エネがえる試算ライブラリ:太陽光・蓄電池・EV・PPA・補助金の損得を12テーマで全国実試算【2026年11月最新単価】

著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら )

樋口 悟(Satoru Higuchi)。国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループで「エネがえる」の事業開発を担当。住宅・産業用太陽光、蓄電池、EV・V2H、PPA、電力料金・補助金の経済効果を扱い、SaaS・API・BPOによる比較提案・導入判断を支援しています。「太陽光・蓄電池導入意思決定白書2026」の監修、独自調査、官公庁・自治体の試算支援、APIを活用したサービス開発・協業にも取り組みます。執筆・更新では一次情報と試算条件の明示を重視し、公表値と独自の推計・仮定を区別します。 詳しいプロフィール・活動実績・参照資料 / 監修した白書

顧客の声・公開登壇記録
・共伸興建・市川様の公開インタビュー(2023年1月11日):「樋口さんが電話に結構すぐ出てくれる」「業界の知見がある」。操作に加え、提案方法や試算ロジックへの相談対応をご評価いただきました。同インタビューでは、利用者増加時にも同じ品質のサポートを求める声をいただいています。
・東京都・東京都環境公社のWEBシンポジウム(2024年3月15日):「太陽光発電と都市の可能性」の講演者として、樋口悟の氏名・所属・略歴が主催者の公式ページに掲載されています。
協業や資料のご案内では「迅速なご対応とご送付、ありがとうございます!」、AIサポートによる操作案内では「ありがとうございます。助かりました。」などのお客様の声をいただいています。
公開インタビュー以外のお客様の声は、企業名・氏名を省略して紹介しています。AIサポートへの声はサービスへのご感想です。

エネがえるの導入・活用実績
エネがえるは、官公庁・自治体、大手メーカー、商社、電力・ガス会社、住宅メーカー、有力販売施工店など、全国700社以上に導入されています。主な導入・活用先には、環境省、地方自治体、シャープ、パナソニック、ニチコン、スズキ、村田製作所、ダイヘン、三菱電機、ネクストエナジー・アンド・リソース、エリーパワー、NTT-ME、東京ガス、東邦ガス、大和ハウス工業、東京センチュリー、ELJソーラーコーポレーションなどがあります。
導入事例を見る / 主な導入・活用先の掲載情報
エネがえる全体の実績です。掲載先には導入・連携・実証・事例掲載等を含みます。

ご相談・お問い合わせ
エネがえるのご相談はもちろん、新規事業開発、アライアンス、執筆・セミナー講演、リサーチやデータセット開発などのご相談も承ります。まだ具体的に決まっていないお話でも、お気軽にご連絡ください。
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エネがえる試算ライブラリ:太陽光・蓄電池・EV・PPAの損得を12テーマで全国実試算
エネがえる試算ライブラリ:太陽光・蓄電池・EV・PPAの損得を12テーマで全国実試算

結論から言います。太陽光・蓄電池・EV・PPAが「元が取れるか」は、設備の種類より「自分で使う電気を増やすか」「どの補助がいつ使えるか」「どう使うか」で決まります。エネがえるは、家庭・企業・自治体の12のテーマについて、全国の条件別に投資回収を実試算し、記事ごとに前提条件と出典をすべて公開してきました。このページは、その12本の結論を1か所で比べられる「試算ライブラリ」です(2026年11月の最新単価で試算)。

このライブラリで分かること

  • 元が取りやすいのは「自分で使う電気を増やす」設備:産業用の自家消費型太陽光は216ケースすべてが15年以内に回収(中央値6.6年)、自治体の公共施設の太陽光は一般財源でも138ケースすべてが15年以内に回収(中央値8.8年)という計算でした。
  • 蓄電池・V2Hは単体では元が取りにくい:補助なしでは、家庭用蓄電池もV2Hも、243ケースすべてで15年以内に回収できませんでした。補助の有無と、停電への備えという目的で判断するものです。
  • 同じ設備でも「使い方」で結論が変わる:軽EVは自宅で夜間充電できれば72ケース中54ケースでガソリン軽より安い一方、公共の急速充電だけに頼ると、軽・コンパクトのEVは10年保有ですべてのケースで割高でした。

