エネルギー業界 業務フロー大全 | 課題別:手戻り・再試算
設計変更、プラン変更、差し戻しのたびに試算や資料を作り直すと、作業時間だけでなく提案の鮮度と信頼も落ちます。手戻り(点線の矢印)や再試算がある業務を、業種別に72業務で整理しました。
この記事の要点
- 手戻り・再試算は、エネルギー業界の業務フロー100件のうち72業務・92か所で課題として現れます(10業種)。
- 特に多いのはPPA事業者、太陽光・蓄電池メーカー・商社、太陽光・蓄電池 販売施工店で、代表例は「需要家の開拓と初期診断」、「販売店への試算ツール提供」、「反響・問い合わせから初回訪問まで」です。
- 主な原因:前提条件が記録されておらず、変更時に最初から組み直している/設計・申請の要件確認が後工程で行われている/提案時の数字と実績を同じ物差しで比べられない
- 打ち手:試算の条件を保存し、変わった条件だけを直して出し直せるようにする/要件(補助金・連系・設計制約)の確認を前工程に移す/提案時の前提と実績を同じ形式で記録し、差を説明できるようにする
- 効果の測り方:1案件あたりの再試算回数、差し戻し件数、手戻りによる追加の作業時間
企画・監修:樋口 悟(国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部/エネがえる)|エネルギー業界 業務フロー大全の課題別ページです
72該当する業務
10業種
92課題(ボトルネック)
手戻り・再試算が起きる主な原因
- 前提条件が記録されておらず、変更時に最初から組み直している
- 設計・申請の要件確認が後工程で行われている
- 提案時の数字と実績を同じ物差しで比べられない
手戻り・再試算の削減の打ち手
- 試算の条件を保存し、変わった条件だけを直して出し直せるようにする
- 要件(補助金・連系・設計制約)の確認を前工程に移す
- 提案時の前提と実績を同じ形式で記録し、差を説明できるようにする
業種別の事例:手戻り・再試算が起きている72業務
業種ごとの件数です。名前を選ぶと、その業種の事例に移動します。図のサムネイルを選ぶと、改善前・改善後の業務フロー図を開きます。
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改善のポイント:初回面談の時点で、30分値に基づく概算を返す
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改善のポイント:容量違いの比較を最初の提案に含め、稟議の差し戻しを防ぐ
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- 拠点の追加・除外を求める:配分を最初から組み直し
- 手戻り:配分の組み直し
改善のポイント:拠点の増減を、作り直しではなくパターン比較で扱う
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改善のポイント:市場連動の計算を正本の計算に任せ、資料づくりに集中する
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- 証書の量と費用を契約案に反映:供給量の見直しで数字がずれる
- 目標達成度を確認:不足分の手当てが後から判明
- 手戻り:量の再計算
改善のポイント:供給量と証書量を同じ試算から出し、数字のずれをなくす
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改善のポイント:需要家側の効果と事業者側の収益を同じ前提で示す
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- 系統連系を申請:不備による差し戻しで日数が延びる
- 運転開始を確認:設計変更で発電量の説明が変わる
- 手戻り:不備で再申請
改善のポイント:作図と申請書類を外部化し、工程の待ちを減らす
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- 市場連動分を価格で再計算:30分ごとの価格反映が手作業
- 手戻り:計算を見直す
改善のポイント:市場連動分の計算をAPIに寄せ、手計算の誤りを減らす
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- 余剰・不足の影響を再計算:当初試算の前提が残っていない
改善のポイント:当初の試算条件を残し、変更分だけ差し替えて再計算する
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改善のポイント:自作シートの保守をやめ、共通の試算基盤に寄せる
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改善のポイント:仕様の比較から「使い方別の効果」の比較へ
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- 表示内容の社内・法務確認:前提条件の注記で差し戻し
- 手戻り:前提を見直して再試算
改善のポイント:訴求の数字に前提条件を最初から添える
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- 販売店に回答:受付状況が変わり回答が古くなる
- 手戻り:要件変更で調べ直し
改善のポイント:探す作業を共通データに置き換え、確認に集中する
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改善のポイント:期待値と実際の差を、同じ前提の再試算で説明する
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改善のポイント:データ保守と計算ロジックは外部APIに任せる
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改善のポイント:補助金・料金の変化をデータで計画に織り込む
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改善のポイント:日本の料金・制度での効果を、国内機と同じ物差しで示す
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改善のポイント:初回訪問の前に「自宅の電気代でいくら変わるか」の概算を持っていく
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改善のポイント:料金単価の調査と計算を正本データ・正本計算に任せる
