太陽光・蓄電池・EVの経済メリット・投資回収期間|47都道府県6構成シミュレーション

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国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業株式会社「エネがえる」事業開発担当。太陽光・蓄電池・EV/V2Hの経済効果、SaaS・API・BPO、AI活用をつなぎ、顧客との共創による新サービス開発を推進。白書監修、約3年・50件以上の独自調査、官公庁・自治体の経済効果定量化支援にも取り組む。新サービス開発・協業・経済効果試算のご相談を受け付けています。 構想段階からの無料相談、全国訪問、試算の初期レビュー、APIによる事業開発相談も受け付けています。

47都道府県・10電力エリアをつなぐ、住まいのエネルギー比較シリーズ

エネがえる独自比較:比較方法と47都道府県ガイドを地域固有の論点として、太陽光だけからオール電化・蓄電池・EV・V2Hまで、6構成の追加効果と投資判断を同じ比較軸で読み解く。

目次

この記事で分かること

太陽光だけにするか、給湯・蓄電池・EVまで組み合わせるか。設備価格、地域の制度、電気を使う時刻を別々に見ると、家計に合う案を選びにくくなります。このシリーズは、6構成を同じ条件で比較するために、地域の資料を読み解く企画です。

全国では、何を確認すると選択が変わるのか。 太陽光を載せ、お湯を昼に沸かし、蓄電池を置いて、車もEVにする。設備をそろえるほど電気代は減りそうに見える。しかし、家計に残るお金まで増えるとは限らない。

  • 販売施工店・工務店:地域の制度を見積条件に落とし、顧客に説明する比較軸をそろえられます。
  • ご家庭・施設の担当者:価格だけの比較から一歩進み、相談先に確認する条件と依頼内容を整理できます。
  • 自治体・メーカー:普及統計、制度の対象、個別世帯の効果を区別し、支援や提案の設計に使えます。

回収年数を比べる前にそろえる6つの条件

資料確認:2026年9月21〜22日。制度の対象・受付状況は申請時に公式窓口で確認してください。

太陽光を載せ、お湯を昼に沸かし、蓄電池を置いて、車もEVにする。設備をそろえるほど電気代は減りそうに見える。しかし、家計に残るお金まで増えるとは限らない。

理由は二つある。設備が増えれば支出が増えること。そして、お湯も蓄電池もEVも、同じ屋根で発電した電気を使うことだ。昼間の余剰電力を先に給湯へ回せば、蓄電池へ回せる量は減る。その減少まで含めて比べて初めて、「自分の家ならどこまで導入するか」が見えてくる。

この記事では六つの設備構成を比較するための条件を整理する。設備一式の投資回収に加え、最後に一つ追加する設備が本当に役立つかを確認する。

1.比べるのは六つの設備構成。ただし、出発点は同じにする

導入する設備 この比較で知りたいこと
S1 太陽光 屋根への投資だけでどこまで改善するか
S2 太陽光+オール電化・深夜沸き上げ ガス給湯等からの転換と夜間買電の関係
S3 太陽光+オール電化・昼間沸き上げ S2から運転時間を変える価値
S4 S3+家庭用蓄電池 給湯後に残る余剰を夜へ移す価値
S5 S3+EV+V2H 移動費と住宅電力を一緒に見直す価値
S6 S3+家庭用蓄電池+EV+V2H EV不在時などに家庭用蓄電池を追加する価値

比較対象となる「何もしない場合」も、設備が永遠に壊れない住宅ではない。給湯器や車を通常の時期に更新するケースを基準に置く。新築であれば、標準仕様の給湯器・コンロ・車両に対する差額を整理する。

既にオール電化の家と、都市ガス・LPガスを使っている家は別の比較群になる。既設オール電化の家に「ガス基本料金がなくなる効果」を載せる余地はない。また、ガス給湯を電化してもガス暖房や調理が残れば、ガス契約を解約できない場合がある。「オール電化」という名称を使うなら、給湯・調理・暖房のどこまで切り替えるかを明記する。

2.昼に沸かせば必ず安い、とはいえない

昼間沸き上げの比較で見落としやすいのは、太陽光の電気を使うことで失う売電収入だ。発電した電気を使う費用はゼロとせず、売れたはずの価値も確認する。

たとえば、同じ給湯サービスに必要な電力量を夜4kWh、昼3.5kWhと仮定する。夜間買電単価27円/kWh、昼間買電単価35円/kWh、売電単価10円/kWhとする。これらは実際の料金・機種性能ではなく、境界を説明するための入力値である。

夜の費用は4×27=108円。昼の必要電力をすべて太陽光の余剰で賄えれば、失う売電収入は3.5×10=35円で、差は73円となる。一方、余剰が全くなければ昼の買電費は3.5×35=122.5円。昼へ移したほうが14.5円高い。

昼の給湯に使う電力のうち太陽光余剰の割合をαとすると、昼の費用は3.5×{α×10+(1−α)×35}円。この例ではαが約16.6%を超えると、運転費で昼が夜を下回る。売電単価だけを24円と仮定し直すと、境界は約37.7%へ変わる。