検証の主体:エネがえる(国際航業株式会社)。各記事は独立した計算モデルで試算し、蓄電池の記事では31ケースをエネがえるASPで照合しました。すべての記事で、執筆とは別の独立レビューで数値と出典を照合しています。数値の条件は、各記事の前提条件・ファクトチェックの節に記載しています。

12テーマの結論マップ

12本の記事の結論を、「元が取りやすい」「条件・組み合わせしだい」「単体では難しい」の3つに分けて並べました。各行の数値は、各記事の冒頭「3つの答え」から転記しています。

12テーマの結論マップ。産業用太陽光は216ケースすべてが15年以内、公共施設の太陽光は138ケースすべてが15年以内、蓄電池とV2Hは補助なしで15年以内の回収なし
図1 12テーマの結論マップ(各記事の「3つの答え」から転記。条件は各記事を参照)

テーマ別の結論一覧(ケース数・条件つき)

表の「結論」は各記事の表現をそのまま載せています。ケース数の数え方(何案件×何シナリオか)は記事によって違うため、単位も書いています。

対象テーマ(記事)ケース数(単位)結論主な条件
家庭住宅用太陽光9エリア×容量3×向き3×電気代3×上昇率3=729ケース保守費・パワコン交換費を除くと、729ケース中639ケース(88%)が15年以内に回収。点検とパワコン交換を入れると15年時点でプラスは293ケース(40%)2026年11月単価、新FIT(1〜4年目24円・5〜10年目8.3円)
家庭雪国の太陽光豪雪地帯8都市288ケース(冬の発電ゼロ4パターン)12〜2月の3か月を丸ごとゼロと見込んでも、72ケース中63ケースが20年以内に回収保守費・パワーコンディショナの交換費を除く
家庭卒FIT後の選択9エリア243ケース対応機種なら設定変更だけで年約2.9万円(中央値、毎日昼に沸かす設定)。蓄電池の後付けは、補助なしでは243ケースすべてで15年以内に回収できない昼間沸き上げは対応機種が前提
家庭家庭用蓄電池9エリア×3構成×電気代3×上昇率3=243ケース補助金なし・15万円/kWh(税込)の蓄電池単体では15年以内に回収できるケースはなし。東京都の補助(10万円/kWh)を関東エリアに当てはめた27ケース中19ケースが15年以内に回収太陽光とセットなら162ケース中156ケース(96%)が20年以内に回収(黒字の主役は太陽光)
家庭V2H9エリア243ケース(EV3車種)補助なしでは、V2Hは243ケースすべてで15年以内に元が取れない国のV2H補助は2026年8月27日到着分で受付終了
家庭EVとガソリン車3クラス8車種・648ケース自宅で充電する72ケース中54ケースでサクラの総額がデイズより安い(10年)。補助が受けられないと72ケース中18ケース国のCEV補助金は2026年12月上旬〜下旬に受付終了の見込み
企業産業用の自家消費型太陽光・蓄電池9業種×地域・規模216ケース太陽光は216ケースすべてが15年以内(中央値6.6年)。蓄電池は補助なしでは高圧162ケース中22ケース保守費とパワコン交換費を見込んでも太陽光の中央値は7.5年
企業大企業の脱炭素54案件×4シナリオ=216ケース基準シナリオでは太陽光+FIT非化石証書(C3)は54案件すべて、追加性100%(C7)は54件中28件で何もしない場合より得電気代上昇率2%の基準シナリオ
企業オフサイトPPA54案件(2,000本の価格パス)固定価格型は基準シナリオで得になる案件0/54、高騰シナリオで38/54PPA対象量は年間使用量の30%
企業商用EV軽バン・トラック288ケース事業用の軽バンは9ケースすべてで保有8年の正味がプラス。2t級トラックは144ケースのどれも保有8年では回収できない補助あり・事業所で夜間充電
自治体公共施設の太陽光46の施設条件×電気代上昇率3水準=138ケース×財源5通り一般財源で自己所有しても138ケースすべてが15年以内に回収(中央値8.8年)。20年の得は交付金>起債>一般財源の順設置費18〜25万円/kWの場合
政策補助金の費用対効果9種類の設備・10の補助制度、評価単位1,893CO2 1トンあたりの公費は約80〜90倍の差(エコキュート2,738円〜)排出係数は現状・全ケース合計

