エネルギー業界 業務フロー大全 | 自治体・公共
自治体・公共の業務内容を、10の業務フロー図で解説します。各業務の課題(ボトルネックと手戻り)と、公共施設PPA・補助金事務・効果試算を組み込んだ改善後の流れを、ビフォーアフターで同じ図の中に並べました。担当者・お客様・外部(電力会社・自治体・メーカーなど)をレーンに分けているので、誰の作業で時間がかかっているかが一目でわかります。図はPNG・SVG・draw.io・CSVの無料テンプレートとしてダウンロードし、自社の業務に合わせて編集できます。
企画・監修:樋口 悟(国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部/エネがえる)|エネルギー業界 業務フロー大全(10業種×100業務)の一部です
このページの要点
- 自治体・公共の代表的な業務は、地球温暖化対策実行計画の策定、公共施設の太陽光導入可能性調査、公共施設PPAの公募、住民向け補助金制度の設計、補助金の受付・審査事務、地域モデル世帯の効果試算、地域事業者のネットワーク形成、導入効果の検証と報告、脱炭素先行地域の計画、避難所への太陽光・蓄電池導入の10業務です。
- 多い課題は根拠・説明責任(9業務)、手戻り・再試算(7業務)、データ収集・資料の散在(4業務)、料金・単価・制度の更新(3業務)です。
- 改善前の課題は30か所、1件あたりの社内の作業時間(モデルケース)は合計6720分から3645分になります。
- 改善後の業務フローで使うエネがえる:自治体向け試算・事務局BPO、エネがえるBiz、エネがえるコーポレートPPA、補助金データベース、エネがえるASP、教育研修・業務標準化、エネがえるBPO
- 各図はdraw.io・PNG・SVG・CSVでダウンロードでき、効果試算からWordの稟議書・Excelの試算表まで作れます。
自治体(脱炭素・再エネ)でよくある課題
- 9業務根拠・説明責任単価・使用量・日射量・補助金の出典と時点が示されていない
- 7業務手戻り・再試算前提条件が記録されておらず、変更時に最初から組み直している
- 4業務データ収集・資料の散在依頼する資料の一覧がなく、何度も追加で依頼している
- 3業務料金・単価・制度の更新料金表や調整単価を担当者が個別に追いかけている
- 2業務属人化計算方法や単価の持ち方が担当者ごとのExcelに埋め込まれている
- 2業務Excel・手計算料金表・補助金・機器仕様を毎回手で調べて転記している
- 2業務待ち時間・リードタイム初回接触の時点で、概算に必要な情報を聞き切れていない
- 2業務補助金・申請手続き対象機器・地域・受付期間の確認を、契約直前や申請時に行っている
- 1業務提案機会の取りこぼし顧客ごとの設備・契約・使用量の情報から、提案の候補を出せていない
自治体(脱炭素・再エネ)の業務フロー図10選(改善前・改善後)
- G01地球温暖化対策実行計画の策定
- G02公共施設の太陽光導入可能性調査
- G03公共施設PPAの公募
- G04住民向け補助金制度の設計
- G05補助金の受付・審査事務
- G06地域モデル世帯の効果試算
- G07地域事業者のネットワーク形成
- G08導入効果の検証と報告
- G09脱炭素先行地域の計画
- G10避難所への太陽光・蓄電池導入
地球温暖化対策実行計画の策定
環境政策課の計画担当|区域の排出量と再エネ導入量を、根拠ある目標と施策に落とす
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 排出量の現況推計:統計の按分方法が前任者頼み
- 再エネ導入目標の設定:導入効果の数字がなく目標が粗い
- コンサルに調査を委託:委託の調達と納期で年度をまたぐ
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- 排出量の現況推計
- 住宅・公共施設の導入効果を試算(自治体向け試算・事務局BPO)
- 試算をもとに目標と施策を設定
- 審議会で計画案を審議
- 計画の公表
改善のポイント
- 目標の根拠に地域モデルの試算値を添えて審議を進める
公共施設の太陽光導入可能性調査
施設管理課・環境政策課|どの公共施設に、どれだけ載せると効果が出るかを見極める
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 施設リストと図面を集める:図面や屋根情報が施設ごとに散在
- 電気使用量を各所管に照会:照会の回収に数週間かかる
- 調査業務を委託:1施設ずつの調査で費用がかさむ
- 予算要求・査定:効果額の根拠が弱く査定で止まる
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- 施設リストと使用量を集める
- 施設ごとの自家消費効果を試算(エネがえるBiz)