昼間沸き上げの損益境界・仮定例01 昼間沸き上げが有利になる境界太陽光余剰の利用割合 × 売電単価。仮定による運転費比較同じ給湯サービス:夜 4kWh / 昼 3.5kWh買電:夜 27円/kWh、昼 35円/kWh。機器費・保守費は含まない。売電 10円/kWh16.6%を超えると昼が有利売電 24円/kWh37.7%を超えると昼が有利0%:すべて買電100%:すべて太陽光余剰出典:本記事の仮定計算。地域実績・料金表・エネがえる実行結果ではありません。
昼間沸き上げが有利になる余剰割合の境界
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昼間沸き上げの損益境界・仮定例01 昼間沸き上げが有利になる境界太陽光余剰の利用割合 × 売電単価。仮定による運転費比較同じ給湯サービス:夜 4kWh / 昼 3.5kWh買電:夜 27円/kWh、昼 35円/kWh。機器費・保守費は含まない。売電 10円/kWh16.6%を超えると昼が有利売電 24円/kWh37.7%を超えると昼が有利0%:すべて買電100%:すべて太陽光余剰出典:本記事の仮定計算。地域実績・料金表・エネがえる実行結果ではありません。

この計算に機器価格差・保守費・湯切れ対策費は含めていない。気温・給水温・貯湯ロスによる消費電力量の変化も住宅と機種ごとに必要だ。したがって、ここから年間節約額を単純に365倍してはいけない。月別、できれば実際の需要と運転条件を反映した時間別に積み上げる。

既設エコキュートを昼間に運転する案と、ガス給湯器から電化する案では、初期費用も需要も異なる。使用する機種の運転機能、必要湯量、太陽光余剰を揃えて比べる。エネがえる・昼間沸き上げFAQ

3.蓄電池とEVを足す前に、残っている余剰を数える

屋根で発電した電力は、その場で使う家電、給湯、EV充電、家庭用蓄電池への充電、売電などへ配分される。どの使い道でも、同じ1kWhを二度使うことはできない。

蓄電池への入力が1kWh、往復効率を説明用に90%、放電で置き換える買電単価を35円/kWh、失う売電単価を10円/kWhと置くと、運転上の粗い差益は1×0.9×35−1×10=21.5円になる。充電1kWhをそのまま放電1kWhとして35−10=25円とすると、変換損失を落とす。

さらに、この21.5円には本体・設置費、経年劣化、待機電力、保守費、将来の交換費が含まれない。余剰や夜間需要が足りず、想定どおり充放電できない日もある。定格容量10kWhだから毎日10kWhずつ節約できる、と扱うことはできない。

EVでは出発時に必要な電力量を先に確保する。平日昼間に通勤で使う車へ、自宅の太陽光をその時間に充電する前提は置けない。勤務先で充電する場合は、その電気代と利用条件を別に記録する。

S6の家庭用蓄電池は「EVがない場合の節約額」では評価しない。S5を先に計算し、その住宅に家庭用蓄電池を足した差額を調べる。非常時に残すSOCを増やした場合も、通常時に使える容量が減る影響まで入れる。

住宅エネルギー六つの設備構成02 設備一式と「最後の一つ」を分ける同じ出発点から6案を比較し、追加設備の差額も確かめるS1太陽光まず屋根への投資S2太陽光+深夜給湯ガス等からの電化S3太陽光+昼間給湯S2との差=運転時間S4S3+家庭用蓄電池S3との差=蓄電池S5S3+EV+V2HS3との差=車と給電S6S5+家庭用蓄電池S5との差=併用の追加価値太陽光の余剰は共通。給湯・EV・蓄電池へ二重に配分しない。S5には普通充電のみの対照案も置き、V2Hだけの価値を切り分ける。方法論図。性能・回収年数・最適な構成を保証するものではありません。
六つの設備構成と追加価値の比較
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住宅エネルギー六つの設備構成02 設備一式と「最後の一つ」を分ける同じ出発点から6案を比較し、追加設備の差額も確かめるS1太陽光まず屋根への投資S2太陽光+深夜給湯ガス等からの電化S3太陽光+昼間給湯S2との差=運転時間S4S3+家庭用蓄電池S3との差=蓄電池S5S3+EV+V2HS3との差=車と給電S6S5+家庭用蓄電池S5との差=併用の追加価値太陽光の余剰は共通。給湯・EV・蓄電池へ二重に配分しない。S5には普通充電のみの対照案も置き、V2Hだけの価値を切り分ける。方法論図。性能・回収年数・最適な構成を保証するものではありません。

4.回収年数は一つだけでなく、追加投資と交換年も見る

比較の中心は、年ごとの家計差額である。

累積純収支=導入しない場合との運転費差額の累計+売電等の収入差+補助金の入金差−設備投資差−保守・交換費差。

運転費には住宅の電気・ガス・残存する灯油と、同じ距離を走る車の燃料・充電費を含める。EV充電分が住宅の電気代に含まれる場合、車の欄で再度差し引かない。車両価格は、同等用途の比較車との差額で見る方法と、買替え自体を含む家計総支出の方法を分ける。EV全額と燃料費だけの比較から、車の選択が合理的かを判定しない。

初回回収は累積が初めてゼロ以上になる年。ところが、その翌年に給湯器やパワコンの交換があれば、再びマイナスになることがある。比較では「初回回収」と「評価期間の残りでもマイナスへ戻らない持続回収」を分け(年次表の場合は各年末時点の判定)、15年・20年時点の純収支も表示する。期間内に回収しなければ、そのまま「期間内未回収」と書く。

年初の投資、補助の入金、月々の節約、交換費の支払いは別の時点で起こる。年単位の簡易回収と、実際の資金繰りを混ぜない。年次収支しかない場合、小数点付きの回収年数は年内均等発生と仮定した補間値であることを付記する。