すべて2026年11月時点の単価・制度で試算。補助制度の受付状況は変わるため、各記事の最新の記載をご確認ください。

12テーマの「3つの答え」(各記事から転記)

各記事の冒頭にある「3つの答え」を、見出しと最初の根拠の一文に絞って転記しました。数値の条件と詳しい根拠は、各記事でご確認ください。

住宅用太陽光:太陽光発電はやめた方がいい?元が取れない条件を全国9エリア729ケースで実試算【2026年11月最新単価】

  1. 条件がそろえば元は取れる:保守費・パワコン交換費を除くと、729ケース中639ケース(88%)が15年以内、727ケースが20年以内に回収できました。回収年数の中央値は11.6年です(20年以内に回収できない2ケースも含めた中央値)。
  2. ただし点検とパワコン交換を入れると、15年回収は半分以下になる:4年ごとの点検(1回3.8万円)と13年目のパワコン交換(38.4万円)、20年で合計57.4万円を入れると、15年の時点で累積の収支がプラスになっているのは729ケース中293ケース(40%)、回収年数の中央値は16.2年に延びます(20年超を含む)。20年以内なら608ケース(83%)です。
  3. 「やめた方がいい」の本当の理由は、損得より契約の質:国民生活センターによると、「太陽光発電システムの点検商法」の相談は2022年度154件→2024年度613件と2年で約4倍に増えました(PIO-NET登録分)。試算の前提と見積もりの中身を確かめれば避けられるリスクが中心です。

雪国の太陽光:雪国の太陽光は元が取れない?冬の発電ゼロ4パターン×世帯モデル別に実試算【2026年11月最新単価】

  1. 冬に雪で発電が止まっても、多くの家は20年以内に元が取れる(保守費・パワーコンディショナの交換費を除く)。12〜2月の3か月を丸ごとゼロと見込む最も慎重なパターンでも、72ケース中63ケースが20年以内に回収できました(回収年数の中央値は約17年。20年以内に回収できない9ケースも含めた中央値)。
  2. ただし「15年で回収」を目安にすると、雪の見込み方で結論が分かれる。15年以内に回収できるケースは、ゼロを見込まない場合は72ケース中66ケース、1月ゼロで45ケース、1〜2月ゼロで29ケース、12〜2月ゼロでは11ケースまで減ります。
  3. 実際の発電実績は「1月ゼロ」前後に近い。国のZEH補助事業の住宅(東北3県の県平均)の発電実績と比べると、実績は「ゼロを見込まない」と「1月ゼロ」の間(秋田は「1月ゼロ」と「1〜2月ゼロ」の間)でした。

卒FIT後の選択:卒FIT後は蓄電池?エコキュート?売電継続?全国9エリア243ケースを実試算【2026年11月最新単価】

  1. まずは昼間沸き上げ。対応機種なら設定変更だけで年約2.9万円(中央値、毎日昼に沸かす設定)浮き、曇りの日は夜に沸かす天気連動なら最大で中央値3.2万円(年0.7万〜4.7万円、翌日の発電を完全に予測できた場合の上限)。
  2. 蓄電池の後付けは、補助なしでは243ケースすべてで15年以内に回収できない。補助と目的しだいで選ぶ。
  3. 蓄電池は「元を取る」より「停電と自給の安心」で選ばれている。エネがえるの独自調査では、回収が難しいと知りながら蓄電池を買った人の85.6%が「購入して良かった」と答え、理由の上位に「停電への備え」が入りました。