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改善のポイント:既設太陽光と蓄電池の組み合わせを同じ前提で比べる
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改善のポイント:探す仕事を、更新される共通データに置き換える
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- 再提案資料を作成:値引きと再計算の繰り返し
- 手戻り:前提をそろえて作り直し
改善のポイント:見積と経済効果を同じ前提で一枚に
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- 試算をやり直す:設計確定後に数字が変わる
- 手戻り:配置変更で再作図
改善のポイント:作図を外部化し、設計担当を現地とお客様対応に集中させる
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- 内容確認・差し戻し:記載不備で差し戻し
- 手戻り:不備で作り直し
改善のポイント:必要情報の回収を最初の1回で終える
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改善のポイント:引き渡し資料に月別の見込みを入れ、季節変動を先に説明する
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改善のポイント:候補地の比較を、同じ前提の事業性概算でそろえる
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改善のポイント:申込書類の不備による差し戻しを減らす
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- 前提を変えた感度分析を依頼:条件変更のたびに作り直し
- 手戻り:前提変更で再計算
改善のポイント:価格データの集計と計算を外に出し、前提の確認に集中する
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改善のポイント:下振れケースを最初から資料に入れ、質問の往復を減らす
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改善のポイント:気象・発電量の予測を、計画づくりの共通の材料にする
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改善のポイント:需要家ごとの電気代効果を先に示し、参加の判断材料にする
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改善のポイント:市場価格を使った料金計算を共通の計算に任せる
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- 既存案件の収益を再計算:案件ごとにExcelがバラバラ
改善のポイント:案件ごとの再計算を外に出し、読み解きと判断に時間を使う
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改善のポイント:競合単価の収集を、月次更新の料金データに置き換える
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改善のポイント:営業の試算は単価を1か所から参照し、散在をなくす
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改善のポイント:現行契約との比較を自動化し、見積の待ち時間を短くする
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改善のポイント:現行プランの特定と比較を料金データに任せる
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改善のポイント:自社の使用量データを使い、効果の大きい契約者から提案する
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改善のポイント:日射・発電量の予測を取り込み、太陽光由来の外れを減らす
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改善のポイント:市場連動型の計算をAPIに寄せ、表計算の運用をやめる
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改善のポイント:電気側の単価比較を共通データで行い、説明資料の集計を減らす
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改善のポイント:他社プランの単価調査を、更新される料金データに任せる
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改善のポイント:電化側の数字も先に出し、比較の場で主導権を持つ
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改善のポイント:試算の仕組みを自作せず、立ち上げを営業と施工網づくりに集中
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改善のポイント:コージェネ案と太陽光案を同じ電力需要で比較する
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改善のポイント:自家消費とPPAを同じ需要データで並べて比べる
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改善のポイント:目標の根拠に地域モデルの試算値を添えて審議を進める
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改善のポイント:施設の電気使用量から自家消費効果を横並びで比較する
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改善のポイント:公募前に単価と効果の目安を持ち、条件設定の迷いを減らす
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- 書類の形式チェック:不備が多く差し戻しが続く
- 手戻り:書類不備で差し戻し
改善のポイント:受付と形式チェックを外に出し、職員は審査判断に集中する