特に補助金は、導入初日に受け取れるとは限らない。CEVのV2H補助の案内では、交付決定後の発注・工事、実績報告などの手順が示されている。単に補助上限額を設備費から引くだけでなく、実際の受給条件と入金までの立替資金を扱う必要がある。次世代自動車振興センター・V2H補助

5.2026年秋の料金変化を、長期上昇率と混ぜない

2026年9月21日時点で確認した東北電力の公表資料では、低圧の電気料金支援は8月分・10月分で3.5円/kWh、9月分で4.5円/kWhとなっている。ここでいう料金月と使用月には違いがある。記事の「10月に補助終了」が使用分か請求分か曖昧だと、読者の請求書と一致しなくなる。東北電力の公表資料

仮に支援額3.5円/kWhがなくなり、ほかの条件が同じなら、300kWhに対する影響は1,050円となる。しかし、実際の請求額は燃料費調整なども変わるため、その月の値上がりを1,050円と断定できない。追加支援が実施される可能性も、確定発表と予測に分けて更新する。都市ガスへの支援をLPガスにも同じ条件で当てはめない。

中部電力パワーグリッドは9月11日に、託送供給等約款の変更を届け出ている。公表された低圧の平均託送料金は9.13円から10.76円/kWhで、11月1日実施予定とされる。ただし、これは家庭が契約する小売料金プランの従量単価そのものではない。小売側の基本料金・電力量料金への反映内容を確認して計算する。中部電力パワーグリッド・変更届出

料金変動の四つの要因03 電気代の変化を四つに分ける一度の料金改定を「毎年の上昇率」に変換しない料金支援対象使用月・料金月を分ける終了・再開は期間イベント託送料金・小売改定送配電側の平均と小売単価を区別適用日から一度反映燃調・再エネ賦課金実際の料金内訳に合わせて計上内包済みなら二重加算しない将来の価格変化電気・ガス・ガソリンを独立設定予測と感度分析を分ける確認資料:東北電力2026/7/30、中部電力PG2026/9/11。詳細URLは本文参照。
料金変動を四つの要因に分ける
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料金変動の四つの要因03 電気代の変化を四つに分ける一度の料金改定を「毎年の上昇率」に変換しない料金支援対象使用月・料金月を分ける終了・再開は期間イベント託送料金・小売改定送配電側の平均と小売単価を区別適用日から一度反映燃調・再エネ賦課金実際の料金内訳に合わせて計上内包済みなら二重加算しない将来の価格変化電気・ガス・ガソリンを独立設定予測と感度分析を分ける確認資料:東北電力2026/7/30、中部電力PG2026/9/11。詳細URLは本文参照。

一時的な支援終了や一度の料金改定を、毎年の上昇率として複利で繰り返してはいけない。比較では、確定している単価変更を適用日から一度反映し、その後の長期変化を別の感度条件とする。電気・ガス・ガソリンに同じ上昇率を機械的に適用しない。

電気単価だけが上がる場合、太陽光の買電削減価値は上がる一方で、電化によって追加した買電も高くなる。ガソリン価格が上がる場合はEVの走行費差に影響するが、家庭用蓄電池の便益には直接同じ率を掛けない。設備一式の効果が常に改善するという前提を置かず、どの費目がどれだけ変わったかを残す。

階段型FITを平均単価に置き換えると、回収時期も同じになるか

売電単価が期間によって変わる場合、同じ期間の平均単価で概算する方法と、年ごとの単価を使う方法では途中の収支が異なる。回収時期を判断するときは年ごとの収入で比較する。売電期間・入力の考え方

毎年4,000kWh売電すると仮定した例では、階段型の最初の4年間の収入は38万4,000円、平均単価では23万3,280円で、差は15万720円。10年合計はどちらも58万3,200円になるが、途中の資金繰りは同じではない。ここに初期費用を置けば、回収する年が違う可能性がある。売電量の劣化や機器追加で年別売電量が変われば、10年合計も単純な年数平均では一致しない。割引現在価値にも受取時期が影響する。

10年合計をそろえても、途中の回収はそろわない10年合計をそろえても、途中の回収はそろわない仮定:毎年4,000kWhを売電。機器劣化・割引なし。ASP実行値ではない。0万20万40万60万階段型:24円×4年 → 8.3円×6年平均型:14.58円×10年0年2年4年6年8年10年4年目の累積差150,720円。10年目は、どちらも583,200円。合計が同じ条件でも、初期回収・資金繰り・割引現在価値は一致しない。単価構造:エネがえる初期投資支援スキームFAQ。条件を置いた計算例。
階段型FITと平均単価の累積売電収入の違い
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10年合計をそろえても、途中の回収はそろわない10年合計をそろえても、途中の回収はそろわない仮定:毎年4,000kWhを売電。機器劣化・割引なし。ASP実行値ではない。0万20万40万60万階段型:24円×4年 → 8.3円×6年平均型:14.58円×10年0年2年4年6年8年10年4年目の累積差150,720円。10年目は、どちらも583,200円。合計が同じ条件でも、初期回収・資金繰り・割引現在価値は一致しない。単価構造:エネがえる初期投資支援スキームFAQ。条件を置いた計算例。

比較の目的に合わせて、総額と受取時期の両方を確認する。概算総額を見たい場合と、何年目に支出を取り戻せるかを見たい場合では、必要な情報が違う。

6.都道府県の比較は、地域の順位をつける前に条件を分ける

47都道府県を比べるには、二種類の問いがある。同じ家を違う場所に置いたらどう変わるか。もう一つは、その地域で実際に暮らす世帯が何を選べるか、である。

前者では住宅需要・設備・価格をそろえ、気象や料金の差を調べる。後者では住宅形態、都市ガス・LPガス、屋根面積、駐車場、走行距離、補助制度を反映する。この二つを一つのランキングにすると、何が採算を改善したのか分からなくなる。