家庭用蓄電池:蓄電池は元が取れない?買わない方がいい?全国9エリア243ケースを実試算【2026年11月最新単価】

  1. 東京都の水準の補助があれば、蓄電池単体でも割に合うケースが多い(東京都の補助(10万円/kWh)を関東エリアに当てはめた27ケース中19ケースが15年以内に回収)。東京都の補助(10万円/kWh)を関東エリアに当てはめた27ケース中19ケース(約7割)が、蓄電池の費用を蓄電池の節約分だけで15年以内に回収できました。
  2. 補助が薄い地域では、蓄電池単体では元が取れないが、太陽光+蓄電池のセットなら元は取りやすい(セット全体の96%が20年以内に回収。黒字の主役は太陽光)。補助金なし・15万円/kWh(税込)の蓄電池単体では、15年以内に回収できるケースはありませんでした。
  3. 経済性だけで選ばれているわけではない。エネがえるの独自調査では、「元を取るのが難しい」と知りながら蓄電池を買った人の85.6%が「購入して良かった」と答えています。

V2H:V2Hは元が取れない?買わない方がいい?全国9エリア243ケースを実試算【2026年11月最新単価】

  1. 補助なしでは、V2Hは243ケースすべてで15年以内に元が取れない。15年の節約額の中央値は、共働き(平日昼は車が家にない)で約17万円、在宅多めで約56万円、卒FIT・オール電化で約49万円です。
  2. 太陽光の余りでEVを充電するだけなら、元は取りやすい。家に放電しない「太陽光で充電するだけの充電器」(約15万円と仮定)なら、243ケース中228ケースが15年以内に回収できました。
  3. V2Hを選ぶ一番の理由は、停電への備え。リーフ(55kWh)なら、冷蔵庫・照明・通信などに絞った電気を満充電から約6日分まかなえます。

EVとガソリン車:EVとガソリン車どっちが安い?車種別TCOを実試算【2026年11月最新単価】

  1. 自宅で夜間に充電でき、国の補助が間に合えば、軽EVは年およそ0.7万km以上でガソリン軽より安くなる。日産サクラと日産デイズ(ガソリン)を10年で比べると、自宅で充電する72ケース中54ケースでサクラの総額が安く、差の中央値は約29万円でした(関東の損益分岐は年約0.7万km)。
  2. 車格の大きいEVは、補助があっても「走る量」次第。HVは年約0.6万km以上で安くなる(10年)。
  3. 公共の急速充電だけに頼るなら、EVは経済的に選ばない方がよい。急速充電(1拠点で実証中の会員価格の例99円/kWh)だけで走ると、軽EVの1kmあたりの電気代は約14.4円で、ガソリン軽の約8.6円を上回ります。

産業用の自家消費型太陽光・蓄電池:産業用の自家消費型太陽光・蓄電池は元が取れない?業種別×規模別に実試算【2026年11月最新単価】

  1. 太陽光は、業種や規模を問わず元が取りやすい(216ケースすべてが15年以内、中央値6.6年)。買う電気の単価が税抜で約19〜23円/kWhに上がっているため、屋根で作った電気を自分で使うだけで、設置費用を回収できます。
  2. 蓄電池は「高圧」かつ「太陽光が余る施設」で、補助があれば割に合う。補助なし・14万円/kWh(税抜)では、高圧162ケースのうち15年以内に回収できたのは22ケースだけでした(学校・日中稼働の工場・物流倉庫に限られる)。
  3. 導入しない理由は「お金」より「数字が信じられないこと」。エネがえるの調査では、提案を受けても導入しなかった企業の経営者・役員の67.0%が、経済効果シミュレーションの信憑性を疑った経験があると答えました(n=100)。

大企業の脱炭素:大企業の脱炭素は自家消費?オフサイトPPA?再エネ電力?組合せ別にコストとCO2を実試算【2026年】

  1. 屋根の太陽光は、216ケースすべてで「CO2を減らすほど得」になる。脱炭素の原資はここで生まれる。
  2. Scope2ゼロを「得」で達成できるかは、屋根の太陽光の得をどこまで使うかで決まる。電気代が年2%上がる基準シナリオでは、太陽光+FIT非化石証書(C3)は54案件すべて、太陽光+オフサイトPPA30%+FIT非化石証書(C5)は54案件中52件で、何もしない場合より安くなりました(年平均の差の中央値は−682万円、−647万円)。
  3. コストだけで選ばれているわけではない。日本に本社を置くRE100加盟企業は90社を超えますが、日本での再エネ調達比率は約40%で、世界全体の59%を下回ります(Climate Group)。

