エネルギー業界 業務フロー大全 | 課題別:料金・単価・制度の更新

電気料金の改定、燃料費調整額や再エネ賦課金の変更、市場価格の変動は、提案の数字を静かに古くします。料金・単価・制度の更新がボトルネックになっている業務を、業種別に41業務・55か所で整理しました。

この記事の要点

  • 料金・単価・制度の更新は、エネルギー業界の業務フロー100件のうち41業務・55か所で課題として現れます(10業種)。
  • 特に多いのは小売電気事業者(新電力)、住宅メーカー・工務店、ガス会社・LPガス事業者で、代表例は「料金プランの設計」、「新築プランへの太陽光・蓄電池の標準搭載」、「原料費調整の料金反映」です。
  • 主な原因:料金表や調整単価を担当者が個別に追いかけている/時間帯別・市場連動の料金を簡略化して計算している/制度変更の影響範囲(どの提案・契約に効くか)が分からない
  • 打ち手:料金プランと単価は更新されたデータベースから参照する/時間帯別・市場連動の計算は専用の計算(API)に任せる/前提の時点を提案書に明記し、改定時に出し直せるようにする
  • 効果の測り方:改定から提案への反映までの日数、単価の誤りによる修正件数、古い単価のまま出た提案の件数

企画・監修:樋口 悟(国際航業株式会社 カーボンニュートラル推進部/エネがえる)|エネルギー業界 業務フロー大全の課題別ページです

41該当する業務
10業種
55課題(ボトルネック)

料金・単価・制度の更新が起きる主な原因

  1. 料金表や調整単価を担当者が個別に追いかけている
  2. 時間帯別・市場連動の料金を簡略化して計算している
  3. 制度変更の影響範囲(どの提案・契約に効くか)が分からない

料金・単価更新の効率化の打ち手

  1. 料金プランと単価は更新されたデータベースから参照する
  2. 時間帯別・市場連動の計算は専用の計算(API)に任せる
  3. 前提の時点を提案書に明記し、改定時に出し直せるようにする

業種別の事例:料金・単価・制度の更新が起きている41業務

業種ごとの件数です。名前を選ぶと、その業種の事例に移動します。図のサムネイルを選ぶと、改善前・改善後の業務フロー図を開きます。

小売電気事業者(新電力)(8業務)

  • E01料金プランの設計

    • 競合の料金プランを収集:他社の単価・改定を手で追う
    • 新旧プランの請求額を比較:Excelの比較表が担当者依存

    改善のポイント:競合単価の収集を、月次更新の料金データに置き換える

  • E02料金改定・燃料費調整の反映

    • 自社単価表を更新:プラン数が多く更新漏れが出る
    • 営業資料・シミュレーターを更新:資料ごとに単価が散在し古いまま
    • 改定内容の問い合わせ:請求額の変化を説明しきれない

    改善のポイント:営業の試算は単価を1か所から参照し、散在をなくす

  • E03法人向け見積

    • ロードカーブから単価を算出:算定できる人が少なく順番待ち
    • 現行契約との比較表を作成:現行単価の読み替えを手作業

    改善のポイント:現行契約との比較を自動化し、見積の待ち時間を短くする

  • E04家庭向け切替営業

    • 現行プランと単価を調べる:大手・新電力のプランが多く迷う
    • 切替後の電気代を手計算:燃調・賦課金の扱いがぶれる

    改善のポイント:現行プランの特定と比較を料金データに任せる

  • E05太陽光・蓄電池のセット販売

    • 提案を聞く:自社プランとの組み合わせ効果が見えない

    改善のポイント:自社の使用量データを使い、効果の大きい契約者から提案する

  • E06卒FIT電力の買取

    • 他社の買取単価と比較:売るか貯めるか判断できない

    改善のポイント:「売る」と「貯めて使う」を同じ前提で比べて案内する

  • E07需給管理と電力調達

    • JEPXで不足分を調達:価格高騰時のコストが読めない

    改善のポイント:日射・発電量の予測を取り込み、太陽光由来の外れを減らす

  • E08請求・明細の作成

    • 市場価格を取込み料金計算:市場連動の計算を表計算で回す
    • 請求額を検算:プランごとの例外処理が多い

    改善のポイント:市場連動型の計算をAPIに寄せ、表計算の運用をやめる

住宅メーカー・工務店(5業務)