- 効果の大きい施設を選定
- 予算要求・査定
改善のポイント
- 施設の電気使用量から自家消費効果を横並びで比較する
- 効果額の根拠を添えて予算査定に臨む
公共施設PPAの公募
施設管理課・契約担当|条件の妥当なPPA事業者を、公正な手続きで選ぶ
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 対象施設と条件の整理:適正な単価の目安が持てない
- 公募要項・仕様書の作成:他自治体の要項の読み替えに時間
- 選定委員会で審査:提案ごとの前提が違い比べにくい
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- PPA単価と効果の目安を試算(エネがえるコーポレートPPA)
- 公募要項・仕様書の作成
- 事業者が提案書を提出
- 同じ前提で提案を比較審査
- 協定・契約の締結
改善のポイント
- 公募前に単価と効果の目安を持ち、条件設定の迷いを減らす
住民向け補助金制度の設計
環境政策課の補助金担当|予算内で効果が出る補助対象・補助額を決める
補助金の受付・審査事務
補助金担当・会計年度任用職員|申請を正確・迅速に審査し、交付と実績確認を回す
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 書類の形式チェック:不備が多く差し戻しが続く
- 対象機器・要件の審査:機器の対象可否の確認に手間
- 実績報告の確認:繁忙期に人手が足りない
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- 申請書類を提出
- 受付・形式チェックを代行(自治体向け試算・事務局BPO)
- 要件の審査と交付決定
- 実績報告の確認
- 支出の決裁
改善のポイント
- 受付と形式チェックを外に出し、職員は審査判断に集中する
- 交付決定前の契約・着工は対象外になりうる点を周知する
地域モデル世帯の効果試算
環境政策課・広報担当|住民が「自分の家ならいくら得か」をイメージできる資料をつくる
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- Excelで電気代と発電量を試算:料金単価や日射の前提が古いまま
- 業者に試算を確認依頼:業者ごとに前提が違い答えが揃わない
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- モデル世帯の条件を決める
- 地域モデル世帯の試算を作成(自治体向け試算・事務局BPO)
- 広報誌・Web用に資料化
- 資料を見る
改善のポイント
- 地域の料金と日射を使った試算を、中立な前提で示す
地域事業者のネットワーク形成
環境政策課・商工担当|住民が安心して相談できる地域の施工・販売事業者の輪をつくる
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 地域事業者をリスト化:事業者情報が課ごとにバラバラ
- 事業者が住民に提案:提案の品質と試算根拠に差がある
- 提案内容に不安を持つ:過大な効果説明への苦情が出る
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- 地域事業者をリスト化
- 事業者向けに試算研修を実施(教育研修・業務標準化)
- 共通の試算方法で提案(エネがえるASP)
- 根拠ある提案を比べる
改善のポイント
- 試算の方法をそろえ、事業者ごとの説明のばらつきを減らす
導入効果の検証と報告
環境政策課・施設管理課|導入した設備の効果を数字で確かめ、議会・住民に報告する
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 施設ごとに実績を集める:発電・電力量データの形式が不統一
- 削減量と削減額を計算:導入前の想定と比べる基準がない
- 委員会で報告:想定との差の理由を説明しにくい
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- 施設ごとに実績を集める
- 導入時の想定と実績を比較(エネがえるBPO)
- 委員会で報告
- 報告書を公表
改善のポイント
- 導入時の試算を基準に残し、実績との差を説明できるようにする
脱炭素先行地域の計画
企画課・環境政策課|対象エリアの再エネ導入と電力需給の計画を、国の公募に耐える形でまとめる
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 需要と再エネ供給量を推計:需要家ごとの電力データ集めが重い
- 共同提案者と事業を調整:事業者ごとに採算の前提が違う
- 国へ計画提案を提出:評価の観点で数字の根拠を問われる