オフサイトPPA:オフサイトPPAは得なのか?業種別×規模別に固定価格・市場連動を実試算【2026年】

  1. 条件がそろえば得になる。鍵は「電気代の上昇」と「炭素価格」。
  2. 今の料金が続く基準シナリオでは、固定価格型は「少し高い保険」。通常料金の上昇率2%・市場価格11.08円が続く場合、固定価格型が得になる案件は54案件中0で、負担増は中央値で年166万円です。
  3. 選ばれる理由はコストより「価格の安定」と「新しい再エネ」。固定価格型は、価格パスの悪い側(P90)で54案件中38案件が何もしない場合より安く済みます。

商用EV:商用EVは元が取れない?用途別・車種別にTCOを実試算【2026年11月最新単価】

  1. 条件がそろえば割に合う:走る軽バンは、補助があれば短期間で元が取れる。事業用(黒ナンバー)の軽バン(ホンダ N-VAN e: とガソリンの N-VAN の比較)は、国の補助(LEVO補助金78.2万円)と充電器の補助を使い、事業所で夜間に充電すると、9ケースすべてで保有8年の正味がプラスになりました(中央値 約136万円の得)。
  2. 条件がそろわないと単体では元が取れない:2t級トラックは補助を使っても8年では回収できない。EVトラック(いすゞ エルフEV)は、国の補助の基準額が価格差の3分の2(事業用で579.6万円)ありますが、トラックの144ケース(事業用・自家用×補助あり・なし)のどれも、保有8年では回収できませんでした。
  3. 経済性以外の理由で選ばれている。LEVOの補助(事業用の軽バンとトラック)を受けるには、2030年度までの電動車などの区分別導入計画の提出が必要で、車両総重量8t以下の車(軽バンを含む)は2030年度に保有割合5%以上が交付の必須条件です。

自治体の公共施設:自治体の公共施設の太陽光は起債・交付金・PPAのどれが得?施設類型別に20年の負担を実試算【2026年】

  1. 屋根の太陽光は、一般財源で自己所有しても元が取れる計算。財源の工夫で20年の得はさらに増える。
  2. オンサイトPPAは「初期費用ゼロ」の代わりに、得が自己所有の約半分になる。得をするかは単価しだい。
  3. 避難所の停電対策は、太陽光だけでは成り立たず、蓄電池は電気代の節約では元が取れない。系統につながった太陽光は停電時に建物へ電気を送れないため、72時間の停電で重要負荷をまかなえる割合は0%です(パワコンの自立運転用コンセントで、晴れた昼に限られた容量の電気を使える場合は除く)。

補助金の費用対効果:再エネ補助金の費用対効果は?CO2削減1トンあたりの補助額を9種類の設備・10の補助制度で実試算【2026年】

  1. 1トンあたりの公費は「安い補助」と「高い補助」で約80〜90倍の差。ただし安い補助の多くは、補助がなくても回収できる人に払われている。
  2. 「補助が決め手になる力」が大きいのは高額な補助。ただし家庭用蓄電池・V2Hは、CO2の数え方しだいで削減にならない。
  3. 結論は「何年で回収できれば導入するか」「電気の排出係数がどう下がるか」「停電への備えをどう数えるか」で変わる。だから円/トン1本で順位をつけず、3つの物差しを並べて示すのが実務的。