ガス会社・LPガス事業者(5業務)

  • F01原料費調整の料金反映

    • 調整後の単価を算定:メニューが多く確認に時間がかかる
    • 料金システム・料金表に反映:ガスと電気で反映作業が別々
    • 個別の影響額を説明:電気の単価根拠をすぐ示せない

    改善のポイント:電気側の単価比較を共通データで行い、説明資料の集計を減らす

  • F02ガス・電気のセット提案

    • 現在の電気プランを調べる:他社プランの単価調査が手作業
    • 切替後の電気代を試算:時間帯別プランの比較が粗い

    改善のポイント:他社プランの単価調査を、更新される料金データに任せる

  • F03給湯器の更新提案と比較

    • ランニングコストを手計算:電気料金とガス料金の比較が粗い

    改善のポイント:電化側の数字も先に出し、比較の場で主導権を持つ

  • F07リフォーム提案

    • 補助金の対象を調べる:制度ごとに要件・期限が違う

    改善のポイント:補助金の候補を早く出し、交付決定前の契約を避ける順序を組む

  • F09EV・V2Hの提案

    • 充電の電気代を試算:時間帯別単価の計算が粗い

    改善のポイント:充電・V2H・太陽光とガソリン比較を一枚で示す

太陽光・蓄電池 販売施工店(4業務)

太陽光・蓄電池メーカー・商社(4業務)

金融・リース・コンサル(4業務)

PPA事業者(3業務)

自治体(脱炭素・再エネ)(3業務)

系統用蓄電池・アグリゲーター(3業務)

産業用 自家消費EPC(2業務)

この課題の改善に使うエネがえる

上の事例の改善後の業務フローで組み込んでいる製品・サービスです(数字は登場する業務の数)。

効果の測り方

  • 改定から提案への反映までの日数
  • 単価の誤りによる修正件数
  • 古い単価のまま出た提案の件数

導入前に1か月ほど記録し、導入後と同じ指標で比べると、社内説明と稟議に使える根拠になります。

効果を試算して稟議書を作る

業種ページの「導入効果の試算と稟議書テンプレート」で、対象業務と自社の数字を入れると、作業時間・人件費・処理能力・提案までの日数・投資回収を試算し、Wordの稟議書とExcelの効果試算表をダウンロードできます。

よくある質問

料金・単価・制度の更新は、エネルギー業界のどの業務で起きやすいですか?

業務フロー大全の100業務のうち41業務で見られます。多い業種は小売電気事業者(新電力)、住宅メーカー・工務店、ガス会社・LPガス事業者で、代表的な業務は「料金プランの設計」、「新築プランへの太陽光・蓄電池の標準搭載」、「原料費調整の料金反映」です。

料金・単価・制度の更新の主な原因は何ですか?

料金表や調整単価を担当者が個別に追いかけている、時間帯別・市場連動の料金を簡略化して計算している、制度変更の影響範囲(どの提案・契約に効くか)が分からないが主な原因です。

料金・単価・制度の更新を解消するにはどうすればよいですか?

料金プランと単価は更新されたデータベースから参照する、時間帯別・市場連動の計算は専用の計算(API)に任せる、前提の時点を提案書に明記し、改定時に出し直せるようにするが打ち手です。業務フロー大全の改善後の流れでは、電気料金プランAPI、エネがえるASP、補助金データベース、エネがえるBizなどを組み込んでいます。

効果はどう測ればよいですか?

改定から提案への反映までの日数、単価の誤りによる修正件数、古い単価のまま出た提案の件数を、導入前と導入後で記録して比べます。各業種ページの「導入効果の試算と稟議書テンプレート」で、作業時間・コスト・処理能力の試算と稟議書の作成もできます。

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