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改善のポイント:地域の料金と日射を使った試算を、中立な前提で示す
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改善のポイント:需要家と発電の組み合わせを同じ前提で試算し、調整を早める
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改善のポイント:平常時の電気代削減を数字で示し、防災投資の説明を補強する
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- プランへ反映して提案:屋根に載らず個別に容量を変更
- 手戻り:条件を変えて再試算
改善のポイント:標準仕様を地域別モデル世帯の比較で決める
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改善のポイント:性能値の説明に、光熱費と回収の見通しを添える
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- 次回打ち合わせで説明を聞く:間取り変更で数字が古くなる
- 手戻り:プラン変更で再依頼
改善のポイント:打ち合わせの場で試算し、本部への依頼待ちをなくす
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改善のポイント:補助金の候補探しを共通データに置き換える
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改善のポイント:引き渡し資料に、設備に合う料金プランの比較を入れる
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改善のポイント:点検の接点を、効果の大きい順の再提案に変える
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改善のポイント:削減額の検証を、共通の計算ロジックでの再試算に置き換える
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改善のポイント:削減額は30分値ベースの試算で出し、算定はリース料に集中
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- 投資委員会に付議:前提の比較ができず差し戻し
- 手戻り:前提を見直し
改善のポイント:モデル作成を外部化し、担当は前提の妥当性確認に集中
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改善のポイント:自家消費とPPAを同じ需要データで比較する
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改善のポイント:算定を共通の試算に寄せ、条件をそのまま根拠として残す
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改善のポイント:試算を1件単位で外部化し、社内は確認と顧客対応に集中
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改善のポイント:明細がそろう前に、業種別の概算で関心を確かめる
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- 需要と突き合わせ容量を検討:余剰の扱いを容量ごとに再計算
- 手戻り:容量変更で再作図
改善のポイント:容量違いの案を同じ需要データで並べて比べる
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- 容量別の回収年数を比較:容量を変えるたびに再計算
- 手戻り:容量を変えて再計算
改善のポイント:充放電の計算を30分値ベースの試算に置き換える
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- 追加資料を作成:前提変更のたびに試算からやり直し
- 手戻り:前提変更で作り直し
改善のポイント:試算からそのまま稟議用レポートとExcelを出す
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- 指摘事項を修正:逆潮流対策など設計変更が出る
- 手戻り:指摘で書類修正
改善のポイント:申請書類づくりを外部化し、技術協議に人を充てる
この課題の改善に使うエネがえる
上の事例の改善後の業務フローで組み込んでいる製品・サービスです(数字は登場する業務の数)。
効果の測り方
- 1案件あたりの再試算回数
- 差し戻し件数
- 手戻りによる追加の作業時間
導入前に1か月ほど記録し、導入後と同じ指標で比べると、社内説明と稟議に使える根拠になります。
効果を試算して稟議書を作る
業種ページの「導入効果の試算と稟議書テンプレート」で、対象業務と自社の数字を入れると、作業時間・人件費・処理能力・提案までの日数・投資回収を試算し、Wordの稟議書とExcelの効果試算表をダウンロードできます。
よくある質問
手戻り・再試算は、エネルギー業界のどの業務で起きやすいですか?
業務フロー大全の100業務のうち72業務で見られます。多い業種はPPA事業者、太陽光・蓄電池メーカー・商社、太陽光・蓄電池 販売施工店で、代表的な業務は「需要家の開拓と初期診断」、「販売店への試算ツール提供」、「反響・問い合わせから初回訪問まで」です。
手戻り・再試算の主な原因は何ですか?
前提条件が記録されておらず、変更時に最初から組み直している、設計・申請の要件確認が後工程で行われている、提案時の数字と実績を同じ物差しで比べられないが主な原因です。
手戻り・再試算を解消するにはどうすればよいですか?
試算の条件を保存し、変わった条件だけを直して出し直せるようにする、要件(補助金・連系・設計制約)の確認を前工程に移す、提案時の前提と実績を同じ形式で記録し、差を説明できるようにするが打ち手です。業務フロー大全の改善後の流れでは、エネがえるASP、エネがえるBiz、電気料金プランAPI、エネがえるコーポレートPPAなどを組み込んでいます。
効果はどう測ればよいですか?
1案件あたりの再試算回数、差し戻し件数、手戻りによる追加の作業時間を、導入前と導入後で記録して比べます。各業種ページの「導入効果の試算と稟議書テンプレート」で、作業時間・コスト・処理能力の試算と稟議書の作成もできます。
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