家庭(住宅)の方

企業の方

自治体・政策担当の方

シリーズ全体で見えた5つの共通法則

12本の試算を並べると、テーマをまたいで同じ傾向が見えます。いずれも各記事の結果から言えることに限って書いています。

法則1:「買う電気を減らす」電気は、「売る電気」より価値が高い

産業用では、買う電気の単価が税抜で約19〜23円/kWhに上がっているため、屋根で作った電気を自分で使うだけで設置費用を回収できます(産業用の記事)。卒FITの家では、7〜9円でしか売れない昼の電気で、夜に約22〜30円で買っていたお湯を沸かす昼間沸き上げの1年目の節約額が、150万円の蓄電池を付けた場合と同じくらい(中央値2.9万円)になりました(卒FITの記事)。

法則2:蓄電池・V2Hは「元を取る」より「備え」で選ばれている

補助なしでは、家庭用蓄電池もV2Hも243ケースすべてで15年以内に回収できませんでした(蓄電池の記事・V2Hの記事)。それでも、元を取るのが難しいと知りながら蓄電池を買った人の85.6%が「購入して良かった」と答えています(エネがえる独自調査、n=104)。

法則3:補助金は「どこで・いつ」使えるかで結論が入れ替わる

蓄電池単体でも、東京都の補助(10万円/kWh)を関東エリアに当てはめた27ケース中19ケースが15年以内に回収できます(蓄電池の記事)。一方、国のV2H補助は2026年8月27日到着分で受付を終え、国のCEV補助金は2026年12月上旬〜下旬に受付終了の見込みです(V2Hの記事・EVの記事)。

法則4:設備の種類より「使い方」が効く

V2Hの15年の節約額は、共働き(平日昼は車が家にない)で約17万円、在宅多めで約56万円と3倍以上違いました(V2Hの記事)。軽EV(サクラ)は、自宅で夜間充電でき国の補助が間に合えば、自宅充電の72ケース中54ケースでガソリン軽より安くなる一方、公共の急速充電だけに頼ると、軽・コンパクトのEVは10年保有ですべてのケースで割高でした(EVの記事)。

法則5:見落としやすい費用・前提で「元が取れる」が逆転する

住宅用太陽光は、点検とパワコン交換(20年で合計57.4万円)を入れると、15年時点でプラスのケースが639から293に減ります(住宅用太陽光の記事)。オフサイトPPAは基本料金を下げないため、今の料金が続く基準シナリオでは、PPA単体(固定価格型・年間使用量の30%)で得になる案件は54案件中0でした(オフサイトPPAの記事・大企業の記事。屋根の太陽光や証書と組み合わせると、得になる案件は多くなります)。

検討の順番の目安(試算結果から)

12本の結果を、検討する順番に並べ直すと次のようになります。あくまで記事ごとの条件での傾向で、ご自身の条件での試算が前提です。

順番家庭企業根拠(記事)
1屋根の向きと電気代を確かめて太陽光屋根の自家消費型太陽光住宅用太陽光・産業用:保守・交換費を除けば多くのケースで15年以内に回収
2卒FITならエコキュートの昼間沸き上げFIT非化石証書などで残りのCO2を手当て卒FIT:年約2.9万円(中央値)/大企業:太陽光+証書(C3)は基準で54案件すべて得
3自宅で充電できるならEV走行距離の多い軽バンからEV化EV・商用EV:自宅・事業所での夜間充電が前提
4補助と停電への備えで蓄電池・V2H高圧で太陽光が余る施設は補助つきで蓄電池、価格の安定を重視するならPPA蓄電池・V2H・PPA:補助なしの単体回収は難しい/PPAは基準シナリオで「少し高い保険」

このシリーズで使っている言葉

言葉意味
投資回収(元が取れる)初期費用を、節約や売電で増えたお金の累計が上回ること。記事では15年・20年などの期間で判定し、保守費・交換費を含めるかを明記しています
中央値全ケースを並べたときの真ん中の値。期間内に回収できないケースも「N年超」として含めて数えています
ケース数地域・電気代・設備などの組み合わせの数。記事によっては「案件数×シナリオ数」で数えるため、単位を併記しています
卒FIT固定価格買取(FIT)の期間が終わった太陽光。売電単価が7〜9円/kWh程度に下がります
基本料金契約電力(kW)で決まる料金。オフサイトPPAでは下がらないため、比べる相手は電力量料金です
追加性新しい再エネ設備を増やす効果。補助金の記事では「補助で初めて回収の目安に届くケースの割合」の意味でも使っています

