・通常・楽観で、どこまで変わるか
既にEVとPVを持つ家庭で、普通充電からV2Hへ変える追加投資を評価。80・110・150万円は工事込みV2Hと普通充電の差額について置いた税込予算仮定で、上記実売額そのものではありません。補助金0、保有5年、期末残価0。太陽光余剰を普通充電で走行に使う効果は除き、追加で家へ戻せる余剰だけを対象にします。
以下は条件を置き換えた独自の感度分析です。「通常」は比較の基準ケースで、最頻値・平均的な顧客・将来予測を意味しません。3ケースに発生確率は付けておらず、信頼区間やP90/P50/P10でもありません。
| ケース | 追加投資額 | 追加余剰入力/年・往復効率 | 買電/売電単価/kWh | 年間純効果 | 5年差引 |
|---|---|---|---|---|---|
| 悲観 | 150.0万円 | 800kWh・64% | 25/16円 | -15,000円 | -157.5万円 |
| 通常(基準) | 110.0万円 | 1,600kWh・72% | 31/8.3円 | 12,432円 | -103.8万円 |
| 楽観 | 80.0万円 | 2,400kWh・80% | 40/8.3円 | 51,880円 | -54.1万円 |
計算方法:年間純効果=追加PV入力×(往復効率×買電単価−失う売電単価)−追加保守費。5年差引=年間純効果×5−追加投資。劣化・故障交換・割引率は除外。
判断が変わる境界:通常条件では売電を失う分を含めた差益は14.02円/入力kWh。110万円を5年で回収するには、保守費を含め年約16,405kWhの追加余剰が必要です。住宅でその量を確保できるか先に確認。停電備えの価値は、節約額へ架空の金額を加えず別に評価します。
自分の案件に近づける確認資料
工事込み相見積もり、普通充電との差額、車の在宅時間、走行に必要なSOC、追加で家へ供給できるkWh、保証・修理費を確認。往復効率と片道効率を混同しません。
価格・根拠の出典と時点
- ニチコン|VSG3発表時の希望小売価格 — 2023-10-17発表時の定価。現行実売価格ではない
- イークローバー|VSG3-666CN7AS販売ページ — 販売店提示価格・2026-10-03取得、1店舗の観測
- ニチコン|VSG3対応車種 — 車種・年式ごとの条件。購入前に再確認
- Panasonic|EV充電設備の工事費FAQ — 配線長・契約電力等により個別見積もり
計算の考え方を確認する補足例
ここからの図・数値は、計算方法を説明するための別の仮定例です。上の出典付き価格・3ケース比較とは条件が異なり、現在の市場価格や同一案件の結果を示すものではありません。

車の費用削減とV2Hの追加効果を分ける
EVへ乗り換えて減るガソリン代は、普通充電でも得られる効果です。その全額をV2Hの効果に含めると、機器の追加投資を過大評価します。
比較する案は「EV+普通充電」と「同じEV+V2H」。同じ車、同じ走行距離、同じ電力条件にそろえて、V2Hで追加できる自家消費や時間帯移行の便益を計算します。
車は5年、設備はそれ以上という場合
車を返却してもV2H機器が自宅に残ることはあります。しかし、次の車で使えるかは別問題です。対応は車種名だけでなく年式、型式、設備側のシリーズ等を確認します。ニチコンの対応車種表も製品別に条件を示しています。ニチコン|V2H対応車種・年式・条件
| 確認項目 | 残す情報 |
|---|---|
| 今の車 | 車種・年式・型式・給電対応 |
| 次の車 | 未定なら対応を保証しない |
| 家 | 残り居住年数、引越し・建替え予定 |
| 設備 | 型番、保証、保守、撤去・移設費 |
| 使い方 | 接続可能時間、走行用に残す電池量 |
追加費用と追加便益の仮定例
普通充電案15万円、V2H案100万円と仮定すると追加費用は85万円です。V2Hによる年間追加純便益を3万円または6万円と仮置きします。これは相場や実測の効果ではありません。
| 利用期間 | 年3万円の便益 | 年6万円の便益 |
|---|---|---|
| 5年累計 | 15万円 | 30万円 |
| 10年累計 | 30万円 | 60万円 |
この条件では10年でも追加費用85万円には届きません。補助金、売電機会費用、変換損失、待機電力、保守費等を反映した実際の追加純便益で再計算します。単純回収は約28.3年または14.2年ですが、その年数まで機器が使えるという意味ではありません。
停電対応は、お金の比較と並べて示す
動かしたい機器、必要電力、想定時間、車の接続状態、残量、運転操作を確認します。容量kWhが足りても出力kWや配線条件が合わない場合があります。車が外出している時間の停電にも備えたいなら、他の電源も比較します。
停電の安心を評価することはできますが、根拠なしに年間の金銭便益へ換算しません。「電気代面では追加費用を回収しにくいが、停電対応を重視して採用する」という判断も、数字と目的を分ければ説明できます。
よくある質問
5年で乗り換えるとV2Hは無駄になりますか。
次の車への対応と家の利用期間によります。継続利用できる場合も、できない場合も分けて比較します。
蓄電池容量が大きければ家全体を動かせますか。
出力、配線、機器の起動電力等にも制約があります。容量だけでは決められません。
V2Hにガソリン代削減を全額計上してよいですか。
普通充電でも生じる削減分は、V2Hの追加便益へ重複計上しません。
出典・確認資料
車と家の条件をそろえて比較する
車の見積もり、走行距離、充電できる時刻をそろえ、普通充電とV2Hの追加費用・効果を比較します。