気象の代表地点も県庁所在地一つで済むとは限らない。海沿いと内陸、山間部と平野部では、試算で確認すべき条件が異なる。エネがえるの発電量算出FAQはJIS C 8907:2005を参照し、日射データにMETPV20を使うと説明している。これは気象条件を固定して比較する基盤になるが、個別の屋根影や着雪、施工条件まで自動的に実証するものではない。発電量の算出根拠

普及率にも注意が必要だ。住宅用太陽光の設置住宅数を全住宅で割るのか、居住世帯のある住宅で割るのか、持ち家戸建てで割るのかで数字は変わる。母集団の違う数値を並べて「導入が遅れている」とは判断できない。住宅・土地統計調査は、表の分類と分母を確認する起点になる。今回、第29-1表から47県と全国、所有・建て方の9区分、計432行を抽出した。全国の設置あり住宅は269万9,900戸で、居住住宅総数5,566万5,000戸を分母にすると約4.85%。持ち家・一戸建てでは2722万7,900戸中245万3,800戸、約9.01%となる。東京都はそれぞれ約1.78%と約5.57%、佐賀県は約10.84%と約15.94%だった。これらは2023年時点の標本推計で、2026年の現況値ではない。100戸単位の丸めがあり、総数には不詳を含む。総務省統計局・2023年調査結果

家庭用蓄電池も、補助の採択件数は保有台数全体と同じではない。統一された保有統計が得られない地域は未確認とし、代わりに確認できた補助利用実績や調査の対象範囲を明記する。空欄を残すことには、根拠のない順位を作らない意味がある。

現場で求められているのは、一つの正解より比べられる説明

エネがえるの公開取材で、岩手県南・宮城県北を主なエリアとするスマート環境デザインは、太陽光・蓄電池・EVについて複数案を用意し、既存のExcel資料とエネがえるのグラフを併用すると説明している。取材では作業時間や成約率が改善したとは述べず、顧客の理解と納得に価値を置いている。スマート環境デザインの事例

この話から読み取れるのは、比較の目的を「一番大きな設備を選ぶこと」に置かない姿勢だ。家計負担を減らしたいのか、停電時に冷蔵庫を動かしたいのか、車の買替えも考えているのか。同じ蓄電池の相談でも、答えるべき問いは違う。

自治体側にも比較の価値がある。環境省の公開取材では、FITと非FIT・補助活用などを定量比較し、説明資料と制度活用へつなげた経緯が紹介されている。ここで示された当時の効果額を2026年の全地域に当てはめるのではなく、「制度の説明に住民側の採算を添える」という方法を引き継ぎたい。環境省の公開事例

自治体の施策評価では、補助件数に加え、対象世帯の初期負担、申請から導入までの期間、補助なしの場合との差、自家消費量、想定外の追加工事を追うとよい。補助がなくても導入した世帯と、補助があって初めて導入できた世帯を区別できれば、次年度の制度改善にも役立つ。ただし、その違いはヒアリングや対照比較を伴う調査で確かめる必要がある。

個別条件で確かめる入口

家庭の太陽光・蓄電池・電化比較はエネがえるASP、車の使い方と充放電を含める場合はEV・V2Hが検討の入口になる。自治体が住民向けの比較資料をそろえる場合は試算代行、メーカーや電力会社が自社画面へ組み込む場合はAPIなど、仕事に合わせて選べる。公共施設や事業所は住宅の条件を転用せず、Biz等で別に扱う。エネがえるのサービス一覧

まず確認したいのは、直近12か月の電気・ガス・灯油使用量、現在の料金プラン、給湯・暖房機器、屋根条件、車の走行距離と自宅にいる時間だ。その上で、設備一式の回収と、蓄電池やV2Hを一つ追加した差額を並べる。家に合う構成は、その二つの表から選びたい。