シリーズ共通の前提と検証方法

項目内容
単価の時点2026年11月の改定後の電気料金と、その時点で公表されている燃料費調整・再エネ賦課金・補助制度(記事ごとに確認日を記載)
計算方法記事ごとに独立した計算モデルで、地域・電気代・設備・使い方の組み合わせを全件試算。太陽光・蓄電池などは1時間単位の発電・使用量で計算
実製品との照合蓄電池の記事では31ケースをエネがえるASPで実際に試算して照合。照合できないテーマは、同じモデルを使っていることや公表データとの突き合わせで代替し、記事に明記
独立レビュー執筆とは別の独立レビューで、数値・出典・表現を照合し、指摘を修正して再確認
出典官公庁・電力会社・公的機関の一次情報を優先し、各記事の「前提条件」「ファクトチェック・エビデンス検証一覧」に記載
更新毎月、燃料費調整・再エネ賦課金・補助金の最新情報を確認し、変化があれば再計算して各記事を更新

ご自身の条件で確かめるには

このライブラリの数値は、記事ごとの条件での試算です。ご自宅や自社の電気の使い方、見積もり、使える補助で結果は変わります。エネがえるを使っている販売施工店やエネルギー事業者に、前提条件を見せてもらいながら試算してもらうのが確実です。太陽光・蓄電池の無料シミュレーションからも、元が取れる条件を確かめられます。

よくある質問

太陽光・蓄電池・EVのうち、まず何から検討すればいいですか?

試算では、自分で使う電気を増やす設備ほど元が取りやすい結果でした。住宅用太陽光は、保守費・パワコン交換費を除くと729ケース中639ケース(88%)が15年以内に回収でき、卒FITの家ではエコキュートの昼間沸き上げが、対応機種なら設定変更だけで年約2.9万円(中央値、毎日昼に沸かす設定)の節約になりました。一方、蓄電池は補助金なし・15万円/kWh(税込)の単体では、15年以内に回収できるケースはありませんでした。

蓄電池やV2Hは買わない方がいいのですか?

補助なしでは、蓄電池単体(243ケース)もV2H(243ケース)も、15年以内に元が取れるケースはありませんでした。ただし蓄電池単体でも、東京都の補助(10万円/kWh)を関東エリアに当てはめた27ケース中19ケースが15年以内に回収できました。経済性だけでなく、停電への備えや自家消費の拡大という目的と、お住まいの地域の補助額で判断するものです。

雪が多い地域でも太陽光は元が取れますか?

12〜2月の3か月を丸ごと発電ゼロと見込む最も慎重なパターンでも、72ケース中63ケースが20年以内に回収できました(保守費・パワーコンディショナの交換費を除く)。ただし15年以内に回収できるケースは、ゼロを見込まない場合の72ケース中66ケースから、12〜2月ゼロでは11ケースまで減ります。

EVはガソリン車より安くなりますか?

自宅で夜間に充電でき、国の補助が間に合えば、日産サクラは自宅で充電する72ケース中54ケースで日産デイズ(ガソリン)より10年の総額が安くなりました(関東の損益分岐は年約0.7万km)。補助が受けられないと72ケース中18ケースに減ります。公共の急速充電だけに頼る場合は、軽・コンパクトのEVは10年保有ですべてのケースで割高になりました(補助後の価格がHVより安いSUVのbZ4Xなど、例外もあります)。

企業の脱炭素は何から始めるのが得ですか?

屋根の自家消費型太陽光は、業種や規模を問わず216ケースすべてが15年以内に回収でき(中央値6.6年)、CO2を減らすほど得になる結果でした。オフサイトPPAは基本料金を下げないため、今の料金が続く基準シナリオでは、固定価格型が得になる案件は54案件中0でした。電気代の上昇や炭素価格のシナリオでは得になる案件が増えます。

自治体の公共施設は、どの財源で太陽光を入れるのが得ですか?

