EVの走行費は、電費だけでなく「どこで・いくらで・どれだけ充電するか」で変わります。自宅充電の有無を分け、充電損失を含む電力量で比較します。
自宅充電と急速充電の実料金を分けて比較
価格・根拠の確認日:2026年10月3日。公表実績・販売店の提示価格・試算用の仮定を分けて掲載しています。販売店価格は購入成立額や全国平均ではなく、取得時点の表示です。
自宅充電なしのEVに、家庭向けの電力単価を当てはめると維持費を低く見積もります。充電器の最大出力ではなく、実際に受け取ったkWhと支払額を使います。
| 確認項目 | 価格・数値の目安 | 対象・条件・出典 |
|---|---|---|
| 家庭の買電単価の読み方 | 29.80/36.40/40.49円/kWh(税込) | 東京電力EP従量電灯Bの段階別電力量料金。燃料費調整・賦課金等は別。31円/kWhを現在の請求単価と扱いません。東京電力EP|従量電灯B・C |
| eMP直営・従量課金のビジター急速充電 | 一般道路110円/kWh、高速道路143円/kWh(税込) | 2026年4月1日からの公表料金画像。対象充電器のみ。充電カード会員、提携設備、時間課金は別体系。e-Mobility Power|2026年4月からのビジター課金 |
| 自宅充電工事 | 現地見積もり | 配線長・分電盤・電力契約などで変わるため、全国一律の工事相場は断定しません。Panasonic|EV充電設備の工事費FAQ |
悲観・通常・楽観で、どこまで変わるか
年間1万kmの「走行エネルギー費」だけを税込で比較。車両購入差額・保険・税・保守・充電器費・会費は含みません。外充電は一般道110円/kWhを採用。EV電費は電池側km/kWhの仮定、自宅充電効率は壁から電池への効率。外充電料金は簡略化して電池受入kWhと課金kWhを同一とし、受電後損失を除外。ガソリン160・180・200円/Lは足元相場の主張ではなく感度幅です。
以下は条件を置き換えた独自の感度分析です。「通常」は比較の基準ケースで、最頻値・平均的な顧客・将来予測を意味しません。3ケースに発生確率は付けておらず、信頼区間やP90/P50/P10でもありません。
| ケース | 自宅充電割合 | EV電費(電池側) | 自宅単価・充電効率 | EV年間電力費 | HV年間燃料費 | EVの年間優位額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 悲観 | 0% | 5km/kWh | 40円/kWh・85% | 220,000円 | 64,000円 | -156,000円 |
| 通常(基準) | 80% | 6km/kWh | 31円/kWh・90% | 82,593円 | 81,818円 | -774円 |
| 楽観 | 100% | 7km/kWh | 25円/kWh・93% | 38,402円 | 100,000円 | 61,598円 |
計算方法:EV費=走行距離÷電池側電費×{自宅比率×家庭単価÷充電効率+外充電比率×外充電単価}。HV費=走行距離÷実燃費×ガソリン単価。カタログの交流電力量消費率を使う場合は充電損失を再加算しません。
判断が変わる境界:通常の条件では、エネルギー費だけでEVがHVを下回る自宅充電比率は約81%超です。外充電比率が高い人ほど、実際の会員プランと高速利用の比率が購入判断を左右します。
自分の案件に近づける確認資料
直近の自宅請求書、外充電明細、走行距離・季節別電費、比較HVの実燃費、最寄り給油所の税込単価を取得。冬季や高速走行を年間平均で隠さず、月別で置き換えます。
価格・根拠の出典と時点
- 東京電力EP|従量電灯B・C — 契約メニューの公示単価・2026-10-03確認
- 東京電力EP|燃料費調整単価等一覧 — 月別の調整単価・2026-10-03確認
- e-Mobility Power|2026年4月からのビジター課金 — 2026-03-10公表・4月1日から適用、掲載料金画像も確認
- Panasonic|EV充電設備の工事費FAQ — 配線長・契約電力等により個別見積もり
計算の考え方を確認する補足例
ここからの図・数値は、計算方法を説明するための別の仮定例です。上の出典付き価格・3ケース比較とは条件が異なり、現在の市場価格や同一案件の結果を示すものではありません。

比較するのは車両の電費と、充電器側の電力量
車両走行に使う電力量と、電力会社から購入する電力量は一致しない場合があります。充電時の損失を考慮するなら、走行に必要な電力量を充電効率で割ります。ただし、採用する電費データが既に充電損失を含んでいる場合、さらに効率で割ると二重計上です。試験条件と測定位置を確認してください。
年間1万km走る場合の仮定例
EVは車両側の電費6km/kWh、充電効率90%、HVは燃費22km/Lとします。自宅充電31円/kWh、公共充電のkWh換算単価60円/kWh、ガソリン175円/Lと仮置きします。現行料金や車種性能を示す数値ではありません。
EVの年間購入電力量は10,000÷6÷0.9=約1,852kWh。HVの燃料使用量は10,000÷22=約455Lです。
| 使い方 | 年間走行エネルギー費 |
|---|---|
| EV・自宅充電100% | 約57,407円 |
| EV・自宅80%/公共20% | 約68,148円 |
| EV・公共充電100% | 約111,111円 |
| HV | 約79,545円 |
自宅充電100%ではEVの走行エネルギー費が低く、公共充電100%では逆転します。この比較には車両代、保険、税、整備、充電器工事、会費、駐車料金を含みません。車の総費用の優劣とは別です。
公共充電は「円/kWh」だけとは限らない
契約によって時間課金や月額料金等があるため、実際の支払額と受電量から比較可能な値へ換算します。冬季、電池温度、残量、充電器の出力、車両側の受入上限で充電速度が変わる場合があります。定格出力×滞在時間をそのまま充電量とすることは避けます。
自宅充電設備の追加費用も含める
仮に工事等が15万円、自宅充電100%の走行費差が年間約2万2,138円なら、差額だけの単純回収は約6.8年です。設備を長く使うか、引っ越すか、走行距離が増えるかで変わります。
太陽光の余剰で充電する場合も、売電できた収入を失うことや、充電時間に車が自宅にあるかを確認します。昼間不在なら、太陽光の年間発電量が多くても直接充電できるとは限りません。
商談に持参する情報
年間走行距離、平日・休日の帰宅時刻、自宅の駐車場と電源、外出先の充電履歴、検討車の電費条件、現在の燃料費。車の購入条件と家の電力条件を同じ比較表へ置くことで、説明の食い違いを減らせます。
よくある質問
EVは必ずガソリン車より安く走れますか。
電費・料金・充電場所で変わります。さらに車両代を含む総費用も別途比較します。
V2Hがないと自宅充電できませんか。
普通充電とV2Hは役割が異なります。対応する普通充電設備で充電する案も比較します。
充電損失は何%で固定しますか。
機器・条件や電費データの定義を確認します。この例の90%は説明用で、全車種の固定値ではありません。
出典・確認資料
車と家の条件をそろえて比較する
車の見積もり、走行距離、充電できる時刻をそろえ、普通充電とV2Hの追加費用・効果を比較します。