県別の制度・統計分析へ進む

県別の制度と住宅条件を確認できます。電力の供給区域は県境と一致しない場合があるため、契約は住所・供給地点で確認してください。

地域 制度・運用で比較する論点
北海道 札幌の太陽光補助は「蓄える設備」とセット。6構成の比較が変わる理由
青森県 太陽光の補助25万円と非FIT売電を、同じ収支表で比べる
岩手県 最大257.3万円を設備補助と読まない。住宅性能から太陽光・給湯・EVを組み立てる
宮城県 太陽光・蓄電池・V2Hの補助を、共働き世帯の時間割から考える
秋田県 太陽光の発電量と、家計で使える電気を分けて考える
山形県 蓄電池40万円の補助と、非FIT・卒FITの売電を一緒に比べる
福島県 蓄電池とV2Hを両方買っても、県補助を両方足せない
茨城県 屋根を大きく使うか、余剰を使い切るか。設備容量と通勤EVの比較
栃木県 走行距離が長いほどV2Hも有利なのか。車の不在時間まで検証
群馬県 日射量の多さだけで決めない。給湯・売電・蓄電の使い分け
埼玉県 都市近郊の小さな屋根で6案を比較。容量を増やす前に確認すること
千葉県 停電への備えと投資回収を分ける。V2Hと蓄電池の選び方
東京都 太陽光・昼間給湯・蓄電池・EVを組み合わせる前に、助成額と追加投資を分けて考える
神奈川県 横浜の住宅と郊外の車利用を同じモデルで比べない
新潟県 冬の太陽光を控えめに見積もっても導入は成立するか
富山県 既設オール電化の家に、太陽光と蓄電池をどう足すか
石川県 設備の採算と復旧のしやすさを一緒に点検する
福井県 給湯・EV・家庭用蓄電池、昼間の余剰を誰に配るか
山梨県 年間発電量と冬の給湯需要、二つの季節性から採算を読む
長野県 長野県の太陽光・蓄電池・EV投資を考える――補助金65万円の前に、屋根と車の時間を確かめる
岐阜県 「制度がある」と「今申し込める」を分ける太陽光・蓄電池比較
静岡県 共同購入の安さを、20年の利益へ読み替えない
愛知県 県と市町村の協調補助を二重計上しない六構成比較
三重県 27市町の実施予定を「27市町で受付中」にしない
滋賀県 FITと非FIT、二つの制度で太陽光の損益を比べる
京都府 蓄電池とV2Hを両方付けても、補助は足せない場合がある
大阪府 大阪府の太陽光投資――「非FIT補助がお得」を2026年の条件でもう一度確かめる
兵庫県 県のセット補助と淡路の蓄電池支援を分けて比較する
奈良県 V2Hの地域差を、発電量の差と混同しない
和歌山県 予算残額があっても、住宅用太陽光は受付終了という実例
鳥取県 県から住民へ直接支給されない補助をどう比較するか
島根県 省エネ住宅と県産木材の支援を、太陽光だけの利益にしない
岡山県 補助金とJクレジット収入を同時に数える前に
広島県 断熱、蓄電池、V2Hの効果を一つの電気代削減に重ねない
山口県 「設備単独の県補助なし」とZEH支援は矛盾しない
徳島県 太陽光補助の30%自家消費を、導入後まで追う
香川県 ZEH枠の終了を蓄電池・V2Hの終了と取り違えない
愛媛県 蓄電池の10万円補助を、設備追加の判断へどう使うか
高知県 太陽光の募集終了後も、既設PVへの蓄電池・V2Hを別に検討する
福岡県 蓄電池の9kWh・14kWhの境目で、増設する価値は変わるか
佐賀県 蓄電池のセット要件があると、太陽光単独との比較はどう変わるか
長崎県 市町経由の再エネ補助と、既設太陽光への蓄電池追加を分ける
熊本県 前期終了と後期開始の間に、太陽光・蓄電池をどう判断するか
大分県 上限200万円より先に、個人枠終了と設備単価を確認する
宮崎県 新設セットと既設PVへの電池追加を、別の制度で比較する
鹿児島県 「一部受付終了」の残りが住宅向けとは限らない
沖縄県 本島と離島、車と住宅で補助の入口を分ける

2026年秋の料金を、設備が回避できる費用へ読み替える

東京電力の10月分標準例(30A・260kWh)は前月比432円増だが、支援縮小260円と燃料費調整の変化171.60円が重なる。東京ガスの10月検針標準例(30㎥)の307円増も、支援縮小120円と支援前単価の変化186.90円に分かれる。整数表示には丸めがある。この単月差を長期上昇率と扱わない。

東京ガスの別の料金表改定は10月1日実施・11月検針分から。一般料金では基本料金が月150円増、単位料金が0.02円/㎥増える。全電化でガス契約を解約できる場合と、ガス調理を残す場合では回避できる費用が違う。すでにガス契約がない案同士の蓄電池比較にガスの値上げを加えてはならない。

公式資料・料金月・計算根拠を含む詳細。東京電力EPの11月1日小売反映予定と具体的単価の確定は、別の確認項目として扱う。

2026年秋の家計エネルギー費を、三つの変化に分けて読む

2026年9月22日確認。将来予測、料金改定の発表、既に確定した月次単価を区別する。住宅設備の投資回収に重要なのは、請求額の増加のうち、設備導入で回避できる部分である。

「10月から補助ゼロ」と書くと、検針月を一つ間違える

東京電力の10月分低圧料金には3.50円/kWhの支援が含まれる。9月分は4.50円/kWhだった。東京ガスも10月検針分に14円/㎥、9月検針分に18円/㎥の支援を反映している。使用月と料金月を分ければ、このずれを避けられる。東京電力10月分東京ガス適用期間

対象 7月使用・8月料金/検針 8月使用・9月料金/検針 9月使用・10月料金/検針
低圧電気の支援単価 3.50円/kWh 4.50円/kWh 3.50円/kWh
都市ガスの支援単価 14円/㎥ 18円/㎥ 14円/㎥

上表は今回確認した通常の家庭契約についての整理。検針日や契約で扱いが異なる。特別高圧、LPガス、独自の自治体支援までこの表へ含めない。発表された支援期間の外を「永久に支援なし」と予言しない。

東京の電気代432円増を、すべて補助の縮小で説明しない

東京電力の標準例は従量電灯B30A・月260kWh。9月分7,843円から10月分8,275円へ432円上がる。支援額の減少は1円×260kWh=260円で、残りには燃料費調整の変化が効く。支援前の燃料費調整は−6.46円から−5.80円へ0.66円/kWh上がり、260kWhなら171.60円。合計431.60円が整数表示の432円に対応する。公式算定資料

この432円を12倍して長期の年上昇率とすることはできない。単月の燃料価格反映と期間限定の支援縮小が混ざっているためだ。太陽光の回収を計算するときも、支援後単価を20年間固定した計算と、支援を除いた長期単価は分ける。