20年の得(何もしない場合との差、中央値)は、交付金1/2を使う場合4,959万円、脱炭素化推進事業債(充当率90%・交付税措置50%)4,650万円、一般財源3,441万円、リース2,930万円、オンサイトPPA 1,403万円でした。一般財源で自己所有しても138ケースすべてが15年以内に回収できる計算です(設置費18〜25万円/kWの場合)。

この試算の数字は、自分の家や会社にもそのまま当てはまりますか?

当てはまるとは限りません。各記事の数値は、地域・月額電気代・電気代上昇率・設備価格・補助の受付状況など、記事ごとに書いた条件での試算です。実際の判断では、ご自身の電気の使い方と見積もり、最新の補助制度で試算し直すことをおすすめします。

更新履歴

  • 2026年11月1日:12テーマの試算記事をまとめて公開。
  • 2026年11月1日:共通法則(卒FIT・EV・オフサイトPPA)の数値と条件を記事に合わせて明確化。東京都の補助の試算条件の表現を修正。

業種別の全体像:業種別のエネルギー費はどこで削れる?24業種×規模別に経営課題と打ち手を整理

試算・分析:エネがえる(国際航業株式会社)/公開日:2026年11月1日/各記事の数値は2026年11月時点の単価・制度による試算です。

著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら)

樋口 悟(Satoru Higuchi)。国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーグループで「エネがえる」の事業開発を担当。住宅・産業用太陽光、蓄電池、EV・V2H、PPA、電力料金・補助金の経済効果を扱い、SaaS・API・BPOによる比較提案・導入判断を支援しています。「太陽光・蓄電池導入意思決定白書2026」の監修、独自調査、官公庁・自治体の試算支援、APIを活用したサービス開発・協業にも取り組みます。執筆・更新では一次情報と試算条件の明示を重視し、公表値と独自の推計・仮定を区別します。 詳しいプロフィール・活動実績・参照資料 / 監修した白書

顧客の声・公開登壇記録
・共伸興建・市川様の公開インタビュー(2023年1月11日):「樋口さんが電話に結構すぐ出てくれる」「業界の知見がある」。操作に加え、提案方法や試算ロジックへの相談対応をご評価いただきました。同インタビューでは、利用者増加時にも同じ品質のサポートを求める声をいただいています。
・東京都・東京都環境公社のWEBシンポジウム(2024年3月15日):「太陽光発電と都市の可能性」の講演者として、樋口悟の氏名・所属・略歴が主催者の公式ページに掲載されています。
協業や資料のご案内では「迅速なご対応とご送付、ありがとうございます!」、AIサポートによる操作案内では「ありがとうございます。助かりました。」などのお客様の声をいただいています。
公開インタビュー以外のお客様の声は、企業名・氏名を省略して紹介しています。AIサポートへの声はサービスへのご感想です。

エネがえるの導入・活用実績
エネがえるは、官公庁・自治体、大手メーカー、商社、電力・ガス会社、住宅メーカー、有力販売施工店など、全国700社以上に導入されています。主な導入・活用先には、環境省、地方自治体、シャープ、パナソニック、ニチコン、スズキ、村田製作所、ダイヘン、三菱電機、ネクストエナジー・アンド・リソース、エリーパワー、NTT-ME、東京ガス、東邦ガス、大和ハウス工業、東京センチュリー、ELJソーラーコーポレーションなどがあります。
導入事例を見る / 主な導入・活用先の掲載情報
エネがえる全体の実績です。掲載先には導入・連携・実証・事例掲載等を含みます。

ご相談・お問い合わせ
エネがえるのご相談はもちろん、新規事業開発、アライアンス、執筆・セミナー講演、リサーチやデータセット開発などのご相談も承ります。まだ具体的に決まっていないお話でも、お気軽にご連絡ください。
TEL:070-3669-8761 / Mail:satoru_higuchi@kk-grp.jp

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たった15秒でシミュレーション完了!誰でもすぐに太陽光・蓄電池の提案が可能!
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