エネルギー業界 業務フロー大全
エネルギー業界10業種・100業務の業務フロー図を、課題(ボトルネック)と改善後の流れが一目でわかるビフォーアフター形式でまとめた、無料のテンプレート集です。太陽光・蓄電池の販売施工店、住宅メーカー、産業用EPC、PPA事業者、小売電気事業者(新電力)、ガス会社、自治体、メーカー・商社、系統用蓄電池・アグリゲーター、金融・リース・コンサルの業務内容を、担当者ごとのレーンに分けて可視化しました。経済効果シミュレーションや試算代行をどの工程に組み込むと流れが変わるかも、同じ図で比べられます。サムネイルを選ぶと、その業務の図に移動します。
企画・監修:樋口 悟(国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部/エネがえる)
このページの要点
- エネルギー業界10業種・100業務の業務フロー図を、改善前・改善後のビフォーアフターで公開しています(draw.io・PNG・SVG・CSVで無料ダウンロード・編集可)。
- 課題は手戻り・再試算(72業務)、根拠・説明責任(72業務)、料金・単価・制度の更新(41業務)、データ収集・資料の散在(38業務)、Excel・手計算(37業務)などに分類できます。
- 各業種ページで、導入効果(作業時間・コスト・処理能力・提案までの日数)を試算し、Wordの稟議書とExcelの試算表を作れます。
- コンプライアンス(法令の確認ポイント)、提案の根拠資料、営業プロセスの標準もあわせて掲載しています。
業種から選ぶ
- A住宅用 太陽光・蓄電池 販売施工店
- B住宅メーカー・工務店
- C産業用 自家消費 EPC・販売店
- DPPA事業者・再エネ発電事業者
- E小売電気事業者(新電力・大手)
- Fガス小売事業者・LPガス事業者
- G自治体・公共
- Hメーカー・商社・卸
- I系統用蓄電池・アグリゲーター
- J金融・リース・保険・コンサル
業務フロー図の一覧(サムネイルから選ぶ)
業務フロー図の見方
各図は上下2段です。上段の「改善前」はいまの業務フロー、下段の「改善後」はエネがえるを組み込んだ業務フローです。オレンジの「!」が課題(ボトルネック)、点線の矢印が手戻り、緑の工程がエネがえるの試算・代行に置き換わる部分です。右上の数字は、1件あたりの社内の作業時間(モデルケースの例示)です。
業務フロー図の書き方:テンプレートを自社用に直す3ステップ
- 近い図を選ぶ:自社の業種と業務に近い図を開き、「draw.ioで編集」でダウンロードします。
- レーンを直す:担当者・お客様・外部(電力会社・自治体・メーカーなど)を自社の体制に合わせて書き換えます。
- 工程と時間を置き換え、課題に印を付ける:実際の流れと時間を入れ、待ち・手戻り・担当者による差が出る工程に印を付けます。そこが改善やシミュレーション導入の候補です。
課題から探す(業種×課題)
100業務の課題(ボトルネック)を10の課題に分類しました。課題を選ぶと、業種をまたいだ事例と、原因・打ち手・効果の測り方をまとめたページに移動します。
- 19業務・9業種属人化計算方法や単価の持ち方が担当者ごとのExcelに埋め込まれている
- 37業務・10業種Excel・手計算料金表・補助金・機器仕様を毎回手で調べて転記している
- 33業務・10業種待ち時間・リードタイム初回接触の時点で、概算に必要な情報を聞き切れていない
- 72業務・10業種手戻り・再試算前提条件が記録されておらず、変更時に最初から組み直している
- 72業務・10業種根拠・説明責任単価・使用量・日射量・補助金の出典と時点が示されていない
- 14業務・9業種補助金・申請手続き対象機器・地域・受付期間の確認を、契約直前や申請時に行っている
- 41業務・10業種料金・単価・制度の更新料金表や調整単価を担当者が個別に追いかけている
- 38業務・10業種データ収集・資料の散在依頼する資料の一覧がなく、何度も追加で依頼している
- 13業務・7業種稟議・社内承認効果が1つの数字だけで、下振れやリスクの説明がない
- 12業務・6業種提案機会の取りこぼし顧客ごとの設備・契約・使用量の情報から、提案の候補を出せていない
業種×課題のマップ(数字は該当する業務の数)