ガスは、支援・原料費・料金表改定の三つが重なる

東京ガスの東京地区等では30㎥の標準家庭で、9月検針5,437円から10月検針5,744円へ307円増える。単位料金の10.23円/㎥上昇のうち4円は支援18→14円の縮小、残り6.23円は支援前料金の変化に相当する。10月検針の計算資料

さらに、東京ガスは10月1日実施・11月検針分から、対象メニューの料金表を改定する。一般料金の比較表ではA〜Fの各区分で基本料金が月150円増、単位料金が0.02円/㎥増となる。30㎥の参考額は5,734→5,884円。ただしこれは4月の原料費条件・支援なしで比較した資料であり、11月の請求予報ではない。改定原本

固定費の上昇は設備の選び方で効果が変わる。ガス給湯だけを電化してガス調理を残すなら、ガスの基本料金は残り得る。IHまで含めてガス契約を解約できる条件なら、その基本料金も回避対象になる。これが、同じ給湯器交換でも「ガスを残す案」と「全電化案」を分ける理由だ。

年360㎥、全月契約があり、今回の改定差だけを機械的に当てる説明計算なら、150×12+0.02×360=年1,807.20円(請求丸め前)。この差は全電化案対ガス残存案には効くが、すでに両方ガスゼロのS3とS4の差には効かない。ガス値上げを蓄電池の追加便益へ加えるのは誤りになる。

小売への反映予定と、確定した単価表は別の証拠

東京電力EPは8月31日、11月1日から託送料金見直しを小売料金へ反映する予定を公表した。発表本文は具体的単価を別途案内するとし、規制料金は変更届出を経て確定すると記す。この資料だけで40Aの小売基本料金や従量単価を確定できない。小売事業者の発表

託送約款の基本料金上昇を、そのまま太陽光の1kWh自家消費価値へ加算しない。導入前後で契約容量が同じなら、共通の固定費は差額比較で相殺される。給湯・IH・EV充電で契約容量が増える案は、その差を別に計算する。

料金上昇を投資回収へ反映する順序

  1. 料金月ごとに基本・従量・燃調・賦課金・支援を分ける。
  2. 同じ使用量へ当てた制度変更の差と、使用量を変えた設備導入の差を分ける。
  3. 各構成の買電・ガス・ガソリンの残存量へ、それぞれの価格シナリオを当てる。
  4. 売電は買取条件の別系列に置き、買電上昇率を自動でかけない。
  5. 初期費・自然更新・維持更新費・補助入金を加え、総収支と追加設備差額を並べる。

将来の長期上昇率は確定制度ではない。比較例の0/2/4%は予報ではなく感度条件。一定率だけの計算は、料金の段階制、燃料費調整の上限、固定費と従量費の違いを近似する場合がある。省略した仕組みを明記し、結果の幅を比較に使う。

10月の増額を、支援と燃料の変化へ分ける東京の標準例・9月料金/検針から10月への変化(円)10月の増額を、支援と燃料の変化へ分ける東京の標準例・9月料金/検針から10月への変化(円)電気 260kWh支援縮小 260円 + 燃調変化 171.60円 (丸め後)合計432円ガス 30㎥支援縮小 120円 + 支援前単価変化 186.90円 (丸め後)合計307円出典:東京電力2026年10月分燃調資料/東京ガス2026年10月検針資料確認:2026年9月22日|将来の年上昇率・設備導入の節約額ではない
電気とガスの料金増額を要因別に分解
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拡大図は左右・上下にスクロールできます。見終わったら同じ見出しで閉じられます。

10月の増額を、支援と燃料の変化へ分ける東京の標準例・9月料金/検針から10月への変化(円)10月の増額を、支援と燃料の変化へ分ける東京の標準例・9月料金/検針から10月への変化(円)電気 260kWh支援縮小 260円 + 燃調変化 171.60円 (丸め後)合計432円ガス 30㎥支援縮小 120円 + 支援前単価変化 186.90円 (丸め後)合計307円出典:東京電力2026年10月分燃調資料/東京ガス2026年10月検針資料確認:2026年9月22日|将来の年上昇率・設備導入の節約額ではない

ガス料金改定の差は、どの比較に効くか年360㎥・全月契約を仮定。料金改定差だけを計算(請求丸め前)ガス料金改定の差は、どの比較に効くか年360㎥・全月契約を仮定。料金改定差だけを計算(請求丸め前)全電化 対 ガス残存150円×12か月 + 0.02円×360㎥ = 年1,807.20円S4 対 S3両案ともガス契約なし + ガス料金改定の追加差 0円棒は概念表示(上段のみ1/6縮尺)。出典:東京ガス2026年4月27日改定資料確認:2026年9月22日|将来の年上昇率・設備導入の節約額ではない
ガス改定は比較対象で効き方が変わる
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ガス料金改定の差は、どの比較に効くか年360㎥・全月契約を仮定。料金改定差だけを計算(請求丸め前)ガス料金改定の差は、どの比較に効くか年360㎥・全月契約を仮定。料金改定差だけを計算(請求丸め前)全電化 対 ガス残存150円×12か月 + 0.02円×360㎥ = 年1,807.20円S4 対 S3両案ともガス契約なし + ガス料金改定の追加差 0円棒は概念表示(上段のみ1/6縮尺)。出典:東京ガス2026年4月27日改定資料確認:2026年9月22日|将来の年上昇率・設備導入の節約額ではない

47都道府県の太陽光設置割合:統一分母による再集計

2023年住宅・土地統計調査 第29-1表。2026年の現況値ではありません。持ち家・一戸建てなど同じ分類の「設置あり÷総数」。小数点以下2桁は再計算表示であり推計精度ではありません。