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- 対象エリアと需要家を選ぶ
- 複数需要×複数発電を試算(エネがえるコーポレートPPA)
- 同じ試算で事業者と調整
- 庁内合意・予算確保
- 国へ計画提案を提出
改善のポイント
- 需要家と発電の組み合わせを同じ前提で試算し、調整を早める
避難所への太陽光・蓄電池導入
防災課・施設管理課|停電時に避難所の必要電力をまかなえる設備規模を決める
改善前:いまの業務の課題(ボトルネック)
- 避難所の必要電力を洗い出す:非常時の負荷想定が担当者まかせ
- 設備容量を決める:平常時の効果と非常時の両立が難しい
- 予算要求・査定:費用に見合う効果を示しにくい
改善後:エネがえるを組み込んだ業務フロー
- 避難所の必要電力を洗い出す
- 平常時の電気代削減を試算(エネがえるBiz)
- 非常時を踏まえ容量を決める
- 予算要求・査定
- 設計・施工
改善のポイント
- 平常時の電気代削減を数字で示し、防災投資の説明を補強する
※時間・件数は1件あたりのモデルケースの例示で、実績値ではありません。業務・地域・案件により異なります。補助金の採択や導入効果を保証するものではありません。図のダウンロード・社内利用・編集は自由です。社外で公開する場合は出典「エネがえる 業務フロー大全」を明記してください。
導入効果の試算と稟議書テンプレート
このページの業務フローをもとに、エネがえるを導入したときの作業時間・コスト・処理能力・提案スピード・手戻りを試算し、そのまま社内の稟議書(Word)と効果試算表(Excel・数式入り)を作れます。数字は入力例なので、自社の数字に置き換えてください。
1. 前提を入れる
2. 対象の業務を選ぶ(作業時間は自社の実測に直せます)
| ID | 業務 | 月間件数(頻度の目安) | 改善前(分/件) | 改善後(分/件) | 課題 | 手戻り |
|---|
3. 効果(自動計算)
1件あたりの作業時間(灰:改善前/緑:導入後)
この試算で使うエネがえる
※作業時間の初期値は業務フロー大全のモデルケース(例示)で、実績値ではありません。成約率の改善は想定値で、効果を保証するものではありません。処理できる案件数は、担当者の稼働を選んだ業務だけに充てた場合の上限です。
コンプライアンス:この業種の業務フローで守ること
| 法令・ルール | 業務フローで守ること | 一次情報 |
|---|---|---|
| 補助金適正化法・各補助金の交付要綱 | 対象機器、申請の時期(着工前申請など)、実績報告、財産処分の制限を確認する。要件を満たさない前提で補助金を試算に入れない。 | 法令 |
| 個人情報保護法 | 検針票・電力使用量(30分値)・住所などは利用目的を示して取得する。試算ツールや外部委託先に渡す範囲と管理方法を決めておく。 | 個人情報保護委員会 法令 |
| 地球温暖化対策推進法(算定・報告・公表制度) | CO2削減量は排出係数の出典と年度を明記して算定する。環境価値の二重計上を避ける。 | 環境省 算定・報告・公表制度 法令 |
| 再エネ特措法(FIT・FIPの事業計画認定) | 認定・変更の手続きと、売電単価・買取期間・卒FIT後の単価の前提を、試算に正しく反映する。 | 法令 |
| 景品表示法(有利誤認・優良誤認) | 電気代の削減額・回収年数・「必ず得」などの表示は、前提条件・単価・出典を示せる状態で使う。前提を書かずに最大値だけを示さない。 | 消費者庁 表示規制の概要 法令 |
※業務フロー上の確認ポイントを整理したもので、法的助言ではありません。最新の法令・指針・交付要綱を確認し、必要に応じて専門家に確認してください。
エビデンス:提案に使う数字の根拠をそろえる
試算の説明責任は、数字そのものより「どの資料の、いつ時点の値か」で決まります。提案書と稟議書には次の根拠を添えます。
| 数字 | 根拠(そろえる資料) | 避けること |
|---|---|---|
| 電気料金の単価 | 電力会社の料金表、燃料費調整額・再エネ賦課金の適用月 | 単価の時点を書かない比較 |
| 電気の使用量 | 検針票(12か月分)、法人は30分値(スマートメーターのデータ) | 1か月分からの推計を確定値のように扱う |
| 日射量・発電量 | 地点の日射量データ(NEDOの日射量データベースなど)、パネル配置と影 | 地域平均だけで個別住宅を語る |
| 補助金 | 交付要綱・公募要領・受付期間・予算残 | 受付終了や対象外の補助金を試算に入れる |
| 機器の仕様 | メーカーの仕様書・保証書(容量、劣化、保証年数) | カタログ値の最大値だけを使う |
| 前提と感度 | 基本ケースと下振れケース(単価・使用量・発電量の変化) | 1つの数字だけで判断を迫る |
営業プロセスの標準:ステージと完了条件