| 課題 \ 業種 | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 属人化 | 3 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 | 1 | 3 | 3 | |
| Excel・手計算 | 3 | 5 | 4 | 6 | 3 | 4 | 2 | 2 | 6 | 2 |
| 待ち時間・リードタイム | 4 | 3 | 3 | 4 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 | 3 |
| 手戻り・再試算 | 8 | 6 | 5 | 9 | 7 | 7 | 7 | 9 | 8 | 6 |
| 根拠・説明責任 | 5 | 6 | 8 | 6 | 7 | 9 | 9 | 5 | 9 | 8 |
| 補助金・申請手続き | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 1 | 1 | |
| 料金・単価・制度の更新 | 4 | 5 | 2 | 3 | 8 | 5 | 3 | 4 | 3 | 4 |
| データ収集・資料の散在 | 3 | 2 | 5 | 4 | 4 | 3 | 4 | 5 | 4 | 4 |
| 稟議・社内承認 | 1 | 2 | 4 | 1 | 3 | 1 | 1 | |||
| 提案機会の取りこぼし | 3 | 2 | 1 | 3 | 2 | 1 |
A:太陽光・蓄電池 販売施工店 B:住宅メーカー・工務店 C:産業用 自家消費EPC D:PPA事業者 E:小売電気事業者(新電力) F:ガス会社・LPガス事業者 G:自治体(脱炭素・再エネ) H:太陽光・蓄電池メーカー・商社 I:系統用蓄電池・アグリゲーター J:金融・リース・コンサル
導入効果の試算と稟議書テンプレート(業種別)
各業種のページで、対象の業務と自社の数字を入れると、作業時間・人件費・処理能力・提案までの日数・手戻り・投資回収を試算し、Wordの稟議書とExcelの効果試算表(数式入り)をそのままダウンロードできます。
- 太陽光・蓄電池 販売施工店の稟議書を作る
- 住宅メーカー・工務店の稟議書を作る
- 産業用 自家消費EPCの稟議書を作る
- PPA事業者の稟議書を作る
- 小売電気事業者(新電力)の稟議書を作る
- ガス会社・LPガス事業者の稟議書を作る
- 自治体(脱炭素・再エネ)の稟議書を作る
- 太陽光・蓄電池メーカー・商社の稟議書を作る
- 系統用蓄電池・アグリゲーターの稟議書を作る
- 金融・リース・コンサルの稟議書を作る
コンプライアンス:業種別に確認する法令・ルール
| 法令・ルール | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 景品表示法(有利誤認・優良誤認) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |
| 特定商取引法(訪問販売・電話勧誘販売) | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 国民生活センターの注意喚起(蓄電池・太陽光の勧誘、点検商法) | ● | ● | ||||||||
| 個人情報保護法 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 電気事業法・電力の小売営業に関する指針 | ● | ● | ● | ● | ||||||
| ガス事業法・ガスの小売営業に関する指針 | ● | |||||||||
| 再エネ特措法(FIT・FIPの事業計画認定) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
| 補助金適正化法・各補助金の交付要綱 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
| 電気工事士法 | ● | ● | ||||||||
| 割賦販売法 | ● | ● | ● | |||||||
| 地球温暖化対策推進法(算定・報告・公表制度) | ● | ● | ● | ● | ||||||
| J-クレジット制度 | ● | ● |
A:太陽光・蓄電池 販売施工店 B:住宅メーカー・工務店 C:産業用 自家消費EPC D:PPA事業者 E:小売電気事業者(新電力) F:ガス会社・LPガス事業者 G:自治体(脱炭素・再エネ) H:太陽光・蓄電池メーカー・商社 I:系統用蓄電池・アグリゲーター J:金融・リース・コンサル