都道府県 居住住宅全体 持ち家全体 持ち家・一戸建て 設置あり住宅全体(戸) 持家戸建・設置なし(戸)
北海道 1.80% 2.92% 3.32% 43,600 1,118,500
青森県 2.84% 3.87% 3.95% 13,900 328,700
岩手県 6.38% 8.63% 8.92% 30,400 292,900
宮城県 5.89% 9.12% 10.52% 58,000 453,300
秋田県 2.27% 2.88% 2.94% 8,400 270,300
山形県 4.29% 5.59% 5.75% 16,800 268,900
福島県 7.33% 9.83% 10.15% 53,300 430,100
茨城県 7.17% 9.82% 10.16% 85,100 701,800
栃木県 8.65% 11.61% 11.96% 69,400 471,000
群馬県 8.72% 11.47% 11.74% 69,900 489,300
埼玉県 4.68% 6.76% 8.21% 150,100 1,502,000
千葉県 4.41% 6.41% 7.95% 122,700 1,262,100
東京都 1.78% 3.50% 5.57% 129,000 1,553,100
神奈川県 2.97% 4.78% 6.77% 126,900 1,493,300
新潟県 2.29% 2.98% 3.08% 19,500 584,900
富山県 3.88% 4.98% 5.15% 15,600 274,500
石川県 3.23% 4.48% 4.64% 15,000 287,400
福井県 4.46% 5.89% 6.06% 12,800 192,200
山梨県 9.20% 12.81% 13.11% 31,000 194,800
長野県 9.76% 13.15% 13.60% 80,500 492,800
岐阜県 8.61% 11.12% 11.50% 66,300 483,200
静岡県 8.85% 12.32% 13.15% 130,000 792,600
愛知県 6.49% 10.23% 12.38% 208,300 1,359,300
三重県 7.60% 9.96% 10.33% 55,300 450,700
滋賀県 8.11% 10.89% 12.09% 47,000 322,100
京都府 3.53% 5.55% 6.51% 41,800 548,200
大阪府 2.57% 4.44% 6.35% 107,700 1,426,900
兵庫県 4.78% 7.06% 9.55% 114,700 1,004,500
奈良県 6.23% 8.16% 9.28% 33,800 313,900
和歌山県 6.75% 8.77% 9.25% 26,100 245,200
鳥取県 5.24% 7.27% 7.55% 11,500 136,000
島根県 6.33% 8.44% 8.79% 16,700 160,900
岡山県 8.12% 11.50% 12.06% 64,500 429,300
広島県 6.13% 9.29% 11.19% 75,300 551,500
山口県 7.94% 10.99% 11.63% 46,300 320,800
徳島県 6.47% 8.82% 9.20% 19,600 178,700
香川県 7.27% 9.72% 10.58% 29,000 225,800
愛媛県 6.46% 9.44% 9.92% 37,900 320,500
高知県 5.89% 8.33% 8.79% 18,100 172,200
福岡県 4.86% 8.58% 11.11% 114,300 825,900
佐賀県 10.84% 15.16% 15.94% 33,800 167,600
長崎県 6.66% 9.77% 10.71% 35,800 280,000
熊本県 9.03% 13.50% 14.55% 64,800 354,000
大分県 7.41% 11.06% 12.15% 36,000 238,700
宮崎県 9.11% 13.27% 13.73% 42,200 249,400
鹿児島県 7.41% 11.10% 11.83% 52,700 367,500
沖縄県 2.93% 6.14% 7.11% 18,400 186,800

Excel原表。全国の比率は全国行の分子・分母から算出し、47県の比率を単純平均しない。蓄電池保有率の代用には使わない。

6構成で「何が増え、何が減るか」をそろえる

6案を別々の営業資料で並べると、家族人数や売電条件の違いまで設備の差に見えてしまいます。最初に現状の住宅・移動費を一つの基準に固定し、次の順に差分を確かめます。下表は比較設計のための表で、地域別の正式な回収年数を示すものではありません。

構成 固定する条件 比較する差分 見積の確認質問
S1 太陽光 屋根・日射・生活需要・売電契約 直接使う電気と売る電気の配分 屋根改修やパワコン更新を費用に含めたか
S2 S1+オール電化・深夜給湯 湯量・暖房・給湯機種・ガス撤去範囲 夜間買電とガス・灯油費の変化 ガス契約が残るのに基本料金を全額削減していないか
S3 S1+オール電化・昼間給湯 S2と同じ湯量と設備条件 昼の買電・売電・効率の変化 雨天・冬季の不足を買電で補ったか
S4 S3+定置型蓄電池 給湯後の余剰・実効容量・出力・損失 S3から増える便益と更新費 満充電できない日や放電しきれない日を含めたか
S5 S3+EV・V2H 同じ移動距離・駐車時間・出発時残量 走行費と家庭放電の両方 車両買替差額と住宅設備費を分けたか
S6 S3+蓄電池+EV・V2H S4・S5と同じ住宅と移動条件 電池を二つ持つ追加価値 同じ余剰電力を二つの電池で重複利用していないか

新設一式を選ぶ家庭と、太陽光をすでに持つ家庭では、答えるべき問いが違います。既設設備の購入費を再び計上せず、今から支払う費用と、今から変わる収支を比べます。S6の評価も「太陽光なしの家より安いか」だけでなく、「S5に定置型電池を足す費用に見合うか」まで確認します。