ステージごとに「何を満たしたら次へ進むか」を決めると、担当者による差と手戻りが減り、どこで止まっているかを数字で見られます。
| ステージ | 完了条件(これを満たしたら次へ) | 見る指標 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 開拓・初期診断 | 請求書12か月分・30分値・屋根/敷地の情報を入手した | 初回面談からデータ入手までの日数 |
| 2 | 解析・概算 | ロードカーブと容量案、概算効果を提示した | 概算提示までの日数 |
| 3 | 事業性・稟議 | IRR・回収年数・感度分析と稟議資料を渡した | 稟議通過率 |
| 4 | 契約・補助金・連系 | 契約条件、補助金、系統連系の要件と日程を確定した | 契約から着工までの日数 |
| 5 | 建設・運転開始 | 工程・品質・安全の記録を残した | 工期の遅れ |
| 6 | 検証・報告 | 実績と計画の差、CO2削減量を報告した | 次の拠点・追加提案の件数 |
最小の手間で成約率を上げる5つの打ち手
- 初回接触の前に概算を持っていく「自宅(自社)だといくら変わるか」を最初の面談で示すと、検討の土台ができ、再訪問が減ります。
- 前提を書いた比較を1枚にする単価の時点、使用量、補助金の有無を同じ紙に書くと、他社比較で信頼が残ります。景品表示法の観点でも安全です。
- 補助金を先に当てる対象と受付期間を最初に確認すると、契約直前の手戻りと失注が減ります。
- 決裁者向けの資料を先回りして渡す法人・自治体では、担当者が社内で説明できる稟議資料(効果・感度・リスク)が決め手になります。
- 再試算をなくす条件変更のたびに担当者がExcelを直す運用をやめ、同じ計算で何度でも出し直せる状態にします。
よくある質問
自治体(脱炭素・再エネ)の主な業務内容は?
自治体・公共の代表的な業務は、地球温暖化対策実行計画の策定、公共施設の太陽光導入可能性調査、公共施設PPAの公募、住民向け補助金制度の設計、補助金の受付・審査事務、地域モデル世帯の効果試算、地域事業者のネットワーク形成、導入効果の検証と報告、脱炭素先行地域の計画、避難所への太陽光・蓄電池導入の10業務です。このページでは、それぞれを担当者・お客様・外部(電力会社・自治体・メーカーなど)のレーンに分けた業務フロー図で示しています。
自治体(脱炭素・再エネ)の業務フローで、よくある課題は?
図の中でボトルネックとして示した主な課題は、統計の按分方法が前任者頼み、導入効果の数字がなく目標が粗い、委託の調達と納期で年度をまたぐ、図面や屋根情報が施設ごとに散在、照会の回収に数週間かかるなどです。改善前の図では、オレンジの「!」と点線の手戻りで示しています。
シミュレーション(試算)などエネがえるの機能は、業務フローのどこに入りますか?
例として、「地球温暖化対策実行計画の策定」の「住宅・公共施設の導入効果を試算」(自治体向け試算・事務局BPO)、「公共施設の太陽光導入可能性調査」の「施設ごとの自家消費効果を試算」(エネがえるBiz)、「公共施設PPAの公募」の「PPA単価と効果の目安を試算」(エネがえるコーポレートPPA)、「住民向け補助金制度の設計」の「他自治体の補助制度を検索」(補助金データベース)に入ります。改善後の図の緑の工程が、エネがえるの試算や代行に置き換わる部分です。
エネがえる導入の稟議書テンプレートはありますか?
このページの「導入効果の試算と稟議書テンプレート」で、対象の業務と自社の数字を入れると、作業時間・人件費・処理能力・提案までの日数・投資回収を試算し、Wordの稟議書とExcelの効果試算表(数式入り)をダウンロードできます。
業務フロー図は無料でダウンロード・編集できますか?
はい。各図はPNG・SVG・draw.io・CSV(工程表)でダウンロードでき、社内での利用や編集は自由です。社外で公開する場合は出典「エネがえる 業務フロー大全」を明記してください。図中の時間はモデルケースの例示です。
ほかの業種の業務フロー図
- 太陽光・蓄電池 販売施工店の業務フロー
- 住宅メーカー・工務店の業務フロー
- 産業用 自家消費EPCの業務フロー
- PPA事業者の業務フロー
- 小売電気事業者(新電力)の業務フロー
- ガス会社・LPガス事業者の業務フロー
- 太陽光・蓄電池メーカー・商社の業務フロー
- 系統用蓄電池・アグリゲーターの業務フロー
- 金融・リース・コンサルの業務フロー
自社の業務フローに当てはめると、どこが変わるか
図の工程を自社の流れに置き換えて、どこで時間がかかっているか、どの工程を試算(シミュレーション)や代行に置き換えられるかを一緒に整理します。
ドラッグで移動、ホイールで拡大・縮小、← → で前後の業務、Esc で閉じる。会議室のモニターやプロジェクターでそのまま使えます。