| 法令・ルール | 業務フローで守ること | 一次情報 |
|---|---|---|
| 景品表示法(有利誤認・優良誤認) | 電気代の削減額・回収年数・「必ず得」などの表示は、前提条件・単価・出典を示せる状態で使う。前提を書かずに最大値だけを示さない。 | 消費者庁 表示規制の概要 法令 |
| 特定商取引法(訪問販売・電話勧誘販売) | 勧誘の前に事業者名と目的を告げ、契約時は法定書面を交付する。クーリング・オフの説明と、断られた後の再勧誘の禁止を守る。 | 消費者庁 特定商取引法ガイド(訪問販売) 法令 |
| 国民生活センターの注意喚起(蓄電池・太陽光の勧誘、点検商法) | 相談が多い勧誘の型(その場での契約を迫る、根拠のない削減額、点検を装った訪問)を避け、試算の前提を書面で渡す。 | 家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!(2021年) 太陽光発電システムの点検商法が急増!(2025年) |
| 個人情報保護法 | 検針票・電力使用量(30分値)・住所などは利用目的を示して取得する。試算ツールや外部委託先に渡す範囲と管理方法を決めておく。 | 個人情報保護委員会 法令 |
| 電気事業法・電力の小売営業に関する指針 | 小売では料金・契約条件(燃料費調整、再エネ賦課金、解約条件)を説明し書面を交付する。発電・アグリゲーターは事業区分に応じた届出・登録を確認する。 | 法令 |
| ガス事業法・ガスの小売営業に関する指針 | ガス料金・原料費調整・契約条件を説明する。電気とのセット割は、比較の前提(使用量・単価の時点)をそろえて示す。 | 法令 |
| 再エネ特措法(FIT・FIPの事業計画認定) | 認定・変更の手続きと、売電単価・買取期間・卒FIT後の単価の前提を、試算に正しく反映する。 | 法令 |
| 補助金適正化法・各補助金の交付要綱 | 対象機器、申請の時期(着工前申請など)、実績報告、財産処分の制限を確認する。要件を満たさない前提で補助金を試算に入れない。 | 法令 |
| 電気工事士法 | 電気工事は有資格者が行い、施工体制と保安の記録を残す。 | 法令 |
| 割賦販売法 | ローン・クレジットを併用する販売では、支払総額・手数料などの表示と書面交付に対応する。 | 法令 |
| 地球温暖化対策推進法(算定・報告・公表制度) | CO2削減量は排出係数の出典と年度を明記して算定する。環境価値の二重計上を避ける。 | 環境省 算定・報告・公表制度 法令 |
| J-クレジット制度 | 方法論とモニタリング計画に沿って削減量を記録し、他の環境価値との重複がないか確認する。 | J-クレジット制度 |
※業務フロー上の確認ポイントを整理したもので、法的助言ではありません。最新の法令・指針・交付要綱を確認し、必要に応じて専門家に確認してください。
エビデンス:提案に使う数字の根拠をそろえる
試算の説明責任は、数字そのものより「どの資料の、いつ時点の値か」で決まります。
| 数字 | 根拠(そろえる資料) | 避けること |
|---|---|---|
| 電気料金の単価 | 電力会社の料金表、燃料費調整額・再エネ賦課金の適用月 | 単価の時点を書かない比較 |
| 電気の使用量 | 検針票(12か月分)、法人は30分値(スマートメーターのデータ) | 1か月分からの推計を確定値のように扱う |
| 日射量・発電量 | 地点の日射量データ(NEDOの日射量データベースなど)、パネル配置と影 | 地域平均だけで個別住宅を語る |
| 補助金 | 交付要綱・公募要領・受付期間・予算残 | 受付終了や対象外の補助金を試算に入れる |
| 機器の仕様 | メーカーの仕様書・保証書(容量、劣化、保証年数) | カタログ値の最大値だけを使う |
| 前提と感度 | 基本ケースと下振れケース(単価・使用量・発電量の変化) | 1つの数字だけで判断を迫る |
営業プロセスの標準:ステージと完了条件
家庭向け(販売施工店・住宅メーカー・ガス・新電力・メーカー)