見積依頼前にそろえる12項目

すべてが分からなくても相談は始められます。不明な値はゼロで埋めず、推定した項目と実際に確認できた項目を分けて渡してください。チェックはこの画面での整理用です。入力・選択内容は送信・保存されません。

回収年数だけでは見落とす5つの判断

1.総額と追加額

初期費用の総額と、次の設備を足す差額を分けます。太陽光の利益が大きくても、追加の蓄電池が同じ速度で回収するとは限りません。

2.年平均と更新年

平均の年間削減額に加え、機器交換・車の買替・売電単価の切替がある年を見ます。一度黒字になっても、その後の更新費で累積収支が再び赤字になる場合があります。

3.収支と手元資金

補助の入金前に工事代を支払う場合や借入を使う場合、長期便益と当面の支払いは一致しません。初期支出と毎月の返済を別に確認します。

4.家計と停電対策

停電時は残量、使える出力、接続回路、EVの在宅状況が重要です。平常時の節約額と非常時の価値を分け、停電回避額を根拠なく収入に加えません。

5.標準と慎重条件

料金が想定ほど上がらない、発電が少ない、補助を受けられない条件でも比較します。採用案が逆転したら、逆転を起こした前提が商談で優先して確認すべき情報です。

設備の数を増やすことより、判断を変える不明点を一つ減らすことが、追加調査の価値になる場合があります。昼にEVが家にないなら、まず在宅時間を確定する。ガスの基本料金が残るなら、まず解約可能な設備範囲を確定する。この順序で見積の精度を上げます。

販売施工店・工務店が商談で使う5ステップ

  1. 現状を一枚にそろえる。 電気・燃料・移動費、設備の年齢、暮らし方を聞き、比較前提を顧客と共有します。
  2. 有力な案を選ぶ。 6構成すべてを機械的に勧めず、屋根、駐車、更新時期、予算から成立する案を残します。
  3. 同じ条件で再計算する。 住宅設備はASP、車と住宅電力を含む検討はEV・V2Hなど、対象に合う製品を使います。製品間で比較するときも、需要・料金・期間の一致を確認します。
  4. 不利な条件も一緒に見せる。 補助なし・低い料金上昇・設備更新を含む場合を示し、顧客が何に納得して選んだかを残します。
  5. 見積変更時に同じ前提へ戻る。 機種・価格・契約が変わったら、前の提案から変えた項目を示して再説明します。

記事を読むだけで止まると、毎回の料金確認、入力のそろえ直し、資料の作り直しが担当者に残ります。エネがえるの導入を検討する意味は、この比較を自社の案件で繰り返し使える業務にすることです。デモでは一般的な画面説明に加え、自社の見積1件を使い、入力から顧客説明までの流れを確かめてください。

自社の提案業務に合うASP・EV/V2H・API・BPOを比較する顧客へ提示する資料とサービスの範囲を確認する

ご家庭・施設の条件で調べたい方へ

住宅の平均値をそのままご家庭の節約額に置き換えることはできません。相談先の販売施工店・工務店に「エネがえるを使い、同じ条件で複数案を比較できますか」と尋ねてください。次の依頼文をコピーし、分かる項目を添えて渡すと、比較したい内容を伝えやすくなります。

この入力欄から問い合わせは送信されません。個人情報は、依頼先の正式な相談窓口へ直接お伝えください。施工店のエネがえる利用は施工品質や補助金交付を保証するものではありません。

施設・店舗・工場は、住宅の6構成表をそのまま転用せず、操業時間、契約電力、負荷データ、導入方式をそろえた産業用試算を依頼します。施設向けのエネがえるBizを確認する

自治体・メーカーが横断比較で確認する3点

  1. 分母をそろえる。 居住住宅全体、持ち家、一戸建て、新築で普及割合の意味が変わります。都道府県の統計を個別自治体の導入可能件数にそのまま置き換えません。
  2. 交付件数と住民便益を分ける。 同じ予算でも、新設支援、既設設備の更新支援、相談支援では対象世帯と成果が異なります。補助後の自己負担、電気の使い方、継続条件まで見ます。
  3. 代表世帯と地域全体を分ける。 一つのモデル世帯で得た結果を県平均と呼ばず、世帯類型・料金・住居・移動の重み付けを示します。基準の6構成に感度条件を加え、何が結論を変えたかを説明します。

環境省の公開活用事例を読む地域の比較設計・試算代行・システム連携の相談先を確認する

全国で、相談前に読んでおきたい論点

  1. 回収年数を比べる前にそろえる6つの条件。見積のどの費用・条件に反映したかを、相談先と確認してください。
  2. 県別の制度・統計分析へ進む。見積のどの費用・条件に反映したかを、相談先と確認してください。
  3. 2026年秋の料金を、設備が回避できる費用へ読み替える。見積のどの費用・条件に反映したかを、相談先と確認してください。

制度の掲載があることと、その家庭が申請できることは別です。記事内の一次資料で対象・時期を確認し、比較表には確認日と適用条件を残します。

著者情報

国際航業株式会社カーボンニュートラル推進部デジタルエネルギーG

樋口 悟(著者情報はこちら

国際航業株式会社「エネがえる」事業開発担当。太陽光・蓄電池・EV/V2Hの経済効果、SaaS・API・BPO、AI活用をつなぎ、顧客との共創による新サービス開発を推進。白書監修、約3年・50件以上の独自調査、官公庁・自治体の経済効果定量化支援にも取り組む。新サービス開発・協業・経済効果試算のご相談を受け付けています。 構想段階からの無料相談、全国訪問、試算の初期レビュー、APIによる事業開発相談も受け付けています。

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