| ステージ | 完了条件(これを満たしたら次へ) | 見る指標 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 反響・初回接触 | 電気代・世帯構成・屋根の条件を聞き取った | 問い合わせから初回接触までの時間 |
| 2 | ヒアリング・概算 | 自宅条件の概算(削減額と前提)を提示した | 初回訪問での概算提示率 |
| 3 | 提案・比較 | 前提を明記した比較表と見積を渡した | 提案から回答までの日数 |
| 4 | 補助金・契約 | 補助金の要件を確認し、法定書面を交付、クーリング・オフを説明した | 契約率・キャンセル率 |
| 5 | 設計・施工・連系 | 設計・申請・工事の予定と責任者を共有した | 契約から引き渡しまでの日数 |
| 6 | 引き渡し・アフター | 実績と試算の差を説明し、紹介をお願いした | 紹介率・再提案率 |
法人・自治体向け(EPC・PPA・自治体・系統用蓄電池・金融)
| ステージ | 完了条件(これを満たしたら次へ) | 見る指標 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 開拓・初期診断 | 請求書12か月分・30分値・屋根/敷地の情報を入手した | 初回面談からデータ入手までの日数 |
| 2 | 解析・概算 | ロードカーブと容量案、概算効果を提示した | 概算提示までの日数 |
| 3 | 事業性・稟議 | IRR・回収年数・感度分析と稟議資料を渡した | 稟議通過率 |
| 4 | 契約・補助金・連系 | 契約条件、補助金、系統連系の要件と日程を確定した | 契約から着工までの日数 |
| 5 | 建設・運転開始 | 工程・品質・安全の記録を残した | 工期の遅れ |
| 6 | 検証・報告 | 実績と計画の差、CO2削減量を報告した | 次の拠点・追加提案の件数 |
最小の手間で成約率を上げる5つの打ち手
- 初回接触の前に概算を持っていく「自宅(自社)だといくら変わるか」を最初の面談で示すと、検討の土台ができ、再訪問が減ります。
- 前提を書いた比較を1枚にする単価の時点、使用量、補助金の有無を同じ紙に書くと、他社比較で信頼が残ります。景品表示法の観点でも安全です。
- 補助金を先に当てる対象と受付期間を最初に確認すると、契約直前の手戻りと失注が減ります。
- 決裁者向けの資料を先回りして渡す法人・自治体では、担当者が社内で説明できる稟議資料(効果・感度・リスク)が決め手になります。
- 再試算をなくす条件変更のたびに担当者がExcelを直す運用をやめ、同じ計算で何度でも出し直せる状態にします。
よくある質問
業務フロー図とは?
業務の始まりから終わりまでの作業を、担当者ごとのレーン(スイムレーン)に分けて順番に並べた図です。誰が、どの順番で、何に時間をかけているかが見えるため、課題の抽出や業務改善、システム導入の検討に使われます。
エネルギー業界の業務フロー図のテンプレートはありますか?
このページで、10業種・100業務の業務フロー図を無料で公開しています。各図はdraw.io・SVG・PNG・CSV(工程表)でダウンロードでき、自社の業務に合わせて編集できます。
業務フロー図の書き方は?
①自社の業種に近い図を選ぶ、②レーン(担当者・お客様・外部)を自社の体制に合わせて直す、③工程と時間を実際の流れに置き換え、時間がかかる・やり直しが起きる工程に印を付ける、の3ステップが手早い方法です。
業務フローの課題はどうやって抽出しますか?
工程ごとに時間、待ち(往復・承認待ち)、手戻り(再試算・再訪問)、担当者による差の4点を確認します。この大全では、課題をオレンジの「!」、手戻りを点線の矢印で示しています。
経済効果シミュレーションは業務フローのどこに入りますか?
販売施工店や住宅メーカーでは初回訪問前と見積・比較提示、産業用EPCやPPA事業者では需要データの解析と稟議資料の作成、自治体では補助金制度の設計や地域モデル世帯の効果試算に入ります。各図の改善後の緑の工程が、エネがえるの試算や代行に置き換わる部分です。
エネがえる導入の稟議書テンプレートはありますか?
各業種のページにある「導入効果の試算と稟議書テンプレート」で、対象の業務と自社の数字を入れると、Wordの稟議書とExcelの効果試算表(数式入り)をダウンロードできます。
図の作業時間は実績ですか?
いいえ。1件あたりのモデルケースの例示で、実績値ではありません。業務・地域・案件により異なります。
